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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
380/1098

ど-262. もう何も怖くない

ようこ……と何となく単語が出た



「旦那様」



「ん、どうした?」



「私、告白いたします」



「どんと来いっ!!」



「……何故旦那様がそこまでヤる気なのでしょう?」



「え、だって俺への愛の告白だろ?」



「私は一度でもそのような戯言を吐きましたか? 仮に私の記憶が完全にない時にそのような事をのた打ち回っていたのであれば今すぐ訂正いたします、そのような事が起こるとすればそれは世界が滅んだ後の事で御座います、旦那様」



「そうか。俺の気付かない内に世界は滅んでたのか。……知らなかった」



「私もそれは初耳です」



「んじゃ、世界もサクッと滅んでたっぽいし。告白、言ってみようか」



「そうで御座いますね。では――……旦那様」



「ああ、何だ」



「愛しております、旦那様。誰よりも、何よりも。私の全ての時と存在、私が私であるためのモノ総てを賭して――愛しております」



「……あぁ、俺もだよ」



「はい、旦那様」



「……」



「……」



「さあ、俺の胸に飛び込んでで来いっ!!」



「はいっ、旦那様っ!!」



「――もう、お前を離さないよ?」



「旦那様……はい、決して、離さないで下さい」



「あぁ」



「……」



「……」



「それで旦那様」



「ああ、何だい?」



「……これくらいで、ご満足いただけましたでしょうか?」



「ああ、満足した。大満足だ」



「そうですか。では戯れはこのくらいにして、」



「戯れ、だったのかい?」



「――それこそご戯れを、旦那様」



「それもそう、なのか?」



「はい。では、改めて告白させて頂きますが、旦那様その前に、」



「ん、どうした?」



「抱き締めているのを止めて頂けるとありがたいのですが。このような体勢では少々、話し辛いです」



「いや。もう離さないって、そう言っただろう?」



「そうですね。確かにそのように聞きました。では旦那様にお尋ねいたしますが、」



「ああ、何だ?」



「旦那様の“離さない”とはそのような……肉体的な距離を少し開けただけで離してしまうような、その程度のお気持ちなのですか?」



「そんな事は、絶対ない」



「ならお離し頂いてもよろしいですね?」



「……むぅ、仕方ない」



「――はい、これで話し易くなりました。旦那様に抱きしめられているというのも意外性があって悪くはないのですが、今はこのくらいで遠慮しておきましょう」



「それで、告白ってのはなんなんだ? 実はやっぱり俺への愛の告白とか、」



「いえ、それはもう宜しいです。そして無いです」



「……そうかぁ」



「それで旦那様、旦那様に申し上げたいのは、実はこの事なのですが――」



「コレ……ただの水、か? 少なくとも俺には何の変哲もない唯の透明な液体にしか見えないけど、お前がわざわざ出したって事は、違うんだよな?」



「はい。正真正面唯の透明な液体、通称『謎液体』で御座います」



「どうしてただの透明な液体が『謎液体』なんだ……って、『謎液体』ってどこかで聞いた気がするな」



「旦那様が“覚醒”成されたそもそもの原因に御座います」



「おぉ、そう言えばそうだったな。どうでもいい事だから忘れてたぞ」



「さすが旦那様は頭が軽いですね? ではなく、処分するにも放置するにも如何ともしがたいので、今まで私が所持しておりました。一応、空間を凍結・停止させて封印しておりますが、どの程度意味があるコトかは存じ上げません」



「空間凍結と停止とは、偉い厳重に封印してるのな」



「はい、ただ放置するには危険すぎると判断いたしました」



「そんなに物騒なモノでもないぞ? 飲んだ俺から言わせてもらえばただのうまい水だな、うん」



「……そんなものでない事は今の旦那様を見ておれば分かりますし、痛いほど実感しております」



「ああ、そう言えばついでに覚醒とかさせてくれるっぽいしな。どうだ、お前も一口飲んでみるか?」



「……、遠慮させて頂きます」



「お? 今、少しだけ迷ったな?」



「やはり今の旦那様に対抗するには、との思いも吝かでは御座いませんので。それにいつまでも旦那様お一人に危険な真似をさせておくというのは私の信条に反します」



「別に危険ってわけでもないけど。気になるなら一気に、どうせだから残り全部飲めばどうだ?」



「……旦那様は、私がそうした方が良いとのご判断でしょうか?」



「ゃ、判断とかそこまでじゃなくって、何となくそうしてみたらどうた、って程度だけどな」



「何となく、ですか。……今の旦那様が何となく。一考の余地程度は御座いますか」



「ま、飲むなら飲めばいいし、捨てるなら捨てればいいさ。お前の好きにすればいい」



「……はい、心得ました旦那様。では、少々考えさせていただきたく思います」



「ああ、ゆっくりと考えて悔いのない答えを――って、そこまで大事なモノでもないか」



「そうなのですが……また旦那様は最後に気になる事を仰られる」




言葉に大した意味はない。思いつくまま流されるまま。

気がつくと本来(?)のメイドさんと旦那様との掛け合いに戻っていたりして。でも旦那様が暴走中だとツッコミ役がいないと気づく今日この頃。……まぁいっか。



為にならないメイドさんの話。


「悩んだときは即行動、それが良いでしょう。いえ、私は十二分に悩み答えを出した後に行動に移らせて頂きますが」


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