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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
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 ど-27. えす、と、えむ?

“えすえむ”とか、続けて読む必要はないですよ?

あとローマ字にする必要とかもないですよ?

…決してないですよ?



「久しぶりに初心に戻ってみようと思いました」



「で、なに。その手に持った鞭とロウソクは?」



「旦那様、これは鞭ではなく縄ですが?いえ、申し訳御座いません。まさか旦那様の頭がここまで侵されているとは思いもよらず…旦那様、気を強くお持ちくださいますよう、この私も誠心誠意、祈っております」



「まあ、縄であれ鞭であれどっちでも良いから。それよりもそれは一体何なのか、と俺は問うている訳だ。あと何故に俺は縛られているのでしょうか?」



「ふふっ、旦那様はお茶目ですね」



「お茶目って何よ、お茶目って!?つか俺の質問の答えは??あと表情が変わらない分台詞が怖いんですけどっ!!」



「ふぅ、仕方ありませんね。旦那様、私は先ほど初心に戻って見ることにしました、と報告いたしたはずですが?」



「や、だからこの状況からどうやって初心に戻ったなんて言葉が出てくるのか、と聞いてるんだよ」



「それは……旦那様なら言わずともお分かりになられるかと?」



「何!?その如何にも『は、恥ずかしい』なんて言葉が出そうな流し目は!?そもそも分からないから俺はお前に聞いてるんです!!良いから答えろよ」



「はい。恐らくは旦那様以外の方でしたら一目瞭然かとは思いますが……この縄は縛る為に私が丹精を込めて編み込み用意しましたものです」



「お前かっ、やけに硬い縄だと思ったらお前が細工していた所為かっ!!」



「そしてこのロウソクですが、これはこのようにして旦那様へと垂らすために用います」



「あちっ、あちっ、やめ…熱いから止めろ、いや止めてくださいお願いします」



「と、まあ戯れるのはこの程度にしましょうか」



「いや、お前今まで目がマジだったから」



「このロウソクは当然灯り用として持って参りました。このような日の光も当たらぬ地下ですから灯りは必要でしょうし、またやはり儀式にはこのような古典的手法をとるのがよろしいかと思いましたので、こちらも私自らが手間隙を掛けましてお作りいたしました」



「……あの、良いですか?」



「はい旦那様、何なりと」



「儀式、って何?」



「ええ、それはもう。旦那様のご想像通りかと存じ上げます。召喚の為の魔方陣、『縛る』という魔術的要素を組み込んだ縄、標となる灯火のロウソク、そして生贄とくれば成すべき事は一つでしょう。では旦那様…」



「待て」



「はい、何でしょうか?」



「今聞き捨てならない単語が一つあったんだが。後あえて言わせてもらうと全てにおいて突っ込みどころがあるんだが…?」



「では、旦那様にも賛同していただけたようですのでここは盛大に魔王復活の儀式を執り行うことにいたしましょうか。アムサール・フミシュール…ラムダラムカ――」



「や待て俺がいつんなものに賛同した!?つか魔王復活ってのは何だ!!……ちょっとスケールが大きすぎやしませんか?て、待て待て待て魔法陣がなにやら光って…ああ、ち、力が抜けていくぅ」



「………、はて?」



「はふぅ」



「申し訳御座いません、旦那様。一つ、大変な見落としがある事を忘れ…いえ、これぞ全てが私の目論見どおりというものでございます」



「……ひゃ、ひゃい?な……なんの事、だ…?」



「旦那様は清らかなる処女では御座いませんので生贄としては役立たずというものですね。危うく家畜を浪費してしまうところでした」



「か、家畜っ!?つか俺はお前の何だ、はい、復唱!!」



「旦那様は私の旦那様でありそれ以上でもそれ以下でも御座いません。…何か?」



「ついさっきお前は俺のことを家畜呼ばわりした気がしたのですが?」



「旦那様、御自覚が足りないようですので申し上げます。ちなみに二日前の夜に旦那様が何をなさっていたかを思い出すとよろしいかと、一応忠告しておきましょうか。では――この畜生」



「ふ、二日前の夜?えと、たしか………あれ、おかしいな?確かスヘミアが持ってきたへんなジュースを奴隷達が飲もうとしてて、ついでだから俺も一杯貰おうかって。記憶がない?はて…」



「あれは東の大陸に伝わる蟲毒、と呼ばれるものでした。スヘミア様が如何なる思惑があったのかは存じませんが、あのとき旦那様は、様は……」



「や、待て。その微妙な表情は何だ?恥らうようで怒ってるようで笑ってるようで恨んでいるようでやっぱり何も考えてないような色々なものが入り混じった表情は!?」



「旦那様、ではご報告いたします」



「な、何だよ?」



「これより三日ほど突然行方不明になられた旦那様のご捜索に屋敷の“隷属の刻印”を刻まれた方々たち皆さまで取り掛かろうかと思います」



「……直接的に言うと?」



「独房?」



「待て待て待て待ってくださいっ、つか俺か!?俺が何か悪いことでもしたのか?そもそも俺はこの館の主人だぞ、一番偉い人じゃないのかっ!?」



「下克上?」



「だから待て待てよおい、一言で済ませるな、あと俺を置いて何気にここから出て行こうとするなっ!!」



「仕方ありませんね、旦那様」



「仕方ないって何だ、そのあからさまなため息は…いや、お前今何か壁のスイッチみたいなもの押さなか――ああああぁぁぁぁ………」



「しばらくの間そちらの最下層で反省していただくことをお勧めいたします、旦那様。正直私は、あの時何度死ぬか死のうかと思いましたので…これはほんの僅かな意趣返しです。……もう、旦那様のおばか」




本日の一口メモ〜


『本日の世界観について』の考察

別に魔王とか、いませんから。そんな事実はありません。ちなみにメイドさんは館内のギミックを知り尽くしています。増築も旦那様に内緒で行ったり、たまにしてます。

そして罠にはまるのは旦那様だけです。


やったね、これがオンリーワン。貴方だけに捧げますってやつですよ。

…え、何?そんなものいらない?またまたぁ、嬉しいくせに。


そして今日もまたレムくんを幸せにする(?)罠は増えていく。目指せ、四面楚歌!



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