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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
350/1098

ど-236. 八人目・月のない夜に空を見上げて

何となくよさげなタイトル


「……ふぅ」



「どうかしましたか、お嬢さん?」



「っ!? ――だだ誰!!」



「これは失礼を。俺は君の溜息の悩みを解消するために参上した、言うなれば愛の狩人。名を呼ぶときはレム、若しくは私の愛する人と呼んでくれればいい。個人的には後者が希望だ」



「どっ、泥棒……?」



「いや違う。それに愛し合う二人の前には家の壁や距離なんてもの、些細な問題でしかないんだよ」



「何で、鍵、掛けてたはずなのに」



「問題ない。愛があれば全てが通じると俺は信じている。ね、君もそう思うだろう?」



「……、そんな」



「うん? どうかしたのか?」



「あなた、さっきから気が狂ったみたいな演技をしてるけど、……ほ、本当は秘密を知った私を消しにきた殺し屋なんでしょ?」



「秘密とかはよく分からないけど、君を“射止め”に来たという事なら間違いないね。ハートを一撃でぷすりと」



「――やっぱり!」



「ふふっ、そんなにも俺が待ち遠しかったのかい?」



「っ、お、お願いします。あの秘密は誰にも話しませんから、だからどうか、どうか見逃して下さいっ!!」



「……ふむ。さっきから気になってたんだが、秘密って何?」



「っ!! 知りません、私は本当に知りません。何も見ていませんからっ」



「ならどうでもいい気もするんだが……ねぇお嬢さん?」



「な、何でしょうか……?」



「先ずは君のお名前を聞かせてくれるかな?」



「チェ、チェイカです」



「チェイカか。可愛らしい、君に合った良い名前だ。……うん、それじゃあチェイカ、俺の事を聞いてくれるかな?」



「はいっ、何でも聞きますっ。だからどうか命だけは――!」



「うん、大丈夫。最初に言っただろう? 俺は君の溜息を解消――君の涙を止めるためにここに来たって。だからお願い、どうか泣かないで? 大丈夫、俺に任せてもらえれば全て心配いらないから」



「こ、殺し屋じゃないんですか?」



「うん。愛の狩人ではあるけれど」



「か、狩人!?」



「君の命を脅かしたりはしない。絶対に、だ」



「……それじゃああなた、えと」



「レムだよ」



「レム、さんは何をしに此処へ?」



「君を悲しませるモノすべてから、チェイカの心と体を守るために」



「……や、やっぱり殺し屋?」



「違うよ」



「ならそんな変な事ばかり云ってるのって……、……まさか今までの言葉、全部本気で言ってるとか、ないよね?」



「当然、全て本気だとも」



「……――ごめんなさい、私、今変態に構ってられるほど余裕がないんです。構ってくれる人を探してるのなら他の所に行ってもらえません?」



「俺には……部屋の隅で一人怖がっていたチェイカを放ってどこかに行くなんてことはできないよ」



「……多分、ですけど。ここにいると間違いなく死にますよ?」



「君の為に死ねるのであればそれはとても幸いな命の使い方だと、俺は思うんだ」



「……私たちって会った事ない、今日が初めてですよね?」



「うん、そうだね。もしどこかで会ってて、俺が忘れてるとでも言うのなら、今すぐ俺は俺を殺してるところだよ」



「だっ、」



「うん?」



「だったら、だったらどうしてそんな、私の為だたら死ねるとか、そう言う事を簡単に言うんですか?」



「全然簡単じゃないよ?」



「……なら、その言葉は嘘――なの?」



「いや、それも違う。俺はお嬢さんに対しては嘘は吐かないよ。それとチェイカ、ちゃんと伝わってないみたいだからもう一度はっきりと言うね」



「――ぇ?」



「君を守るよ。この身全てを賭して、君を悲しませるモノすべてからチェイカ、君を守る」



「ぇ、あ、あの……それって告は――で、でも私たちついさっき会ったばかりだし」



「真実の愛には時間も距離も必要ない」



「うきゅっ、そ、そんな急に抱きし――」



「こんなにも震えて、怖かったんだね。ごめんな、会って直ぐにでも気付いて抱きしめてあげるべきだったんだ」



「そ、それは少し怖いかも……」



「――チェイカの鼓動が聞こえる。チェイカ、チェイカにも俺の鼓動、聞こえてる?」



「ふぇ!? あ、あのあの、いきなりそんな事言われても、私、それに今は……」



「大丈夫。俺にすべて任せてくれれば何もかも――」







「大丈夫、かどうかにつきましては甚だ検討の余地が残ると思われますが。それで、何をなさっておられるのでしょうか、お二方……――いえ、旦那様?」



もっともっとハチャメチャ滅茶苦茶に……が、望み。



『講座-六回目』


「アルと、」


「リョーンの、」


「「何でも講座〜」」


……しーん


「音、鳴らないね」


「以前壊れましたから」


「……壊れるって、何が?」


「さて、何でしょうね?」


「……ま、いっか。それよりも今日はリョーンさんに質問があるの」


「はい、何ですかアルーシア。なんなりと聞いてくださいっ」


「そ、そんなに目を輝かされても困るんだけど」


「さあ、遠慮は要りません。お姉さんにどんと悩みを相談してくださいっ」


「別に悩みじゃないんだけど」


「そんな事はどうでもいいんです。さあっ!」


「……それじゃ、聞くけど」


「ええ!」


「リョーンさんって、レムの事好きなの?」


「ええ!」


「……」


「……、えっと、それだけ、ですか?」


「うん」


「……なんだそうなのですかぁ〜」


「だから大した事じゃないんだってば。……まあ、ずっと気になってた事ではあるけど。でもやっぱりリョーンさんってレムの事が好きだったんだね?」


「……はい? 私、いつそんな事言いました?」


「え、でもさっき――」


「? ああ、あれは勢いでうなずいただけで別に」


「じゃあレムの事は好きじゃないの?」


「そうは言ってません、けど」


「なら好きなの?」


「はい、好きですよ……、と言いたい所ですけど、難しい質問ですねぇ」


「難しいの?」


「はい。……あー、“あの子”が起きそうです」


「って、今無理やり話題逸らしたし」


「良いんですよっ。……だって恥ずかしいじゃないですか」



長いなぁ、と思う。これは無理だ。

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