表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
398/1098

ど-275. 変わらない日常がいい

平穏が一番です




「変わらない日常ってのは詰まらないモノだよな」



「そうで御座いますね。ですが旦那様、その詰まらない日常の中に大半の方々の幸せと平穏があるという事実をお忘れなき様」



「そりゃ当然、忘れてないさ。俺も、お前もその内の一人なんだしな」



「その通りに御座います。最も、変わらない日常などと言うモノは激動の身を友として傍に置く極めて寂しくお可哀想な身の上の旦那様におかれましてはほとほと縁のないものでは御座いますが」



「そう言うお前はいつもと変わりない日々を過ごしてて、凄く平穏そう――」



「そう見えますか旦那様?」



「……じゃ、ないよな。相変わらず大変そうだな、それ」



「そう思うのでしたらなんとかしていただけると、大変助かります。具体的に申し上げさせていただけるのでしたら、身代わりになっていただければ幸いかと」



「俺としてもお嬢さんが辛い思いをしてるのをただ見てるだけって言うのも我慢ならん、てか本意じゃないんだが、どうすればソレの身代わりってできるんだ?」



「……そのような事私は存じ上げておりません。いくら思考が色情に蕩け切った旦那様であるとはいえ、何か妙案の三つ、五つは思い浮かばないものなのですか?」



「ん〜、まあ、二人いつも付かず離れず、本当にぴったりと寄り添ったりしてれば何とかなるんじゃないのか? ……何かがあった時の対処にはちょい困るけど」



「流石は旦那様であらせられますね、この色情狂い」



「折角案を出したって言うのに酷い言い様だ。でも実際問題、俺が傍にいればお前に偶然の不運が襲いかかってこないって言うのも確かな事だぞ?」



「そうで御座いますね、色情狂いの旦那様」



「俺は別に色情に狂ってるわけじゃない。己のお嬢さんへの愛に純粋にひたむきなだけだっ!!」



「それを世の方々は旦那様が色情狂いである、と申し上げるのです。……では失礼いたします、旦那様」



「って、あれだけ文句を垂れておいて結局俺に甘えてくるとは……ふっ、困った仔猫ちゃんだな、お前も」



「どちらかと言えば仔猫と表されるよりも子竜と言い表していただいた方が私に喜ばれます、旦那様」



「催促か? それは催促なのか?」



「いえ、そのような事は断じて御座いませんとも」



「そうか、なら敢えて何か言うこともない。それにしても胸を押しつけてくるとは中々やるじゃないか」



「押しつけてなど居りません」



「でも、実際に胸が当たってるし」



「腕を組ませて頂いているのですから当然の事です。そしてそれ以外の他意は御座いません」



「と、言いつつさっきよりも若干力がこもった気がするぞ? それと、なんだかすっげぇ珍しくお前の頬に赤みが――」



「気のせいです。旦那様の気のせいに御座います」



「そ、そうか。お前がそう言うなら、それでいいんだけどな」



「それで良いのです。決して、私に抱きつかれて鼻の下を伸ばしている旦那様は流石は旦那様で御座いますね、などとは常に思っておりますとも」



「訳分からん。つーか、どの辺が流石なんだ。褒められてる気がしないぞ、全然」



「褒めてなどおりませんよ?」



「あ、そうなの」



「はい」



「……ああ、それともうひとつ言ってもいいか?」



「如何用で御座いましょうか、旦那様」



「服とか色々と、着替える気はないか?」



「旦那様がお望みであると仰いますのでしたら、そのように。私は一切の抵抗は致しませんので。それとも旦那様は激しく抵抗される方がお好きでしたか?」



「何の話だ、何の」



「既にお分かりでしょうに。いえ、このような事を私の口から言わせたいなど、下衆には勝る旦那様としましては当然の事なのでしょうか」



「だから話が見えないっての。それより本当に服、着替えないか?」



「旦那様が手ずから着替えさせていただけないので?」



「どうしてそうなるんだ」



「私は旦那様から離れられませんので。例えこの身を綺麗に整えようとも、旦那様より離れた瞬間元のぼろぼろの姿になれ果ててしまうのは目に見えております故」



「……そーいや、そうだったか。でも、俺が着替えさせるっていうのもそれはそれで問題ないか?」



「どのような問題がありますでしょうか?」



「どのようなって……あれ、もしかして何も問題ない、のか?」



「おかしな旦那様で御座いますね。いえ、おかしな旦那様は元からでしたか。ならば普段通りの旦那様で一安心です」



「むむ? な、ならお望みどおり俺が着替えさせてやるとするかっ」



「この色情狂いっ! 旦那様の旦那様!!」



「待て。ならお前は俺にどうしろと……。それに俺が俺であるのは当然の事で。なんだその、旦那様ってのはもしかして罵倒に使える言葉なのか?」



「では旦那様、さっそく着替えを手伝っていただけますでしょうか? 旦那様に密着しながら、かつ独力で着替えるというのは少々難しそうですので」



「……お前は何がやりたいんだ、と問おう」



「――さて?」




最近のメイドさんはいつもぼろぼろの服を着ております。でもメイド服を脱いだらメイドさんじゃなくなるので、ぼろぼろになってもメイド服はちゃんと着てます。

……いや、最低限カチューシャがあれば服がなくてもオッケーか?



為にならないメイドの小話


「やりたい事、望む事を問うのであれば、自身の胸の内に手を当てて訊ねてみましょう。さあ――あなたのお願いなんですか〜、と……こほんっ、少し、恥ずかしいですね?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ