DeedΣ. キスケ
すたこらさっさ〜
「まっ――て、ししょ……」
――ちっ、まだ生きてやがったか。普通なら致命傷で違いない手応えだと思ってたんだが、流石は同族ってぇ事か。
だが、まあ。
「テメェは後回しだ。先にクソガキの方にガタぁつける。少しでも命が伸びた事に感謝でもしてるんだな」
「待って、キス――っぅ!?」
「煩ぇよ。黙ってみてろ」
「げほっ、げほっ!! ぅ、ぁ……キス――」
態々苦しませておく必要もない。殺す時は――死ぬ時くらいはせめて安らかに、一瞬で殺してやるのが慈悲ってもんだ。
「今、楽にしてやるぜぇ、クソガキ」
「し、しょ……?」
「俺はテメェみたいなクソガキの師匠になった覚えは一切――ねえ!!」
「ぁ――っ、」
……さて、これでこっちは片付いた。次はあいつの番、……だ?
何だ? 何か、違和感が――
「――うそ」
何だ? 何を見て驚いている?
俺の……後ろ?
「――私、まだ生きてる?」
「……――おい、クソガキ、テメェ、何でまだ生きてやがる?」
「そんなこと私にも分から――、ししょ、う? ……本当に、本物の師匠なの?」
「そうか。答える気がないってんなら、それでいい。くたばるまで、何度でも切り刻んでやるだけだ」
「師匠!? どうしたの、私の事が分からないの!?」
「知らねぇな、テメェみたいなクソガキなんて」
「……ししょーだぁ。やっぱり本当に、本物の師匠なんだ。でも、どうして? 髪が黒くなって、目の色だって――」
「ヒトの話を気かねぇクソガキだな、おい」
「まさか、――でも、え? 髪、黒くって、それ『厄災』って事じゃ――」
「まああいい。今度こそ――確実に死んでおけ、クソガキ」
「ししょ――、っ!?」
「――ちぃ!!!!」
……、何だ、アレは?
クソガキの周りに見える、漆黒のモヤの様な“何か”。勘が“アレ”には絶対に触れるなと告げてきているくらいに――やべぇ感じがする。
「おい、クソガキ、テメェ、“ソレ”はいったい何だ?」
「何、って……え? これ、何……?」
「――」
演技の上手いクソガキでもなし、このヤロウはあの“何か”とは無関係か?
いや、それにしてはこれは――
「あの黒いの、あの子の事を護ってる?」
確かにそう見えるな。俺の攻撃を二度も邪魔しやがったし。
だが、まあ。
「――くくっ、いいぜ。いいじゃねぇか。お前が何なのかは知らねぇし、知る気もねぇ……が――その力、気に入った」
互いにこの世を壊し合うには好都合ってもんだ。
その力、俺が喰らって、もっと暴れさせてやろうじゃねぇか。
「いざ、――参る」
◆◆◆
“――ふ、ん……鬼が【厄災】に堕ちるとは珍しい事もあるものだな。とは言っても、私もアレの事が言える立場じゃないか。それに【厄災】に堕ちたからこそ、私が手を出す言い分が出来た。感謝するよ――キスケ”
◆◆◆
前書きに意味はない。
そう言えば、一日一回更新は無理だよ、とか言っていた時期がありました。……正直今でも時折そう思います。
キスケとコトハの一問一答
「俺の胸に詰まっているのは――」
「サジリカさんへの愛なんですね、素敵です師匠っ!」




