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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
528/1098

ど-340. メイド狩り

わふっ

「旦那様、もう少々自重してくださいませ」



「はい?」



「旦那様の捻じ曲がった趣味趣向性癖その他の他人へ押し付けることでしか達成ないし発散されない口に出すのもおぞましい事の数々は重々承知しておりますが、世の中にはやり過ぎという言葉がある事をご存じないでしょうか?」



「……えーと、何の事?」



「そう言えば最近ちまたで“メイド狩り”なるものが多発しているらしいですね?」



「あ? ああ、そう言えばそういう噂も聞いた覚えがあるな……って、おまっ、お前はそれが俺の所為だって言いたいのかっ!?」



「その様な事は……え、違うのですか?」



「なんでそこで心底不思議そうにしやがるかな」



「ですが……え? 本当にヒト違いで?」



「そうだって言ってるだろうが。つーかそもそもどうして俺がメイド狩りだなんて酔狂な事しなけりゃいけないんだよ」



「御趣味かと」



「随分と素敵な趣味をお持ちですねぇ、お前の中の俺はっ!!」



「いえ、このような事はほんの序の口に過ぎません。……ですよね?」



「俺に聞いて、何て答えが返ればお前は満足だ?」



「旦那様には私で満足されておく事をお勧めいたします。旦那様のご命令とあらば私は無理矢理でも嫌々でも、仕方なしでも最早手遅れな旦那様であったとしても、その御心のままに従いますので」



「つまり、俺に従うのは嫌なんだな?」



「その様な事は微塵も申しておりません」



「言外にそう聞こえたけどな」



「それは旦那様の精神根性その在り様から旦那様が旦那様で在ると言う事以外の全てに置いて必ず捻じれに捻じれ、ひねくれ曲がり切っていてもはや修復不可能で在らせられるからに御座います。一言で言うと、誤解です」



「うん、最後の一言以外は見事に余計だったな」



「確かにその通りではありますが、ここまで申し上げないと理解して下さらない旦那様ですので余計な手間も致し方ない事かと」



「いや、理解するって。最後の一言だけで俺は十分に理解を示しますよ?」



「怪しいものです。旦那様の事ですので恐らく――『はっ、何言っているんだか、こいつ。今更そんな言い訳がこの俺に、この俺様に通用するとでも本気で思っちゃったりしてますか、はは〜ん?』などとお思いになられること、間違いないです」



「……何か、俺の性格違ってないか? いや、口調とかのモノマネは憎たらしいほど似てたけどさ」



「同じでしょう?」



「……そうか?」



「はい。きっと旦那様は今も御心の中で『ったく、こいつもつくづく七面倒臭せぇ女だよな、おい。一発か? 一発ぶちかましてやればちゃんと立場理解して、その軽い頭でも垂らして誠心誠意俺に尽くしやがりますか、けけっ』などと考えているに違いありません」



「いや、違うからっ! つーかお前の中で俺の像は一体どんなだよ!? どれだけ畜生の酷い野郎なんだよ!?」



「……せめて夜、寝所のある場所にいたしませんか?」



「一体果して、何の事ですか!?」



「いえ、旦那様は最近寝つきが悪いようなので、子守唄でも唄って差し上げようかと」



「随分と急な話題転換ですね、えぇ!?」



「今すぐが良いと仰られるのでしたら、僭越ながらも子守唄を唄わせて頂きますが?」



「……いや、いい。止めておく。確かに最近寝つきが悪い……というかどうしてお前がそんな事を知っているのかが凄く疑問ではあるのだが、止めておく。お前の唄はこんな場所で聴くモノでもないしな」



「その様に大層なモノでも御座いませんが……。それに旦那様の事など、お顔を一目見れば解ります」



「それはそれで凄い様な……。それにな、街の中で唄えば老若男女問わず、森の中で唄えば肉食草食大型小型関わらず動物たちが、水辺で唄えば魚や海辺に住む動物とか鳥たちがそれはもう凄い勢いで寄ってくるのは充分大したものだと思うぞ?」



「私としましては旦那様にのみ心を割いて歌っているつもりなのですが……困ったものです」



「唄ってる時のお前は何かオーラみたいなモノが見える時もあるしな。何より俺が酷い目見ないってのは貴重だ」



「その様に余り褒められると、その……」



「……――おぉう、これはまたレアなモノを。お前が本気で――いや、俺にも分かるほどに本気で照れるなんて一体どれくらいぶりだろうな?」



「……旦那様にお褒め頂くのはいつまで経とうと慣れる事が叶いません。困ったもの……のような、このままで良い様な……複雑な所です」



「お前がいつも素直だったり俺が褒めたくなるようなコトだけをしてくれるんだったら、いくらだって褒めてやれるんだけどな」



「失礼な。私はいつも素直で旦那様の為に行動しているではありませんか。いえ、だからと言って褒めて欲しい……頭を撫でて欲しいなどという子供じみた事を言うつもりは微塵も御座いませんが」



「撫でて欲しいのか?」



「いえ」



「……ナデナデ」



「何をしていらっしゃるのでしょうか?」



「や、お前の頭を撫でてるだけだ。けどやっぱりお前の頭撫でるのって触り心地いいよなー。まあこんな機会自体がそれほどないんだけどな」



「私はいつでも準備万端ですが?」



「んー、まあ改めてこういうことするのも照れくさいって言うか、子供っぽいというか、時々するのがまた良いんじゃね? とか思ったりする訳だ」



「……残念です」



「まっ、つー事だから今夜あたりでもちょっと頼もうかな、子守唄。何か最近危機が迫ってるような……変な危機感を覚える時があって寝つきが悪いんだよなぁ」



「――謹んで、承りまして御座います、旦那様」



「ああ、頼んだ」







「……そう言えば、しかし彼の“メイド狩り”が旦那様でないのでしたら、一体どのようなモノ好きな方がなさっているのでしょうね?」




何処かのモノ好きー



愚痴ノート選抜

『空が青いのは、きっと旦那様の所為』


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