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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
531/1098

34.5. どれいの恥痴知(ちちち)

前回レム君が怒って、でていってから帰ってきたまでの出来事(笑)


其処は何もない空間――


それはどこにも存在しない場所――




モノを望めばそれは既にそこに存在し、時を望めば永遠とも一瞬とも言える時空が 先には広がり続けている。


二人が在るのはそんな場所だった。




一方は赤髪赤眼の、やや幼さの残る少女。透き通るような鮮血色の髪と、今にも燃え出しそうな紅蓮の瞳。服はシンプルに純白のワンピースを着ているだけだった。


容姿はそれなりに整っているがスタイルは――ちょっとだけ胸のあたりの生地が膨らんでいる程度。今後に期待、というところだろうか。




本来ならば真っ直ぐな意志の籠っているはずの瞳は、今はどうしたものかと若干の困惑した様子でもう一人――自分の相方とも呼べる“彼女”を眺めていた。



困ったと言って両手を頬に当てながら、『いやん♪ いやん♪』と首を横に振っていたのは、こちらも赤髪赤眼の女だった。


幼さの残る少女を少しだけ成長させたような、そんなまるで瓜二つの容姿。もっともこちらは、瓜二つというのが一目で分からないほどに表情がとろけ切ってしまっていたが。





『困りましたね、困りましたねー』



『……何か困る様な事でもあったかな?』



『ぁ、いや、うん、私の為に怒ってくれたんだなーって思うと嬉しくってっ』



『私、じゃなくてわたしたち、だよ』



『そんな細かな事はどうでもいいじゃないですか。貴女は私、私は貴女……それで、あの子は私たち』



『まぁ、そうなんだけどね』



『と、言う訳で嬉しいんですよー。こんな気持ちは初めてかもしれませんー』



『う〜ん、でもさ、コレってそんなに喜ぶような事なのかな?』



『……それはどういう意味でしょう?』



『いや、ね。だってこの程度の心配って、当たり前の事じゃないの?』



『当り、前!?』



『ゃ、そんなに驚かなくても……』



『驚きますっ、むしろ怒りますっ、この贅沢モノがぁ!!!!』



『ぜ、贅沢モノ?』



『私なんて……私なんて心配の一つはおろか優しい言葉の一つも掛けてもらった事はなかったのに』



『そ、そうなの……?』



『そうなんですよー、もぅ聞いて下さいよ。あのヒトってば酷いんですっ、口を開けば私の事なんて悪口しか言わないし、全然私の言うことも聞いてくれないし、酷いし酷いし酷いしっ! もうあのヒトには優しさっていうモノがないんじゃないかと本気で疑いかけましたよっ!?』



『……何か、聞いてるだけだとそれでよく好きになっちゃったよね?』



『それはその、惚れた弱みと言いましょうか、好きだから、何でも許せちゃう、みたいな感じで……』



『あ、照れてるね?』



『……だって、自分に自分を告白してるみたいで恥ずかしいじゃないですか』



『……成程、それもそうだよね』



『です』



『でも、うん。昔は、“そう”だったんだ』



『……むぅ、何か、微妙に嬉しそうですね?』



『うん? うん、嬉しいよ。だって昔の事は私がお願いしないと話してくれなかったし、だからそういう一面をまた知れたっていうのは純粋に嬉しいよ』



『……まぁ、その気持ちは分からないでもないですけど。何かこれって不公平じゃないですか?』



『不公平かな?』



『不公平ですよ! どうして私の方は酷い想い出しかなくて、貴女の方ばっかり甘くて酸っぱいような素敵羨ましい想い出が満載なんですかっ!? 私とあなたは同じ存在ですよねぇ!?』



『う〜ん、私に言われても困ったな、なんだけどね』



『私だって、それくらいは理解してますけど……この理不尽さは叫ばないとやってられないじゃないですかっ。それに此処には私とあなた、それとあの子くらいしかいませんし』



『あ、あの子って言えば……もうあの子ってば何やってるんだろうねっ、つい手を出したくなってくるよ!』



『――あ、ごめんなさい。私、もう出しちゃいました』



『ぇ!?』



『ゃー、私の為に怒ってくれたのが嬉しくて、つい……』



『ついって、何しちゃったの?』



『ちょっとだけですよ? 嬉しくてちょっとだけ力が漏れちゃいました、と言うんですかね? ちょっとだけ“都合の良い偶然”が起きるかもしれないだけですから大丈夫ですよ』



『そっか。それだけなら大丈夫だよね』



『はい。私もそこまで馬鹿じゃありませんし、余りやり過ぎるのもあの子に悪いですし、ね』



『うん。私としては余り酷い事とか乱暴な事はしてほしくないんだよね。怒ってくれるのは嬉しいけど』



『それは私も同感です』



『まあ――レムの事だからそのあたりは弁えてると思うけど』



『……どうでしょうね? 贅沢モノのアルーシアの事になると、あのヒト見境なくす気もしますけど?』



『す、拗ねないでよ、リョーンさんっ。さっきのは私が悪かったし』



『拗ねてませんけどねっ!』



『で、でもさっ。もうもやもやするよね』



『……何ですか、急に?』



『いや、うん、あの子の事だよ。なんで――喋らないかな?』



『…………、たぶん、ですけど』



『理由が分かるの?』



『多分ですけどね。まだ自分が“無い”からじゃないかと。昔の【灼眼】とかもあんな感じでしたし』



『そうなの?』



『ええ、はい』



『……そっか。まあ生まれてからこれまでの事を考えると、仕方ないって気もするけどね。あの子には……早く幸せになって貰いたいし、』



『私たちと同じこの“気持ち”も早く知ってほしいですね』



『うん』



『今は――もう少しだけ見守りましょう? 折角あのヒトに逢えた……いいえ、生まれてから、やっと出逢えたんですから』



『そうだね。……ぁ、でもさ、私ちょっと思っちゃったんだけど、』



『はい?』



『これって、もしかしなくても覗きとかになっちゃうのかな? それも凄く趣味の悪い部類の』



『……』



『……』



『大丈夫ですよっ! 私達はあの子、あの子は私たちでもあるんですからっ!!』



『……なのかなぁ?』



『です!』





そうして、二人の“存在している”とも“存在して無い”とも言える時間は過ぎていく。


と、言う訳で今回はちょっとだけお休みですたい。

赤い子ははっちゃけた子が多い。何と言ってもシャトゥの眷属だから。


以上、アルーシアとリョーン(燎原)でお送りしました―。


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