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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
542/1098

ど-350. エイリッシュという少女

エイリッシュ・・・見かけ、14,5歳くらいのハイエルフの少女。人身御供?




「……んで、この子だれ?」



「ハイエルフの、名前はエイリッシュと言うそうですよ、旦那様。よかったですね?」



「何か声が怖いですよ?」



「旦那様の、大変良くある気の迷いでは御座いませんか?」



「眉間のトコ、ほんのちょっとだけシワ寄ってるぞっ」



「……、これは失礼」



「いや、そう言うお前を見るのも珍しいから別にいいんだけど……んで、真面目な話、本当にこの子、誰なんだ?」



「ですから、ハイエルフのエイリッシュ様と申します、と先ほどお伝えしたと思いますが……ああ、旦那様ですからね、仕方ありませんか」



「俺だから仕方ないって何が!? いくらなんでもそれくらいは覚えてるっての」



「そうでしたか、それは失礼を。そして驚愕の事実で御座いますね、旦那様?」



「いやっ……て、話が進まなくなりそうだからこれ以上の突っ込みは止めておくが、」



「残念」



「全然、残念じゃないっ。……んで、だ。この子がハイエルフで、名前がエイリッシュってのは分かった」



「そ、そんなっ!?」



「……いや、何をそんなに驚く?」



「では何が疑問なのでしょうか、旦那様?」



「……、さっきの驚きは?」



「旦那様がたった一度で私がお伝えした事を覚えていたした事に驚愕を覚え、それを表現してみました。ですが考えてみると当たり前の事でしたので、やはり止めておく事にしました」



「いやいやいや、それは当然だろう。ついさっきの事だってのに、それで覚えてなかったら俺ってどれだけ記憶力がないんだって話だぞ、それは」



「そうですね。エイリッシュ様はまだ幼少であるとはいえ女の子、それも整った容姿が多いハイエルフであるならば、将来は有望ですからね?」



「何の話だ、それは」



「エイリッシュ様の将来予測で御座いますが? それに身に秘めた力もなかなかのものと見て取れますし……良かったですね、旦那様?」



「……だから、仮にも今の話がその子……エイリッシュ、だったか? の話だとして、何故俺に話を振ってくる?」



「旦那様、無理やりはいけませんよ?」



「だから、何の話だっての」



「分かっていらっしゃる癖に。それとも……もしかし私の口から直接仰れ、と? 旦那様の好きモノにも困ったものです」



「ああっ、だからそれはもう良いってのっ!」



「そうですか」



「ああ。それよりも、本当にこの子、どうしたんだよ? なんで連れてるの? つか、どうして気がついたら俺の膝の上で寝てたの?」



「連れているのはポロロトスス様――あぁ、ポロロトスス様とはハイエルフの長老のお名前で御座いますが、そのポロロトスス様に差し出されたから、としか申し上げる事が出来ません」



「差し出された? ……お前、何か脅しとか恐喝とか、ついにやっちゃいけない一線を越えちまったのか?」



「失礼な。私は旦那様ではございませんっ」



「うん、絶対、今のお前の言葉の方が失礼な?」



「旦那様独自の理論ではそうなるのですね。はい、分かりました。覚えておくと致しましょう」



「いや、今のは全然俺独自とかじゃないから。しかし、別に恐喝とかしてないって言うんなら“差し出された”ってのはどういう意味なんだ?」



「旦那様がまたエレム様の時と同様に、何かをしでかしてしまわれたのでは御座いませんか?」



「何もしてないっての。つーか、俺はずっと寝てただろうが。お前に踏みつけられて、それはもうぐっすりとっ!」



「踏みつけられて……? 旦那様、またそのような趣味を開拓なされたので?」



「趣味じゃねえよ!? そもそも目を覚ましたなりいきなり踏みつけて来やがったのはテメェだ! それにあの一瞬、何か見たような気がするんだが……」



「気のせいでしょう」



「気のせいってか、白い何か、ひらひらとした……う〜ん?」



「ポロロトスス様はどうやら“私と勘違いされたどなたか”の逆鱗に触れたとでもお思いになられたのか、『せめて集落の者たちだけは』とご自分を投げうとうとされました」



「は? 急に何の話を……」



「正にその時です、エイリッシュ様が颯爽さっそうと現れて、『やめて、お爺ちゃんを傷つけないでっ。代わりの罰なら私が受けるからっ!!』『おぉ、エイリッシュ、そんな事を言うものじゃ――』『ううん、いいのっ。私、お爺ちゃんが無事だったらそれで……』とのような光景が繰り広げられた挙句、最終的にはこちらにおられるエイリッシュ様が旦那様への人身御供として決定された次第に御座います」



「うん、実に愉快な茶番だったな。あと、俺に対する人身御供と言うよりも、むしろお前に対する人身御供だろう? 見目麗しき、銀髪のお・ひ・め・さ・ま?」



「……旦那様までそのような、」



「ああ悪い、いまのはちょっと悪ノリが過ぎたか」



「――いえ」



「まあそれはそれとして、つまり勝手に向こうが思いこんだ“罪”とやらで、人身御供としてこの子が俺たちに差し出された、と言う訳か。……おーい、滅茶苦茶な勘違いだな、そりゃ」



「はい。しかしあの場では、要らぬと申し上げる事も出来ず、ならばせめてエレム様のように見聞を広げるために、と考えこうしてお連れしたのですが……」



「うん、この子の事情については大体分かった。お前の言いたい事も分かるから、それならお前の好きにすると良い」



「――ありがとうございます、旦那様」



「いいって。お前がそうしたいと思ったならその通りにすればいいだけだ。ただそれだけの話だろう?」



「……そう、ですね」



「ま、それはひとまず解決したとして置いておくとしてだ。今はもっと重要な事を話し合おうか」



「重要な事、で御座いますか?」



「ああ、そうだ」



「? 何で御座いましょうか?」



「どうしてこの子が俺の膝の上でぐっすりオネムなのか、って事だ」



「旦那様に喜んで頂いて何よりです」



「喜んでないっ! むしろ扱いに困るぞ、これは」



「本当は嬉しい癖にっ」



「えぇい、しつこいっ。兎に角、この状況は一体なんでだよ!?」



「……、正直な話、私にも説明が難しいのですが、それでもよろしいでしょうか?」



「お前にも難しい話? まあ、お前の分かる範囲で良いから聞かせろ」



「分かりました。……あの“迷いの森”出て直ぐ、エイリッシュ様は酷く緊張なさっておられたので、お休みになられては如何ですか、と私が声を掛けさせて頂いたのですが……」



「わー、そりゃ逆効果だろ。お前の事をアレって思ってんなら尚更だぞ」



「そうなのですか?」



「ああ、そうなんだよ。ってか、お前には自覚が足りないぞ」



「そう申されても……。それで、エイリッシュ様にそうお伝えした所、ついに緊張がピークに達してしまわれたのかぱたりと倒れてしまいまして、」



「……おいおい」



「それで地面の上に寝かせておくのもよろしくないと思いまして、ちょうど手ごろな所にあった枕を――と言う次第に御座います」



「うん、最後の最後で凄いところがあったな。つか、膝枕なら自分のでしてやれよ!?」



「それは叶わぬ相談です」



「なんでだよ?」



「私は旦那様のものですので――つまり、私の膝枕は旦那様専用ですから」



「……嬉しい様な、かといってそれじゃあって考えると俺の扱いって微妙じゃね?」



「そうですね」



「お前が頷くなよ!?」



「旦那様、お声が……。エイリッシュ様が起きてしまいますよ?」



「……滅茶苦茶、今更な気もするけどな。まあ状況は分かった。そう言うことなら仕方ないから、しばらくこのままでいてやろう」



「流石は、旦那様」



「でもなぁ、ハイエルフって言ったら言っちゃ悪いが傲慢な種族だぞ? 俺みたいな奴に膝枕されてたって知ったら……起きた時どんな反応するのやら」



「まさか、未発達の少女の慌てる様子を見て悦に浸ると……そこまでお考えの末の行動だったとは、恐れ入ります」



「行動って何!? むしろこの状況は全部お前が作り出したものですが!?」



「嬉しい癖に。――旦那様のえっちっ」



「……うん、ひとつだけ、言っておく事がある」



「はい?」



「俺は、断じて、ロリコンじゃないからなっ!!!!」



「……はぁ」




晴れた、晴れた?

ちゃんちゃらおかしいぜー!

ずんどこ、ずんどこっ。



愚痴ノート選抜

『先日、物憂げに窓の外を眺めていた女性(匿名)に、声をかけてるバカが居た。


あの馬鹿、バカ、おおバカ。

あの子が一体どうしてあんなところであんな事をしていたと思っているのか。

ヒトの心を弄んでそんなに楽しいか、あの鈍感へたれキングめ』


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