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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
571/1098

ど-370. トラウマ

虎と馬は仲が悪いのでしょうか?

と、ふと思ったり。


「お? お前が料理作ってるなんて珍しいな」



「……旦那様ですか」



「や、正確にはお前が料理作ってる場面に出くわすのが珍しいのか。まあどっちでもいいけど」



「旦那様は相も変わらず館の中を無駄に徘徊なさっておられるのですか?」



「徘徊じゃなくて視察と言え」



「はい、ではそのように。しかしながら旦那様、旦那様の儚き思惑を壊すようで申し訳ありませんが、そのように徘徊されているからと言って何か素敵な出会いや出来事が起きるなどと言う期待は持つだけ無駄であると断言させて頂きます」



「いや、別にそんな事は……少しくらいしか期待してないわけだが」



「ですがその“少し”も御座いません」



「……何だかなぁ。――所でお前は何作ってるんだ?」



「館の皆様を労う為に、菓子を少々。本日は蒸し物をメインに作っております」



「ふぅん……て、何かここ最近、同じような会話をしたようなしなかったような気がするだが俺の気のせいか?」



「……さて」



「おい、なぜ視線を逸らす? 何かあったんだな、何かあったんだろ、何があったんだっ!?」



「別段旦那様に隠そうなどとは考えておりません。ですのでそのように、貧欲に私を喰らい尽くしてしまうようなお熱い視線でがっつかれないで下さいませ」



「あ、ああ悪い。お前が素直に話してくれるとは考えてなくてな。つい、」



「そうですか。しかし旦那様の今のご様子から察するに、本当に全く何も覚えておられないのですね」



「お、覚えてないって何がだ? 俺は一体何を忘れちゃってるんだ?」



「それは――……少々お待ちを、旦那様」



「ああ」



「……このくらいで良いですか」



「その蒸しケーキ……でいいのか? は、完成したのか?」



「はい。今回は無駄に凝るのは止めましたので、これにて完成です。お一ついかがですか?」



「いいのか?」



「モノ欲しそうな視線をされておりましたので」



「ああ、そりゃこれだけいい香りが漂ってきてるんだから食べたくもなるけどさ。何かつまみ食いはダメ、とか言ってきそうな気がしたから」



「……部分的には記憶あり、のようですね」



「あん? 何がだ」



「いえ。ではどうぞ、旦那様。毒も薬も妖しげな何かも一切入っていないごく普通の材料と手順のみで作成した蒸しケーキですので、御心配なく」



「……」



「如何なさいました?」



「いや、な。お前が態々そんな注意をしてくるって事は、実はこのケーキ、見た目とは裏腹に何か危険なモノでも入り混じってるのかなーと思って」



「今回ばかりは、私の旦那様への想いへ誓ってでも至って普通のケーキであると断言させて頂きます」



「お前がそこまで断言するとは珍しいが……お前がそこまで言うって事は本当に普通のケーキなんだろうな、これ」



「当然です。それにこれらは旦那様のみならず、館の皆様にもお配りする分を兼ねておりますので」



「あ、今のが一番安心感が持てる説明だった」



「旦那様、ひどいです」



「悪い悪い。別にお前を疑ってるわけじゃないからさ。んじゃ、頂きますっ、と」



「……如何でしょうか?」



「ん? ああ、普通に美味いぞ。てか、日頃からファイの料理を食べている俺としては感涙モノだ」



「それは宜しゅうございました――と、この様に申してはファイ様に失礼に当たりますか」



「や、誰も、ファイ本人だってそんな事は思わないだろ」



「そうでしょうか?」



「そうだって。で、だ。そう言えばだけど俺って一体何を忘れたりなんかしてる訳だ?」



「昨日、私が作ったクッキーに似た何かをお食べになられたのち、生死の境を彷徨いました。翌日、つまり本日の朝には何事もなかったかのように目覚めておられる旦那様は流石と言うほかございません」



「倒れたて……あぁ、だから今朝俺が起きた時、お前泣きそうな表情で『お身体は大丈夫ですか? どこか悪いところはありませんか?』て聞いてきてたのか」



「泣いてはおりませんでした」



「まあ、そうだけどな。ちなみに今と同じ全くの無表情ではあったけどな。雰囲気で、何となく俺がそう思っただけだよ」



「そうですか」



「でも料理で倒れるとか、しかもお前が作ったもので倒れるとかあり得ないだろ。ファイの奴が作ったわけでもなし」



「ではお食べになりますか、――こちらを」



「……あれ、何でだろう? 不思議だな、そのクッキー見てると身体が震えてくるよ? な、泣きたくないのに涙も……」



「――と、言う事です。旦那様もご理解いただけましたね?」



「あ、ああ。嫌ってくらい身体で理解した気分だ」



「では旦那様、少々お手伝い願いたいのですがお時間の方は……当然暇を持て余して居りますね」



「いや、それほど暇ってわけでもないぞ。今だって溜まってる仕事、つーか実に無駄なものばっかりの書類に嫌気がさして逃げ出してきてる訳だし」



「では暇なのですね」



「……まあ、一応は」



「では館の皆様方にこちらのケーキを配るのをお手伝いいただいてもよろしいでしょうか? やはりこう言ったモノは作りたてが一番美味しいと思いますので」



「そんな事ならお安い御用だ。いいぜ?」



「では。……いい頃合いですので、護衛部の方へ」



「ああ、なるほど。今は休憩中の時間のはずだな」



「はい。では旦那様――」



「おう。……って、いつもこんな簡単な手伝いとか用事とかなら、俺としても気が楽なんだけどなぁ」


こんな日もあるさ。



あの娘に聞く!~あなたにとってのレム君は?~

-十八人目【ミューズの場合】-

「……ご主人様、普通のご主人様に戻ってホッとしました。ご主人さまに“ミューズさん”などと呼ばれるのはその、色々と都合の悪いことがありまして……。今のご主人様は普通に好きですよ? …………でも迫ってくるご主人様もそれはそれで――ぁ」


補足:『ミューズ』医療部のミューズさん。ど-200で覚醒してしまったレム君に一番最初に口説かれた(?)お方。登場話、ど-201。


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