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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
399/1098

ど-276. レムは偉大です!


サブタイトルには致命的な間違いがあります。





「世界は美しい」



「旦那様のお言葉とは思えない発言。気でも違え――てはおりますので、何もおかしな事はありませんでしたか。私とした事がうっかりしておりました」



「お前、何となく思ってたんだけど俺を馬鹿にしてないか?」



「その様な事は断じて御座いませんとも。旦那様も、馬鹿に対して馬鹿と言うことほど無駄な事はないと思いますでしょう?」



「それもそうだよな、うん。……ところでお前はそんなにこの現状を――組んでる腕を振り払ってほしいのか?」



「そればかりはお許しくださいませ、旦那様」



「なら余り舐めた口をきかない事だ。分かったな?」



「旦那様に対しまして舐めた言葉など申し上げておりませんとも。私は常に純然たる事実を申し上げているに過ぎません」



「それもそうか。お前は困ったくらいの正直ものだからなー」



「はい、私は正直ものですので嘘は吐けません」



「腕、振り払ってもいいか?」



「ご無体なっ!?」



「ふ、ふふっ、今は組んでるこの腕を振り払った瞬間、お前はどうなるか分かってるんだろうな?」



「それは存分に――身に染みて理解しておりますとも」



「ああ、間違いなく、一瞬でお前には不幸が降りかかるだろう」



「はい、間違いなく」



「なら――分かってるよな?」



「はい、今の私は身も心も旦那様の思うが侭、嬲るなり、舐めるなり、弄るなり、存分に堪能して下さいませ」



「ふふんっ。……しかし、何か奇妙な気分だな。こう、得も言われぬ快感と言うか、日頃から溜まりに溜まった鬱憤が晴れていくというか、とにかく奇妙な気分だ」



「しかし旦那様」



「ん、何だ?」



「まさか旦那様がこのような嗜虐性をも好まれるとは。思い当たる節などは多々御座いますが、ただの嗜虐思考を持たれたお方、と言う訳ではなかったので御座いますね」



「い、いやっ。そんな事はないぞ? 俺は断じて、お嬢さんをいじめて喜ぶような、そんなイカれた精神構造はしてないっ……はずだ」



「俗に言います、好きな娘は弄りたくなる、と言う心裡状態で御座いますね、旦那様っ」



「……お前、不自由な割に微妙に嬉しそうじゃないか?」



「その様な事は御座いませんよー?」



「いや、いつもと違うぞ、お前の態度。表情は相変わらず無表情だけど、滲み出る雰囲気が何だかとても嬉しそうだ」



「旦那様が喜ばれているのです。私が嬉しくないはずがないではありませんか」



「いや、俺は別にそこまで嬉しくも……ないぞ?」



「では只今の間は何ですか?」



「いや、何と言うか、お嬢さんが嬉しいなら俺も嬉しいはずなんだが。どーしてかお前が嬉しそうにしてたらさっきまでの俺の高揚感が薄れてきたんだよなぁ。なんでだろ?」



「流石は旦那様。では私は泣く、叫ぶ、喚く、嫌がる、と言う行動をせよと言う事ですね。私が嫌がる事にこそ旦那様が悦ばれる事がある、と。鬼畜の旦那様には大変お似合いかと、存じ上げます」



「待て。俺は断じて鬼畜じゃないぞ。お嬢さんの幸せこそが俺の幸せ、ならばこそ俺がお嬢さんに悪戯して喜ぶなんて、そんなことあるはずがないじゃないか」



「旦那様、今更取り繕わなくても結構で御座いますよ?」



「取り繕ってなんか、断じてないぞっ。ただ……不思議とお前が嬉しそうにすると胸がもやもやして、ちょっと嫌がってるのを見ると胸がすーとするというか、その程度だ」



「正に男の子の心理で御座いますね、旦那様っ」



「……だから、どうしてお前はそんなに嬉しそうなんだよ?」



「いえ、嬉しがってなど居りません。ただ……少々、今のこの状況に胸が躍っているだけに御座います、旦那様」



「それは嬉しがってるのと同じ事だと思うんだが、まぁいいや。それよりも見てみろよ、この青く広い空、茂る緑、愛を囁き合っている、動物たち」



「旦那様、あれは動物ではなく魔物で御座います。そして愛を囁き合うのではなく、あれは恐らく私どもの品定めをしているのではないかと思われます」



「小さな事だ」



「確かに、あれが魔物であろうと動物であろうと、些事では御座いますか」



「そうっ、この広大な世界に比べればその程度っ――あぁ、世界は今俺に愛を囁いているっ!!」



「それは間違いなく幻聴です、旦那様。……もしくは、案外シャトゥが寝言でも呟いているのかもしれませんね」



「なんでそこでシャトゥが出てくるのかは分からんが、まあいいさっ。そしてお前もこの美しい世界に何かしらの心を打ち明けてみたらどうだ。きっと、すっとするぞ」



「……旦那様が仰られるのでしたら」



「お、何か言いたい事があるのか。なら言ってみろって、きっと心が軽くなるから」



「では――……こんな世界、呪われてしまえばいいモノを」



「……えーと、それだけ、かな?」



「はい。そうですが? それと旦那様、確かに少々ではありますが、心が軽くなった気がしないでもありませんね?」



「そ、そうか。それは良かったなー」



「はい、旦那様」



「……」



「……」



「それじゃ、シャトゥ探しに戻るとするかっ」



「はい、旦那様」



「れっつ、ごー、だ」



「……本当に、今の旦那様は旦那様らしくない事を仰られる。アルを殺した世界を美しい、などと――」




暗い雰囲気は嫌いです。

ので、最後のメイドさんのぼやきは気にしないで下さい。ただのちょっとした本音ですので深い意味とかは一切ありません。



為にならないメイドの小話


「本日の天気予想、晴れ、もしくは雨」


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