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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
360/1098

ど-244. 勝負一回目……?

勝負とは言わない、かもしれない?


「……のどかだな」



「……のどかですね」



「何か、全てがどうでもよくなってくるみたいだ」



「奇遇ですね、旦那様。私も同意見で御座います」



「そうか。……で、膝枕のご感想は如何かな?」



「眠っても宜しいですか?」



「ああ、いいよ」



「……、あの、旦那様?」



「何かな、可愛い俺だけのお嬢さん?」



「いえ、そのように見つめられると少々寝難いのですが」



「大丈夫、お前の事は全部分かってるつもりだからね」



「そうですか。ですが私は旦那様にそのような目で見つめられてすぐさま休めるほどに気が大きくは御座いません」



「そんな目? ……そんな目って、俺は今どんな目をしているのかな?」



「その様なご質問は少々……いえ、そうですね。優しく慈愛に満ちて、総てを包み込んで下さる様な――」



「それはきっとお前を見ているからだよ」



「……ええ、そうですね」



「ん? どうかしたのか、何か、急に元気がなくなった気がするんだけど?」



「いえ、旦那様が目の前におられますので」



「あぁ、俺の所為で気疲れしてしまうんだね。でも大丈夫、今の俺はお前ひとりだけのモノだから、そんな遠慮とかは一切しなくてもいいんだよ?」



「………そうで御座いますね」



「……ん? また元気がなくなったような――」



「旦那様の眼は節穴ですので」



「俺はお嬢さんさえ目に入ればそれでいいんだ」



「今の旦那様は……そうで御座いましょうね。それよりも旦那様?」



「何だい?」



「膝の方は大丈夫でしょうか?」



「ああ、問題ないよ。お前の顔がこうして見放題なんだ。疲れなんてすぐにでも吹き飛ぶさ」



「例え疲れが吹き飛んだ気になったとしてもそれは気の迷いです。身体圧迫による筋肉の疲労は覆しようもない事実に御座います。つまり私は何が言いたいかと言うと……重くはありませんか?」



「いや、全然。この程度なら、羽根の様だよ」



「いえ、現実的に見ましてもそれは言いすぎです。精々麦袋が二つほど、頭だけも半分ほどの重さかと」



「それはな、実は“お嬢さん”と言うフィルターにかければ重さが激減するんだ。知らなかったのか?」



「そのような事実は御座いません」



「ある。俺が今決めた」



「そうですか。では旦那様?」



「何だ?」



「そろそろ交替させて頂きます」



「交替……と、言う事はお前が膝枕をしてくれるのか?」



「はい。それとも私などの膝枕ではご不満でしょうか?」



「いや、そんな事はない。あるはずがないだろう」



「そうでしょうね。仮に旦那様が不満であるとお答になられるのでしたら、それは旦那様が女性には一切の興味がないと宣言しているようなものですから」



「大丈夫だ。俺はお嬢さんには興味津々だ」



「その物言いは大変……引きます、旦那様」



「む? 言い方がまずかったか。それなら……大丈夫、お前の魅力はちゃんと俺の胸の中まで届いてるよ?」



「はい。私も旦那様の魅力? は重々に実感させて頂いております」



「そうか、それは良かった。なら俺に惚れたな?」



「何の事でしょうか旦那様?」



「俺の魅力を存分に堪能したんだ。俺に惚れただろう? ベタ惚れだろう? もう俺以外何も見えないだろう、あぁでもそれは仕方ないさっ、だって――俺だからなっ!!」



「では旦那様、交替させて頂きます。次は私の膝の上でお寛ぎ頂ければ幸いに御座います」



「応、お嬢さんからの誘いとあっちゃ断るなんて選択肢、俺にはないぜっ! ところで、」



「ではこちらへどうぞ、旦那様」



「ああ。……こうして改まって膝枕ってされると、何かちょっとだけどきどきするな」



「多分風邪だと思います、旦那様」



「……そうだな。確かに熱があるかもしれないな。でもそれは風邪じゃなくて、こ――」



「恋の熱の所為、などとは決して仰らないで下さいませ、旦那様。この状況でそう言われると……――轢きますよ?」



「……ん?」



「間違えました。正直かなり引きますので止めて頂ければ幸いです」



「な、何を轢くつもりだ……?」



「さて。それは旦那様ご自身がお考えくださればよろしいかと」



「……、ちょっと背徳の香り」



「何をご想像されたのか、あえて聞くような事は絶対に致しませんが。ですので言わなくて結構です、旦那様」



「ほら、二人の愛のたずなを引くぞ、とか」



「聞いておりませんので答えないで下さいませ」



「大丈夫、お前の愛のたずなはもう俺が握っている!」



「はい。それは真実、その通りかと」



「まあ、当然だな。何と言っても俺だから! 素敵すぎる俺だからなっ!」



「そのような物言いが非常に素敵に御座いますよ、旦那様?」



「そうだろう、そうだろう」



「ちなみに皮肉です」



「照れなくてもいいんだぞ?」



「そうですね。では照れていたという事にしておいてくださいませ、旦那様」



「ああ、分かった。いや、お前の気持はちゃんと分かってるから大丈夫さっ」



「そうですか。それでは旦那様……ただいま私が旦那様にお尋ねしたい事も、おわかりいただけますでしょうか?」



「ああ、当然分かるとも」



「ではお答えの方をお願いいたします、旦那様」



「ああ、そうだな。……一眠り、してもいいかな?」



「――はい。どうか気の済むよう、心行くまでお寛ぎ頂ければ幸いです」



「……ん。それじゃあ少しだけ、そうさせてもらおう、か……な――」





「……お休みなさいませ、旦那様。――しかし、本当に意味のない勝負ですね、これは。結果など、初めから出す必要もないというのに」




既にお前の負けは決まっている! 大人しく投降しろっ

……さて、どちらの負けが決まってるんでしょうね?





とあるお嬢さんの寝言一句(+アルーシアの溜息)


「……いいなぁ」


「……羨ましいですね〜」



……本当に寝言か? と思わなくもない。


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