ど-231. 行動開始
ふと思いいたったレム君。
「ふと閃いた」
「何をで御座いましょうか、旦那様?」
「全世界のお嬢さんが俺のモノはのは既に周知の事実なわけだが」
「そうなのですか?」
「そうなんだ。知らなかったのか?」
「はい、存じ上げませんでした。しかしそのような事、いつの間に?」
「ん? 俺が生まれた瞬間からの周知の事実じゃないか」
「……そうなのですか」
「それはそうと、俺は大変な事に気づいてしまったわけだ。聞きたいか?」
「いえ、可能であれば聞きたくありませんが」
「遠慮するなってば」
「ええ。今の旦那様であればそう勘違いなされるのは明白であると理解しておりますので、どうぞ遠慮なさらずお気づきになられたと言う事をお話しくださいます様」
「ああ。それでな、全世界のお嬢さんは俺のものなわけだが、そこで俺は大変な事実に気づいたって訳だ」
「そう言えば先ほどもそのような事を仰られておりましたね」
「ああ。全てのお嬢さんを平等に愛するのは当然の事なわけだが、その愛する為の場所がないって事に気づいてしまったわけだ」
「そもそも旦那様の仰られている意味を理解したくありません」
「ああ、そうだろうとも。俺の考えは壮大すぎるからな。俺よりも矮小な奴にはどうしても理解し切れないだろう。うん、それは仕方ない事なんだ」
「……――本当に、今の旦那様はコレを心底本気で仰られているのですから、対応に困ります、が」
「そこで、だ。今一番に必要なのはその場所なんだよ。全世界のお嬢さんを平等に愛する事が出来る場所がっ」
「申し訳ございませんが旦那様。旦那様のお言葉を理解したくないと私の全身が悲鳴を上げておりますので、理解力の低下した今の私にも判るように率直な言葉で表現していただけると、非常に助かります」
「ふむ、仕方ないな。なら俺が今行うべき行動を率直に言おう」
「はい」
「スフィアを落とすぞ」
「はい。――……ぇ?」
と、言う訳で今度こそ戯言じゃなくて世界征服……ではなくて女の子を落としに積極的行動開始。やっぱり後宮とか、場所って必要ですから。ね?
『講座-一回目-』
「アルーシアと」
「リョーンの」
「「何でも講座〜」」
わー、どんどんっ、ぱふぱふっ
「……この音ってどこから出てるんだろ?」
「細かい事は気にしちゃダメですよ、アルーシア」
「うん、分かった……けど、“リョーン”って何?」
「何って、私の名前ですよ。『燎原』じゃ固くないですか? だから親しみやすく、リョーンちゃん、と」
「“りょうげん”だから、リョーンなの?」
「はい。リョーンさん、でも可ですっ」
「えっと、それじゃあリョーンさん、という事で」
「はい、解りました、アルーシア」
「……ところで今回は何の講座をするのかな、リョーンさん?」
「いいえ。今回はこれでお終いです。長いと続きませんからね。こつこつ行きましょう」
「そうだね。と、言う事は一回目は私たちの紹介だけ?」
「はい、そう言う事になります。では、次回も何でも講座のお時間まで――」
「宜しくね〜」
……だって?