ど-321. つーんっ
3,2,1……ぞろ目です。いえ、特に意味はありません。
「つーんっ」
「いや、『つーんっ』ってな。お前が不機嫌なのは分かったけど、態々口に出すなよ」
「つーんっ」
「だーかーらーっ、ってか、俺に怒ってるなら怒ってるでわざわざ俺の所に来なけりゃいいじゃねえか」
「つーんっ」
「もー、だからそれを止めろって。止める気がないならせめて俺の方を向くな、その無表情で俺を見るな」
「つーんっ」
「お前は俺にどうしろと?」
「つーんっ」
「謝ってほしいなら謝ってやるけど……どうせお前の事だから俺が理由も分からず謝ったりしたら更に怒るんだろ、どうせ」
「つーんっ」
「お前がそこまで機嫌を悪くするくらいだから、非は俺の方にあるんだろうけど……せめてどうして怒ってるのか、機嫌が悪い理由くらい話してくれてもいいんじゃないか?」
「つーんっ」
「あぁ、もうっ。ったく何なんだよ、おいっ!」
「つーんっ」
「もう俺は知らん。お前の方から譲歩する気がないなら俺はもう知らないぞ!」
「つーんっ」
「ええ、はいはいっ、分かりましたよー、だっ! つーかそんな所でお前の性格並に機嫌を捻じ曲げられても困るんだよ。拗ねるつもりならどこか一人で……とまでは言わずとも俺のいないところで拗ねててくれ」
「つーんっ」
「……ちっ、そっちがその気なら、終いには俺の方も実力行使に出るぞ?」
「つーんっ」
「成程成程。あくまでその姿勢を貫くわけか。お前らしいっちゃお前らしいが、相手が俺だと言う事を忘れてないか? 選択を誤ってるぞ」
「つーんっ」
「よし、いい度胸だ。俺が誰なのか、お前に目にモノってヤツを見せてやろう」
「つーんっ」
「覚悟しやがれ――」
「あ、用事を思い出したので失礼させて頂きます、旦那様」
「あ、ああ。うん、分かった」
「……では」
「……――って、おーい! おぉぉい!? 俺にどうしろと? このいい感じにくすぶった俺の気合いをどうしろと!?」
メイドさんと旦那様、喧嘩中?
でも旦那様が振り回される方(?)なのは相変わらず。
愚痴ノート選抜
『旦那様が、また女性と仲良くなっていた。毎度の事とは言いアレは私に対する当てつけか何かだろうか?
いや、アレがあのヒトの普通なのは理解しているつもりだが、それと納得できるかどうかは別問題だと思う。
いつも通り少し構ってもらったら、ちょっとだけ溜飲が下りた気がする。でもそれで私の気が済んでいるうちにまた他の女性と仲良く話をしているのは、やっぱり駄目駄目だと思う。
でもだから、あのヒトはやっぱり私の旦那様なんだと思う』