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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
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27. どれいとお姫様

〜前回までのあらすじ〜

攫われたアルカッタのお姫様、リリアン救出に向かった一行とその他一名レム。数々の試練(?)を乗り越えてようやくリリアンの軟禁場所に辿り着いたレムだったが、扉を開けた先で見てはいけないものを見てしまった。

敢えて言うなら百合っぽい何か。だがそれを全力で否定したのは軟禁(?)されているはずのリリアンなのであった。



リリアン・・・軍事大国アルカッタのお姫様で世界で両手で数えられる位には強い女の子。ちなみにレズっ気はない、ちゃんと好きな男のヒトはいるらしい――!?

ネルファ・・・ただいまアルカッタに戦争を吹っかけようとしている国、カトゥメ聖国のお姫様。リリアンを攫った張本人……のはず。

サリア・・・とある街の宿屋の娘。何故か現在、たった二人でアルカッタの軍隊とやり合う事になりかけている。でもこの子自身に戦闘能力とカ、特別な何かとかは一切ないのであしからず。

マレーヌ・・・レムの奴隷の女の子。器用で強い。割と万能な子だったりする。そして今はアルカッタの一群を潰そうと移動中。



「ですからレム! 先ほどのは違うのです!!」



「だから、大丈夫だって。俺はちゃんと理解あるし? 差別なんてしないつもりだよ?」



「仮にそうだとして、だったらどうして私から目を逸らすのですか、レム!!」



「ほら、アレですよ、アレ」



「アレと言われても判りません!」



「だから〜、ほら、あるじゃないか、知り合いのちょっと恥ずかしい秘密をうっかり知っちゃった時の気まずさ、みたいな?」



「恥ずかしい秘密も何も、先ほどのアレはレムの早とちりだと言っているじゃありませんかっ」



「『お、お姉様ぁ〜』『いい子ですわね、ネルファ』『あぁ、お姉様、お姉様っ!!』『ふふっ、可愛い子』」



「ななななななぁぁ!?」



「どうだ、結構うまいだろ? さっきのお前の真似」



「〜〜〜っ」



「おいリリアン、そんなに照れるなって♪」



「てっ、照れてなどおりませんと何度も言っているでしょう!?」



「大丈夫だ。幸い――あぁあいつにとっては不幸な事にか、根畜生め――俺は身近に似た境遇の奴がいるから、慣れてる方だぞ」



「だからっ、あぁもうっ!」






「――お姉様、如何なされました!?」






「何でもないですわっ」



「お姉様、如何なされましたぁ〜? ……ぷぷっ」



「〜〜っっ」



「いや、笑っちゃダメだよな、うん。悪かったな、リリアン?」



「あ〜な〜た〜はっ!! どこまでヒトの神経を逆なですれば気が済むんですのっ!?」



「ゃ、だって楽しいし。俺の周りだとお前の反応が一番良いんだ」



「戦りますか、戦るんですか、戦るんですの? いいですわ、受けてたちますわよ。えぇ、むしろレムの隠された実力を知るいい機会ですわね!」



「興奮してるところ悪いけど、別に俺隠された力とかそんなもの持ってないぞ、って同じことを何度言えば理解してくれるんだ、お前は?」



「レム、貴方がこの私に包み隠さず全力で向かって来て、それを私が完膚なきまでに叩き潰す、その時までよ!!」



「……――そりゃ、一生無理だなぁ」



「なんですってぇ!?」



「や、別に深い意味なんてこれっぽっちもないぞ? ただ結果の分かり切った勝負なんてするだけ無駄だろ? つー事だから俺はリリアンとは戦いません、以上!」



「ふ、ふふ……そこまで完全に勝利宣言をされると、逆に清々しいくらいですわね?」



「……全く、どうして俺の周りの奴らはそんな深読みが好きかねぇ。何処ぞのクズみたいに素直に俺の実力のほどって奴を受け取っておけばいいのに」



「――その屑が何処の何方か存じませんが、ソレの目が節穴なだけですわ、レム」



「そこまでの自信っていうのも、ある意味凄いけどな。いや、認めてもらっている俺としては嬉しい、のか?」



「そのような事はどうでもいいんですの。それよりも――レム、私と」



「ああ、分かってるって」



「では……」



「いや、まあさっきのは軽い冗談だから、そう気にするなって」



「……何の話ですの?」



「ん? 何のって、初めからあの事を言ってるんじゃないのか?」



「……あの事?」



「ゃ、だからさっきからじっとこっち見てるあの子と――」



「あ、あああああああああああ」



「どうした?」



「きき、気にしないようにしていたのですからそこは私の気を悟りなさいよっ!?」



「あ、そうだったのか。悪い」



「そそそうですのよっ。それに、それに先ほどの事は誤解だと申しておりますわ。だからレムも即刻、忘れるよ――」





「お姉様、私との事は遊びだったのですか!?」





「ネルファ、それは――」



「遊びだったのですね?」



「あなたは少し黙っていて下さらない、レム!?」



「で、遊びだったのか?」



「そ、……そんな事はない、ですわよ?」



「なら本気だったり?」



「そ、……そんな事――」





「――じー」





「ほら、リリアン。期待の眼差しで見られてるぞ?」



「あ、あのね、ネルファ」





「――はいっ、お姉様!!」





「期待されてるな、リリアンっ!」



「あのね、そのね……うぅ〜」



「ほら、ちゃんとはっきりと、それに期待にも応えないと」



「レレレレムあなたヒト事だと思って」



「いやだってヒト事だし?」



「そ、それもそうですわね」



「ほら、早く応えてあげろよなっ」



「ぁぅぁぅぁぅ」





「――ところで私のお姉様になれなれしくしている貴方は、いったいどこの汚らわしい馬の骨ですの?」





「!」



「ああ、俺は――」



「彼は私の婚約者です。名前をレムと言って、唯一私を打倒したお方なのですよ!」



「……ん?」








「「「「「「はぁぁぁぁ!?」」」」」」





◇◇◇






「それにしても全く嫌になっちゃうよね折角お姫様を助けに行ったのにどうして戦争しようとしてる相手国のお姫様と仲良く談笑してたんだろうね!」



「……あの、」



「ぷんぷん、だよ。あぁでもやっぱりお姫さまって素敵だったよね、何か雰囲気っていうの? オーラみたいなモノが見えちゃった、みたいな――」



「あの、サリア、本当に大丈夫ですか?」



「ななな何の事かなマレーヌちゃん!?」



「今の愚痴は街から出てこれで四度目です。……本当に怖いのならそこまで無理をする必要はないんですよ?」



「ここ怖くなんてないもんっ、軍隊の一つや二つどんと持ってこいっ、だよ」



「実際軍隊を一つ持ってきてますからね。本当にアルカッタには困ったものです」



「そうだよそうだよ。それでそのお姫様は相手の国のお姫様とお茶会って何なんだろうねっ!」



「ですからサリア、その話題はこれで五度――」



「ああ今日も空が青いな〜」



「……まあ、良いですけど。それにサリアは私が護りますから。軍隊一つ程度、傷一つつけさせはしませんよ」



「……マレーヌちゃん」



「なんですか、サリア?」



「信じてるからねっ! それと、そう言う事言ってる時のマレーヌちゃん、ちょっと格好良かったかも」



「サリア、私はレズではありません」



「私だって違うよっ!!」



「……ふぅ」



「どうかしたの、マレーヌちゃん? やや、やっぱり怖くなったって言うのなら今から引き返しても……」



「いえ、そうではなく。主様は今頃何をしておられるのかと、ふと思っただけです」



「レム兄かぁ。……うん、そうだね、今頃何してるんだろうね〜」



「主様の事ですから、どうせ大したことはしていないと思いますが」



「うんうん、分かる分かる。どうせレム兄の事だから、…………――女のヒトにでも追いかけまわされてるに違いないよ、きっと」



「――それもそうですか」



「……ねえ、マレーヌちゃん」



「……なんですか、サリア?」



「何か、ちょっと怒ってる?」



「それは、怒っているのはむしろサリアではないんですか?」



「……別にぃ〜」



「私も、別に怒ってなどいませんよ」



「……ねえ、マレーヌちゃん」



「なんですか、サリア」



「軍隊なんて、やっつけちゃってね?」



「ええ、当然です――ふふっ」



「ふふっ」



「「ふふふふふっ」」







「レム兄の――」

「主様の――」


「「ばかー!!!!」」






「……サリア、今何か叫びましたか?」



「ううん、何も。マレーヌちゃんは、何か叫んでたりしたのかな?」



「いえ、わたしも何も叫んでなどいませんよ?」



「だよねー?」



「「ふふ、ふふふふふふふ」」


レム君に明日はあるのか!?

と、思わなくもない。


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