表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
342/1098

Deedα. サラサ&アイシャ-3

ひとまずの区切り

「ただいま、サラサ」



「姉様、お帰りなさい……、大丈夫ですか? 何かお疲れみたいな」



「あぁうん、ってやっぱり声に出てた?」



「はい、少しだけ」



「ああ、そんなサラサが心配するほどの事じゃないんだけどね。ちょっとあのメイドに付き合ってもらってサラサの薬を取りに行ってたのよ。……余計なのがもう一匹いたけど」



「姉様、そんな、無理はしないで下さいね?」



「ええ、分かってるわ。無理とか無茶はちゃんと全部兄さんにやらせるから。でも心配してくれてありがとね、サラサ」



「いえ、私は……心配する事くらいしかできませんから。それと姉様、あまり兄様に無茶ばかりを言うのもダメですよ?」



「サラサがそう言うなら。……まあ兄さんが変な事をしなければ、ね」



「余り期待できそうにないですね」



「兄さんの自業自得だからいいのよっ」



「ふふ、姉様と兄様はやっぱり仲がいいですね」



「誰があんな、いつもは役立たずな兄さんなんかとっ」



「そんな兄様の事を悪く言っては兄様が可哀そうですよ、姉様」



「……私は本当の事を言ってるだけよ」



「ふふ、そうですね?」



「何か勘違いしてるような気もするけど……それよりサラサ、体の調子とかはどう? あいつに変なもの食べさせられた所為でどこかおかしいとかない?」



「身体の調子は悪くないですよ、姉様。いつもと比べると良いくらいです」



「そう。ならいいけど……」



「それに変なモノって、姉様も食べたんでしょう、お団子?」



「それは、サラサだけに訳分からないモノを食べさせておくわけにもいかないし、その……」



「姉様、私が鼻がいい事知ってますよね?」



「ぅ」



「姉様から甘い匂いがします。やっぱり気に入ったんですか?」



「……だって、美味しかったし」



「姉様、よろしければ私のモノも食べますか? まだレムさんに頂いたお団子が残ってますし」



「それはダメよ! いくら美味しくたってそれはサラサの大事な薬なんだしっ!!」



「あら、そう言えばそうでした」



「って、サラサ。薬って事忘れてたの?」



「ついうっかり。だって、今まで飲んできた苦いお薬とはイメージが違うんですもの。ふわふわと柔らかくて、甘くて、……どこか温かい」



「そりゃ団子だから温かいんじゃないの?」



「私が言っているのはあくまで比ゆ的な表現です、姉様」



「いや、分かってるけど」



「そう言えば姉様、私の薬の材料を取りに行かれたって、」



「えぇ。まさか数十か所も回る羽目になるとは流石に思ってなかったけど、薬の作り方も聞いてきたし、コレできっとサラサも良くなるわ」



「はい、そうですね」



「あら? サラサがそんな言い方するなんて珍しいわね」



「そうですか?」



「ええ。いつもならきっと良くなるわ、って私が薬を持ってきても『そうでしょうか?』みたいに曖昧な言い方をするじゃない。今みたいに素直に返してくれたのなんて初めてじゃない?」



「言われてみれば。そう、かもしれませんね」



「まあ病は気からって言う言葉もあるくらいだし、サラサの気持ちが前向きなのはいい事だけどね」



「……何となくですけど、大丈夫な気がするんですよ姉様」



「? 何か言った、サラサ?」



「いえ。それよりも姉様、レムさんはどうされたんですか?」



「レム? あぁ、あいつならお付きのメイドと一緒にどこかへ行ったわよ。『コトハが、――ついでに風が俺を呼んでるぜ』とかほざいて」



「コトハって誰でしょう?」



「さあ? コトハって珍しい響きだけど、どうせあんな軽そうな男に引っかかった頭の軽い女なんじゃないの」



「姉様? 姉様はどうしてそんなにレムさんの事を悪く仰ってるんですか?」



「別に。私は見たままの事を言ってるだけよ。別に態々悪く言う気なんてこれっぽっちもないわ。サラサが悪く聞こえるって言うんなら、それがあの男の本性って事ね。うん、そうなのよ絶対。だからサラサもちゃんと気をつけなさいね?」



「でも姉様が他人の悪口を言うのなんて珍しいですよね?」



「だから、悪口じゃないって。サラサも、ちゃんと悪い男に引っかからないように気をつけるのよ?」



「はい、分かってますよ姉様」



「ならいいけど」



「でもレムさんは悪いヒトじゃないですよ?」



「っっ!?」



「何となく安心出来るような不思議な雰囲気がありますし……姉様?」



「ごめん、サラサ。帰ってきて直ぐだけど、私ちょっと出かける」



「どちらに行かれるんですか?」



「うん。――ちょっと悪を裁きに行ってくる」



「はい、行ってらっしゃい姉様」



「出来る限り直ぐに戻ってくるから。サラサは無理しちゃダメだからね。何か欲しいモノとか、したい事とかあったら兄さんに言う事。分かったわね?」



「はい。いつもの事ですからちゃんと分かってますよ、姉様。それに本当に身体の調子も、今までにないくらいいいですから大丈夫です」



「そう」



「はい」



「なら、うん。……それじゃ――行ってくる」



「行ってらっしゃい、姉様。それにしても姉様の楽しそうな声も久しぶり……ううん、あれは楽しい、とはちょっと違うのかな? でも、姉様の生き生きした声も久しぶりに聞いて……良かった」





「おーい、サラサ。今アイシャが帰ってきたみたいだけど……」





「兄様? 姉様ならまた出かけられましたよ。それと兄様、くれぐれも無断で私の部屋に立ち入る様な事はしないで下さいね? ――わたし、兄様の事嫌いになっちゃいますから」





「わ、分かってるってそんな事。……うぅ、兄としての威厳が」




ちょっと遅くなって申し訳ないです。朝の一時が……

ま、夜ならいいんですけど。


と、言う訳でレム君は次に旅立つ。正直、攻略は四人目からずっと放り投げたままですねぇ。いつか完遂せねば。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ