ど-381. 悩み
こんな日もあるさ?
「うーむ」
「……旦那様?」
「ん? よぉ」
「旦那様、お悩みの様子でしたが、如何なさいましたか?」
「ああ。実はな、最近ステフィーヌの元気がないんだよ」
「……すてふぃーぬ?」
「どうしたものかね」
「その、ステフィーヌ様はどのように元気がないのですか?」
「病気じゃない、んだけどな。なんかしおしおって感じで最近下ばかり向いてるんだ」
「旦那様が何か酷い事でもしてしまわれたのでは御座いませんか?」
「そんな事はないっ! ちゃんと毎日様子見て、話しかけて、精一杯気遣って……俺は出来る限りのことをしてるつもりだぞ」
「それが逆に鬱陶しい――ではなく。単に旦那様ご自身が気づかれなかっただけで、ステフィーヌ様のご気分を害されていたのでは御座いませんか?」
「……そうなのかなぁ?」
「で、なければ、そうですね……恋煩い、など?」
「いやぁ、困ったなぁ~」
「殴っていいですか?」
「断る」
「そうですか」
「ああ。……ところでお前は真剣に考える気があるのか?」
「何を仰いましょう。旦那様の実に無駄かつ私以外のものならば確実にモノも言えないほどに呆れ返るであろう事柄にも関わらず、真面目にお答えしているでは御座いませんか」
「そう、なんだけどな。うーむ、何で元気ないんだろ、最近」
「旦那様、余りお悩みが過ぎると言うのも考えものかと。そのようなご様子でステフィーヌ様に会いに行かれると、ステフィーヌ様も更に参ってしまわれますよ?」
「おっと、それはいかん。……うしっ、これでどうだ?」
「出直してきては如何です? 主に顔の造りを……いえ、それだけでは足りませんか。では性格も変え、いっそのこと旦那様であるという全てを変えてみては如何でしょうか」
「お前は俺にどうしろとっ!?」
「いえ、旦那様は旦那様らしく振る舞われているのが一番かと」
「なら顔の造りを変える云々は何のつもりだ」
「軽く、嫉妬に塗れた本音ですのでお気になさらず」
「実はお前、俺の事を“旦那様”って呼ぶのに抵抗があったり?」
「いえ、ありません。そしてあり得ません。私が生涯を賭して旦那様とお呼びするのは今私の目の前に居る旦那様お一人のみで御座います故」
「ならさっきの不満たらたらな発言は何だ?」
「本音です。そして文字通り不満です。ええ、不満ですとも」
「……よし、取り敢えずお前の不満は横に置いておくとして。ステフィーヌの事をどうするかだよな」
「置いておかれるので?」
「いや、だってお前、本気じゃないだろ、二度口走ってたし。つか、ふざけるくらいなら打開策の一つでも考えてくれ」
「コレは失礼を」
「んで打開策、何かないかなー」
「旦那様にお分かりにならないことが私に分かるはずも御座いません」
「……だよなぁ。っと、そろそろ水撒きの時間だから行ってくる」
「はい、旦那様。ステフィーヌ様にもよろしくとお伝えくださいませ」
「ああ、分かった。……ん~、肥料の種類でも変えてみるか? いや、それとももしかして周りの花との組み合わせが悪いとかの可能性も――」
「……正直、旦那様の花壇の花に女性の名をつけるのは紛らわしいので止めて頂きたいのですが」
何か最近駄目駄目だー!!
冬は布団が恋しくって困ります。朝、小説を書く時間が足りなくなってきていて困る。
にっき・三日目
【今日はフェルトマとシャチューと三人、花の話で盛り上がった。気が付くと夕暮れまで一日中話し込んでしまっていたが、実に有意義な時間だっと思う。二人も楽しんでくれていたみたいだし。
別れ際、顔が少し引き攣って見えたのは愛想笑いではないと信じたい】




