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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
351/1098

Deedα. チェイカ

通りすがりのメイドさん。


「――それで、貴方方はどちら様でしょうか?」


無表情で眼前を見つめる、くすんだ銀髪のメイドの目の前には夜の闇が広がるだけで――それ以外は何も見えない。

ヒトの気配、虫の音一つしない静寂が広がっているだけ。

それでも彼女は微動だにせず、ただ真っ直ぐに“相手”を直視し続ける。




「答えてはいただけないご様子で御座いますね。それに貴方方から漂ってくる血の香り、どうにも少々お行儀のよろしくない方々な様で。……本当に、なぜ今の旦那様はこのように鼻がお利きになられるのでしょうね。腹立たしくて堪りません」


『――』


「ですが、そうですね。私の虫の居所が悪いのも運が悪い事ではありますが、貴方方はもう少々、相手の力量を見極めた方がよろしいかと――」


『――、?』


「……思いますが?」


『っ!?!?!』


「それにしてもしかし、ナイフに限らず所持している暗器の類全てに毒が仕込んであるとは随分と丁寧な事ですね。それも……えぇ、致死性ではなく麻痺毒と言う事は拉致が目的ですか。と、すれば今回の方は何らかの秘密を知ってしまった、との辺りでしょうか?」




「……女、貴様、何者だ?」




「やっとお一人、姿を見せていただけましたね。残りの九人はまだお姿を見せてはいただけないのですか。シャイなのですね?」


「――ちっ。俺たちの獲物を残らず盗りやがった奴が何を」


「それで、残り九人の方は姿を見せてはいただけないのでしょうか?」


「……おい、お前たち。隠れるだけ無駄なのは分かってるだろう。この女は格が違う。素直に出て来い」




『……』




「はい、十名確かに、皆様。ようやく皆様姿を見せていただけましたね」


「……女、貴様、何者だ?」


「貴方がこの方々のリーダでしょうか?」


「ああ、そうだ。それよりも俺の質問に――それとも答える気は ないのか?」


「いえ、そのような事は御座いませんとも。ただ、それは少々答え辛い質問で御座いますね。正しくご理解いただけるかどうか判断しかねるのですが、それでもよろしいのであればお答えいたしますが?」


「ああ、それでいい。それで、お前はいったい何者なんだ? この家の中にいる女にお前のような奴がついてる、と言う情報はなかったはずなんだがなぁ」


「ええ、そうですね。その情報で正しいかと。私どもはつい先ほどこの街に着いたばかりですので」


「わたし“ども”? 連れがいるのか?」


「はい。背後の家の中に旦那様が。それともうお一方連れの方がおります。それで私は……そうですね、旦那様の伴侶とでも申し上げればよいでしょうか。………いえ、このような言い方では少々恥ずかしいですね」


「それは恥ずかしがってる、のか? ……まったく表情が動いてないが」


「貴方方の目が節穴なだけです」


「……、そうなのか」


「つきましては先ほどの問いにお答えしますが、あくまで私は旦那様の伴侶でしか御座いません。それ以外は何も――えぇ、何者でも御座いません」


「……なら、その旦那様ってのは何だ? お前みたいな奴を連れてるそいつは……」


「アホゥです」


「あ、あほ?」


「ええ。いうなれば神すらも呆れる阿呆、それが今の旦那様です。……いえ、一部の女神は胸ときめかせている可能性も御座いますが」


「は?」


「いえ、何でも御座いません。今のはお忘れを」


「あ、ああ……?」


「よって私は阿呆の伴侶、と言う事になりますね。ちなみに旦那様のお考えは全世界のお嬢さん方を幸せにする事だそうですので、――つまり」


「つ、つまり……?」





――女性に刃を向けた時点で貴方方の不運は始まっている、と言う事です





◇◇◇




「――ご理解いただけたでしょうか、……と、皆さま既にお聞きになれる方はおりませんか。……まあご事情の方は後ほどお尋ねすれば良いですか」



と、言う訳で通りすがりのとあるメイドさんのお話でした。

遭遇してしまった彼ら(?)は不運としか言いようがない。

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