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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
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32. どれいと確認

〜これまでの話〜


アルカッタの首都が落ちたという報告を受けて、救出されたリリアン姫一行はアルカッタへと戻った。で、残された方々は相変わらずレム君を目の敵にしています、と。



レアリア・・・奴隷の女の子。ツンデレ、相変わらずツンが120%ほどの女の子。デレ成分は-40%ほどっぽい。

アルーシア・・・愛称、アル。喋れない、奴隷の女の子。だから名前も本名ではない


ネルファ・・・実は名乗ってないけど、カトゥメ聖国の第一聖王女サマ。正妻の子供で聖王についで偉いお姫様、のはず。リリアンらぶ。


ラライ・・・灼眼の剣士のボケた女性。最近ボケばかり


「よし、じゃあ行くか」



「……(こくん)」



「行くってどこによ?」



「そう怖い目で睨むなって、レアリア」



「……(こくん)」



「睨みたくもなるわ。……まさかとは思うけど、そのままアルカッタへ行くとか言わないわよね?」



「ああ、アルカッタは止めだ。今色々と忙しそうだし、……何よりアルカッタの方へ行くとヤバい気がする」



「……(こくん)」



「そう。ならその事については良いとして――それよりも、ねえレム?」



「ああ、何だ、レアリア」



「……(こくん)」



「あんた、そのお方を――ネルファ様をなんだと思ってるの?」



「ネルファ?」



「……(こくん)」





「む゛ー、む゛ー、む゛ー!!!!」





「ネルファ様、今お助けしま――」



「よせ止めろっ、折角俺が簀巻きにまでして抑え込んだんだからヤツを自由にするなっ」



「……(こくん)」



「――ちょ、レム。あんた、いい加減にしなさいね」



「いい加減にするのはお前の方だ、レアリア」



「……(こくん)」



「ほら、アルだって今回は俺に賛同してるぞ」



「……(こくん)」



「そんな事はないわ。ねぇ、アル?」



「……(こくん)」



「ふっ、お前が何と言おうとアルは俺の味方なんだよっ、だよな、アル!」



「……」



「お願いしますから今だけは頷いて!?」



「……(ふるふる)」



「アル―!?!?」



「ざまあないわね」



「……アルさーん、俺をからかってそんなに楽しいですかっ!?」



「……(ふるふる)」



「さ、流石はアルだ、うん。やっぱりアルは優しいなー」



「何か見てて哀れに思えてくるわね」



「……(ふるふる)」



「煩い黙れ! 俺が納得してるんだからそれでいいんだよっ、だから余計な口を挟むなっ、余計な事を俺に考えさせるなっ!!」



「……成程。ちゃんと自分の立場とか境遇は理解してるわけね」



「本気で泣けてくるからっ、お願いだからそれは言わないでー!!!!」



「……(こくん)」



「――今の内に。……ネルファ様、大丈夫ですか?」




◇◇◇




「ぷはっ……私とした事が、私とした事がっ!」



「ネルファ様、大丈夫です。今レムの奴は――」



「リリアンお姉さまにしか許す気がなかった肌を、まさかこんな下男に奪われてしまうなんてっ、屈辱――いいえ、最早これは凌辱ですわ!!」



「……えーと、?」



「お、お姉様と親密に語らっていた事すら羨ま……いえ、嫉ま……いえ、私ももっとお姉さまに構っていただきたいと言うのにっ! それだけじゃ飽き足らずわたっ、私を辱めるなどと許しておく事など出来ませんわ!!!!」



「えっと、うん。ネルファ様は大丈夫そう、よね? ちょっとだけ頭を打っちゃってるみたいだけど。……ああ、そう言えばラライは大丈夫なのかしら? ラライ?」





「私なんて、私なんてどうせ……うぅ、レム様ぁ、レム様ぁ〜」





「ちょ、ラライ!? しっかりしなさいっ、無意識にレムの名前を叫ぶなんて、それはもう末期症状よ!?」



「ちょっと! レアリア? レアリア!! 早くこの屈辱的な拘束を解きなさいっ! そしてあの下男に目にモノ見せてやるのですっ!!」



「ああ、ネルファ様、ちょっと待っていてくださ――固っ!? これ、どんな結び方をしたらこんなになるのよ。ほど、解けない……わ」



「何をしてるのです、早くほどきなさいっ」



「……仕方ないわね、こうなったらロープを切って――硬っ!? え、どうして?? なんでただの縄のはずがこんなに硬いのよ!?」





「ああ、それは俺が魔術的処理を施して硬度その他色々を上げておいたから。日頃使わない知識を総動員とかかして、結構大変だったんだぞ、それ」





「レムの癖に余計な事をっ!!」



「下男の分際でっ!!」





「や、だって、なぁ? ネルファに逃げられると俺の身の安全が保障されないし。それとアル、飴玉あげるから機嫌を直してくださいよー?」





「なっ!? あなた如きに私の名を呼ぶ許しを与えた覚えは御座いませんわっ!! 礼節のレの字もわきまえぬ下男だとしてもっ、恥を知りなさい、恥を!!」



「そうよ、レム! ネルファ様の……それにリリアン姫様の時も思ったけど、あんた口のきき方がなってないわよ、この無礼者っ!?」





「……ふっ、レアリア、お前知ってるか? たとえ口調がどれだけ馬鹿丁寧で態度が一見どれだけ従順でもな、相手の事を散々こけ落とすのは可能なんだぞ? ……それとアル、お願いだから俺の手ごと食べようとするのは止めて」





「それがどうしたのよっ! ……って、何となく実感のこもってそうな言葉ね」





「それは勿論。むしろ日頃から虐待に合っている俺だからこそ言える言葉だな、うん」





「……――何か今、凄い言葉が飛び出したわ。そっか、だから性格がこんなに捻くれ……いや、性格が捻ているのは何か生来っぽいわね」





「放っておいてくれ」





「そこの下男がどれだけ性格が捻くれて最悪な者であるかなど初めから判っております! それよりもお前、私をこんな扱いしてただで済むと思ったら――」



「――思ったら、何だ?」



「っ!?」



「一応忠告しておいてやるが余りそんな言い方は止めろ。底が見えるぞ、一人じゃ何もできないお姫様が」



「わ、わわわ、私をこうして縛りつけただけでは飽き足らず、嬲り者にするというのですね!? ……あぁ、リリアンお姉様、ご免なさい。貴女のネルファは今からこんな男に汚されてしまいます」




◇◇◇




「……なあ、レアリア。一応聞いておくけど、さっきから非常にやばい発言がポンポンと飛び出している聖王サマの愛娘? なわけだが、カトゥメ聖国ってコレでいいのか?」



「……(ころころ)」



「……放っておいてちょうだい」



「そうかぁ。何か、カトゥメに仕えてる奴らも結構大変そうだよな、なんて会った事もないのにそう思えたぞ、今」



「……(ころころ)」



「そうね、そういう意味じゃ、私も今までネルファ様は真面目なお方だと思っていたんだけど……」





「ちょっと、それはどういう意味ですか!?」





「成程。つまりはアレか、リッパーみたいな意味合いか」



「……(ころころ)」



「……何か今凄い方の名前を聞いた気がするけど、きっと気のせいよね?」



「なんだ、レアリア。凄い名前ってリッパーの事か?」



「……(ころころ)」



「確かスフィアの女王様がそんな名前で……いやいや、単に同じ名前ってだけよね、絶対」



「ん? 良く分からんが俺が言ってるリッパーの事なら正真正銘――」



「……(ころころ)」



「わーわー、きゃー!! 言うな、言っちゃダメ! それ以上言うんじゃないわよ、絶対!!」



「んー、まあいいけどな。此処まで言ったらもう口にしたも同然な気がするし、それにアレの事だからそのうち遇う事もあるかもしれないしな」



「……(ころころ)」



「……何か、今凄く気が重くなったわ」



「まっ、頑張れ!」



「……(ころころ)」



「……多分今までで一番嫌な激励ね、それ」



「と、んじゃそろそろ行くとするか。……下手くそな尾行も念の為に撒いておいた方がよさそうだしな」



「……(ころころ)」



「尾行?」



「いや、何でもない」



「……(ころころ)」



「ああ、でもそう言えば、行くってどこに行く気なのよ、レム?」



「そんなもん、決まってるじゃねえか。カトゥメに乗りこんで、今回のごたごたの責任を取って貰うんだよ。丁度ここに体の良い人質もいるしな」



「……(ころころ)」



「「なっ!?」」





◇◇◇





「灼眼ー、私これからどうすればいいんですかねー、教えてくださいよぉ……ぇ、燎原がいない? ……あら、本当。レム様もいないし、いつの間に?」





「到着!」



「ぜー、ぜー、ぜー」



「レムは!! レム・スタンピートはどこっ!?」





「あら、スィリィさん?」





「ラライ! ちょうどいい所にっ」



「ひー、ひー、ひぃぃぃ、アルカッタから此処までずっと走らせるなんて、スィリィの鬼ぃ〜、あくまぁ〜」



「ごめん、今度甘いものでも奢るから」



「それだけじゃ割に遭わないよぉ、絶対」



「それよりもラライ! レム・スタンピートは何処!? 隠しても無駄よ、いるのは分かってるんだからっ!」





「それがですね、私も気づいた時にはレム様が……それにアルちゃんも何処にもいなくて、うぅ……」





「? 何落ち込んでるのかしらないけど、レム・スタンピーとがここにはいない? ……レムの香りがまだ残ってるから、そう遠くへは行って――ぁ、いやダメね。レムってば、そう言えば生意気にも転移魔法が使えるのよえ。距離と時間は関係ない、か」



「レムさんの香りって、スィリィ、それなんだか変態っぽいよ?」



「うるさいっ! 変態なのは私じゃなくてレム・スタンピートの方よ!!」



「うん、そうだね。スィリィはただ恋しちゃってる乙女なだけだもんね?」



「……私は、ただレムに積年の恨みを晴らしたいだけよ」



「うんうん、そうだねー、それもあるよね?」



「……うぅ〜、それよりもっ! せっかくあいつの喉元までたどり着いてるのよ、ここで見失う訳にはいかないわっ!」



「そうだねっ、スィリィ! スィリィの為にも、もうちょっと頑張ってレムさんを追いかけよっか! ……じゃないとアルカッタのお城まで壊しちゃって、釣り合いが取れないよ」



「よっし! それじゃ行くわよ、アイネ」



「……あ、でももう足に私を使うのは止めてね。本当なら今すぐ眠りたい位には疲れてるから」



「ちぇー」


うぃ〜、ひっくっ


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