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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
385/1098

ど-265. 初めて……の


攻守交代中




「えらい事になってるな」



「……何の事でしょうか?」



「何のって、そりゃお前の姿を見りゃ一目瞭然だろうが」



「一目瞭然……自覚はしておりましたが、そこまで 酷いでしょうか?」



「ああ、すっげえ酷い。と、言うよりも空から漂って来た枯草に埋もれるって、それどれだけだよ?」



「どれだけ、と申されましても現にこのように私は埋もれてしまっているわけですし。申し訳ございませんが旦那様、少々お手をお借りしてもよろしいでしょうか?」



「自力じゃ出られないのか?」



「……ただいま、全身の筋肉が攣っていまして、大変痛いです」



「そりゃ御愁傷様。ほら、手伝ってやるからちゃんと掴まってろよ」



「恐縮です、旦那様」



「良いって。困ったときはお互い様ってな。それに何より、お嬢さんが困ってるところをこの俺が放っておくはずがないだろ?」



「それもそうで御座いまし、っ……旦那様、痛いです」



「っと、悪い。少し強かったか?」



「はい。もう少し、優しくお願いいたします」



「ああ、撫でるように、愛でるように、だなっ」



「そうです。女性の柔肌は丁寧に扱うものなのですよ、旦那様」



「知ってるって、それくらい」



「で、御座いましたね。はい、旦那様の手つきはとても優しくて、えぇ、とても安心できますね?」



「そうか、それは良かった」



「……旦那様、少々照れておられます?」



「あぁ、少しだけど照れるな――っと、それじゃ一気に行くぞ。覚悟は良いな?」



「……――はい、どうぞ、私の事を思うなればこそ遠慮なさらず一気に、私を奪い去ってくださいませ」



「任せろっ……て、奪い去るって、何からだ?」



「何となく、雰囲気に任せて申し上げてみました。……照れますね?」



「何を照れるんだ?」



「……さて?」



「なんだそりゃ」



「さて、何でしょうね。……それよりも旦那様、一気に、力づくで、無理やりに、奪ってください。…………私を、この枯草の中から」



「ああ、痛いだろうけど、我慢しろよ?」



「はい。こうなってしまった時より覚悟はできております。いつでも――どうぞ」



「っっっっせぇぇぇいっ!!!」



「っっっ」



「……ふぅ、抜けたな」



「ええ、旦那様が抜かれました」



「しっかし、意外と抵抗があったよなぁ」



「私もこのような事は初めてでしたので」



「初めてと何か関係があるのか? と、言うか何が引っ掛かってたんだろうな?」



「さて? いまも全身の感覚がないので、私にも分かりかねます」



「ああ、全身攣ってるんだったか。大丈夫か?」



「一生、忘れられない痛みになりそうです」



「そうか、それは――」



「ですが旦那様から与えられた痛みと思えば耐えられないほどの事でも御座いません」



「そ、そうか」



「ええ。ですので……後で覚えていてくださいね?」




枯草に埋もれたメイドさん……と言うのも微妙に想像しにくいモノで。

日々淡々と、それが目標です。



為にならないメイドの小話


「枯草にはお気を付けを。奴らは風に乗ってどこまでも追いかけてきます」


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