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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
491/1098

ど-307. 仲なお、り?

ずんどこずんずんっ




「――おい」



「……何でしょうか、旦那様?」



「いつまで膨れてるつもりだ、お前」



「私は膨れてなど居りませんが?」



「ならこっちを向いたらどうだ?」



「お断りいたします」



「ほら、やっぱり膨れてるじゃねえか」



「いいえ、旦那様。私が旦那様の方を向く必然性がないと、私はそう申し上げているにすぎません」



「そう言うのを世間じゃ膨れてる、機嫌が悪いって言うんだよ」



「旦那様が世間を語るなど、おかしな事もちゃんちゃら? あったもので御座いますね。そもそもといたしまして旦那様が口になされる世間体と言うモノがどれほどの意味を持つと心得ておられるつもりでしょうか?」



「俺が語る事、それが全ての真実だ。そうだろう?」



「その様な見方も、一片では御座いますね? 世界は――少なくとも旦那様ご自身の世界は全て旦那様自身のモノ……とも限りませんか」



「まあ、今は良い。今は俺が見る限りお前は膨れていて、お前もそれを認めてるって事が重要なんだよ」



「いついかなる時に私が膨れていると認めましたか? いえ、確かに旦那様の妄想の中での私は認めたかもしれませんが、それを認めたと仰るのは旦那様と言え些か横暴では御座いませんか?」



「いいんだよ、そんな事は……つーか、んな下らない事を細々と指摘するつもりは俺にはない。だから――無駄は省こうじゃねえか」



「はい、旦那様がそう仰られるのでしたら」



「ってなわけで、何事も先ずは対話からだ。だからこっち向けってば」



「お断りいたします」



「理由は?」



「その必然性は――」



「お前の旦那様たる俺がこっちを向けと言った。それだけじゃ不足か?」



「――……いえ、十分かと」



「よし、ようやくこっちを向きやがったな」



「それで旦那様、旦那様が押し付けようとしていらっしゃる無味無臭無害に見せかけた悪徳詐欺要求はいったいどのようなものでしょうか?」



「……あー、なんだ、そのな。あの時は俺も言い過ぎた。だから許せ、機嫌を直せ」



「あの時、とはどの時を仰られているので?」



「そりゃ、あん時に決まってるだろうが」



「決まっているのですか」



「決まってるんだよ」



「……」



「……それで、機嫌は直すのか、それとも直さないのか?」



「先程から申し上げているように、私は機嫌を悪くしていたつもりなど一切御座いませんが?」



「ならさっきの態度は――つーか、あの時から機嫌悪そうにしてやがったじゃねえか。まさかあれが演技だったとか、今更そう言うことを告白するんじゃないだろうな?」



「演技とは、また異な事を。そもそも私としましては、あの時の旦那様に合わせただけなのですが?」



「合わせる? 俺に?」



「はい」



「どういう意味だよ?」



「私が言わずともご理解していらっしゃる癖に」



「……いいから、言ってみろ」



「では――、あの時は旦那様が気分的に乗っておられたので、私もそれを崩さぬように怒ったふりをしただけに御座います」



「だから、何だって言うんだよ、その俺が気分的に乗ってたとか、それは」



「出る杭は打たれるとも言いますし?」



「……それはどういう意味か、さっきまでとは違う意味で聞きたいぞ、おい」



「そもそも私が旦那様に対して腹を立てる事など……、……余りに有り触れていて態々一つ一つを気に留めるまでもない事でしょうに」



「おーい、それは俺の行動一つ一つが気に障るって、そう言う事ですか?」



「そうとも言いますね?」



「……言うのかよ」



「今の旦那様は無防備過ぎるので、行動の一つ一つが気に障るのは当然の事かと」



「無防備って、別にお前が近くにいるんだから俺は無防備でいたって問題ないだろ? それとも何か、お前は俺を守る気はないとでもホラふいて見るか?」



「旦那様をお守りする事、それがいついかなる時如何なる状態の旦那様であろうとも、私どもがそれを違える事などあろうはずが御座いません」



「なら別に俺が気を抜いてたっていいじゃねえか」



「気を抜く、と無防備とは大きく異なります。……かといって、両極端に走られてもそれはそれで困るのですが」



「は? 両極端ってどういう意味だよ。大体俺はお前みたいに四六時中気を張ってるつもりはないぞ? あんなもん、疲れるだけだしな」



「……あまり上手くもないウソを仰られます」



「ん? 何だって?」



「いえ、お気になさらずに旦那様。大した事は申し上げておりません」



「そうか?」



「はい。ほんの……些細な愚痴に御座います」



「んー……まあ、なら気にしない事にするか」



「はい」



「それじゃ、つー訳で仲直り、だな」



「仲直りも何も私としましては旦那様と違えたつもりなど一切なかったのですが。第一、そのような事たとえ世界が滅んだとしてもあり得ないでしょうし」



「いいんだよ、俺が仲直りって言ったら仲直りで」



「……はい、分かりました旦那様」



「そー言う訳で、はい、拍手」



「……では、失礼いたしまして」



「んしっ、仲直り完了、っと」



「……しかし、このように改まって手を握り合う、というのも少々照れてしまうもので御座いますね」




とばっちりを食うのはよしてくれ。



身に覚えのない話


「不幸な手紙ならぬ、不幸な男って話があるらしい。なんでもその自分は素敵無敵だ〜とか叫んでナンパしてくる男に出会うと色々な意味で不幸になるらしいぞ」


「……ほぅ」


「怖いよなー」



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