ど-293. お昼寝タイム
お気楽気楽、無気力
「……やっと、追い詰めたぞ」
「遂に私の貞操の危機っ!」
「誰も始めからシャトゥの貞操なんて狙ってないぞ?」
「嘘です。レムは小さい女の子に興味津々なので私の貞操は常にレムから狙われている……と言う真実を以前母様からお聞きいたしました」
「……ほぉ〜?」
「旦那様、軽い戯れでは御座いませんか。たとえそれが真実だとしても気を病む必要は御座いませんでしょう?」
「ま、それもそうだな。それにシャトゥ、せめてあと十年、な?」
「ふふ、レムは今私の琴線に触れました。我は大変お怒りなのです?」
「む? そうなのか。あぁ、それは悪かった、今のは俺の失言だったな」
「うむ、存分に反省して、私を敬うがいいのです」
「敬うのは断る。むしろ俺を敬え」
「レムを敬えとはつまり私に死ねと言っているのですか?」
「いや、誰もそんな事は言ってないが……」
「なら冗談なのですか。レムの冗談は全く笑えませんね?」
「冗談も言ったつもりはないぞ」
「……では、レムはまさか本気で自分を敬えとか痛いヒトの発言をしているのですか?」
「今の言葉はそのままシャトゥに返してやろう」
「うむ? 私が痛いヒト発言ですか? そんなものをした覚えはありませんが?」
「いや、自分を敬えとか、正直そんな発言するのは痛いヒトじゃないか?」
「ではレムは痛いヒトなのですね?」
「シャトゥの方こそ、痛いヒトだろう?」
「いいえ。私は良いのです。むしろ敬ってくださいませ、痛いヒト発言ばかりしているレム」
「ふふんっ、俺の方こそ別にいいんだよ。むしろ俺を敬わずに誰を敬うんだ?」
「私を敬ってくれませんか?」
「それは断る」
「そうですか。それでは、残念ですが仕方ないのです」
「旦那様もシャトゥも、私に言わせればどちらも同じ程度だと思いますが」
「だから、な。シャトゥ、せめてあと十年してから出直そうな?」
「そうすれば私の貞操はレムに頂かれるのですか?」
「可能性がないとは言わないでおこう」
「ではレム、あと十年待っていてください。と、言う訳で私たちは行かせてもらいます」
「って、行かせると思うかっ!!」
「――そうですよ、シャトゥ。今更、私が、逃がすと思っているのですか?」
「母様が怖いのです」
「ああ、俺も怖い」
「レムは私の十年後を待つがいいのです! ……でも待ちきれなくなったら、いいのです?」
「いいって何がいいんだよ、おい」
「何でしょうか?」
「自分で言って置いて分かってないのか?」
「うむ。でもソコがいいのですと信者の方がは仰っていました。なので無理には知らない事にしています」
「……ま、シャトゥがそれでいいならいいと思うけどな」
「それでいいのです。と、言う訳で私たちは行かせてもらいます」
「だから黙っていかせると思うなよっ!!」
「超……必堕の――『ブ――――レイカァァァ』」
「「なっ、しま――」」
「――では今のうちに逃げるのです、下僕一号様、ルル。……うむ? どうしまししたか二人とも……寝てます? 私を除け者にお昼寝なんてみんなずるいのです! なので、私も寝ます。お休みなさいませ」
るんらら〜♪
補足ですが『ブレイカー』とはシャトゥ108の必堕技の一つで、相手を防御不可の一瞬で気絶させるという凶悪技の事です。
旦那様の(余計な)一言
「俺は夢を見た、……そう、幼女に襲われる夢を、だ」




