表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
327/1098

逃亡劇

スィリィ嬢。スィリィ・エレファン嬢

「ん〜、今日もいい天気だな」



「――」



「何だ、不景気な顔して。そんな顔してると気が滅入るだけだぞ? ほら、笑って笑って」



「――」



「なんだ、ノリの悪い奴だなぁ」



「――レム。レム・スタンピート」



「おう、俺がレム・スタンピートだ。取り敢えず、だけどな。それがどうかしたのか?」



「……私が、こんな事になったのはそもそもあんたの所為でしょうが」



「俺? 俺が何かしたか?」



「したか? じゃないわよ。あんあたが……あんたがあの時私のててて、手をっ。手とらなかったらこんな事にはなってなかったのよっ!?」



「もう十日も前の事をそういつまでも引きずるなって。ほら、そのうちいい事あるから、元気出せって」



「あんたが言うなっ!!!!」



「うおっ!? ……っと、危ないな。いきなり氷の飛礫を飛ばしてくるなよ。当たったら痛いだろ?」



「むしろ当たれ。そして世界と私の安貞の為に死ね、レム・スタンピート」



「やだ、ぷー」



「……心の底からムカつくわ。ちょっとこっち来なさい、絞め殺すから」



「いや済まん。悪かった。だからそう射殺しそうな目で俺を睨まないで? ちょっぴり悲しくなってくるから」



「そう思うならこれ以上ふざけたこと言って、私を怒らせたりしない事ね」



「ああ、努力しよう。精いっぱい努力してご機嫌を取る事にする」



「……余計な事はするな。って言うよりもそういう態度がムカつくって言うの、いい加減分からないの?」



「そういう態度ってどういう態度だよ? 俺は普通に接してるだけだぞ」



「それは……私にも良く分からないけど、何となくムカつくのよ。てか死ね、バカ野郎、乙女の敵、そして私の敵!!」



「だーかーらー、いきなりそんな事を言われても俺には何の事かさっぱり……」



「あ゛ームカつく、本当にムカつくわ。胸の奥の方が何だかドキドキグルグルって、だからどうして私はあんたの事なんて考えなきゃいけないのよっ!?」



「いや。……つーか本気で何の事ですか?」



「知らないわよ、私に聞かないでっ!!」



「お前に聞かずに他に誰に聞けばいいんだ?」



「色々といるでしょ!? ほら、何て言ったかしら、確か……ひ、ひ、ひ、えっと……兵平ひょうへいとか言ったかしら?」



「弱そうな名前だな」



「……そうね」





――誰が兵平ですか、誰がっ!! この無礼者の大バカ者っ!!





「? いま何か言った?」



「いや、俺は何も言ってないぞ。むしろお前の独り言」



「私そんな危ない奴じゃないわ」



「……十分危ないんだけどな。何か知らないけど精神不安定になってるみたいだし」



「私は十分冷静よ!!」



「頭に血が上ったり、冷静じゃない奴ほどそう言うな。さっきだって幻聴が聞こえただの何だの、危ない事言ってただろ?」



「それは……そうよ、レム・スタンピート、あんたにだけ聞こえなかっただけよ、きっと。あんたが聞き逃したのが悪いんだわ。うん、絶対そうよ」



「幻聴、思いこみ、と続いて次は何だ?」



「……レム、あんた、私の神経逆なでして楽しいの?」



「あぁ、結構楽し……じゃなくて、だ。次は逆切れか。本当に危ない奴だな」



「っっ、そもそも、そもそもあんたが――、きゃっ!?」



「っと。危ないなぁ。そうやって変に興奮しながら歩いてるから、足をとられて転びそうになるんだぞ」



「あ、あ、あ……」



「ほら、胸だってこんなにドキドキ言ってるし。いや、つーかちょっと早すぎ? これって少しまずいんじゃないか?」



「――まず、今一番まずい事を教えてあげるわ、レム」



「お前の体だろ? つか本当に大丈夫か。もしかして何かの病気とか……また鼓動が早くなったぞ?」



「なーにか、胸の奥の方から湧き上がってくるこの感情って一体何なのかしらね?」



「もしかして、それって――恋?」



「……そうね、そうかもね」



「きゃっ。スィリィってば大胆だな。いきなり告白だなんて。……いや、そうでもないのか。思えばもうかれこれ十日間も二人っきりで夜を過ごしてるからな」



「ええ、そうね。全く以て、その通りね。ええ、えぇ――きっとこれが恋って言う感情なのね? ふつふつと沸き上がってくるどす黒い感情とか、八つ裂きにしてやりたい衝動とか、何よりさっさと私の胸から手を退けろ、とかね」



「……えーと、悪い。何かちょっとばかり違う気がしてきた」



「いいえ、違わないわ。きっとこれが恋なのよ。えぇ、そうね、私――あなたの事が好きだわ」



「そ、それはうれしいなー」



「ええ、好き。大好き。愛してるわ。――今すぐ殺してやりたいほどに」



「てぇぇ、ちょっと待て大いに待て凄く待て!!」



「話によく聞いてたけど、恋は盲目。誰の話も聞こえなくなるって、本当なのね?」



「いや違う。それは違う、きっと違う。恋じゃないって、それ絶対恋とか愛とかじゃないから。な? ちょっと落ち着こうぜ、スィリィ」



「私は落ち着いてるわ。それに凄く、冷静よ。ちゃんと事後の処理をどうするか考えていられる程に、十二分に頭の中は冴えわたっているわ。今までにないくらいに、ね」



「ほら、スィリィは可愛いんだからそう言う事簡単に言ったり、しちゃったりしちゃダメなんだぞ? だからほら、笑って笑って」



「――、これでいいかしら?」



「それ違うっ、絶対違うっ!! ニヤリとかそういう類の意味で言ったんじゃ断じてないからっ!?」



「で、そろそろ観念はできた、レム?」



「まだだっ!! ……う〜、そ、そうだな。スィリィの胸は思ったよりも柔らかかった――って、俺は何を血迷った事をっ!?」



「〜〜っっ」



「……って、おろ?」



「……」



「スィリィ? あの、スィリィさん?」



「……(ぷいっ)」



「いや、もしかして恥ずかしがってる? しかも今更?」



「恥ずかしがってなんかないわ」



「いや、でも顔真っ赤だし。そんな、今更胸を隠すような仕草されても……」



「っっ〜〜」



「……いや〜、いいですな。さっきまでのは怖いだけだったけど、今の“キッ”って感じはちょっぴりぞくぞく来る感じの、可愛いだけの感じだ。あぁ、なんて平和なんだろう。……つか、何が原因で急に怒りが羞恥に変わったんだ?」



「〜〜」



「……ん? ていうか今思い出したけど、そう言えばカトゥメってかなり厳格なお国柄で女性が身体を許すのは生涯にただ一人、心の底から愛を――」





「死ねっ!! 今すぐ死ね、死んでしまえ!! レムなんて、レムなんてレムなんてレムなんて……」





「俺、正直な気持ちが聞きたいなーなんて」



「レムなんて……だいっっっっっす、――」



「す?」



「……」



「だいす? んで、スィリィさん、次の言葉は? もしかして“き”? 俺の事が大好きって? 今度こそ本当の告白ですか?」



「――」



「いやー持てる男ってのは辛いねー、参ったまいた」



「世界を、終わらせよう。――“全て、凍てつけ”」



「うぉぉぉ!?!? 視界が、世界が、てか全部が凍って、てかこんなところでいきなり才能開花ですか!?」



「……うん、なんかもう、全部どうでもいいや。私、すっごくダメな子だし」



「スィリィィさぁぁん!? いきなり何を落ち込んでらっしゃるの!? 意味わかんねぇてばっ!!」








「神様神様、いるなら答えてくださいお願いします。本当に、今気づいちゃって、一生気づきたくもなかったんだけど、気づいちゃったんです。どうして私は、いつの間に、一体こんな奴のどこを、――」





――それはですね、スィリィ・エレファン。残念ながら貴女が彼と出逢った、十年以上前、まさにその瞬間、ですよ




すっごい恥かいたので勢いのまま書いてみた。

謝罪も込めて、てか本気で済みませんでした。話を間違えてたのに気付かなかったです。


追伸:上の言葉の意味が分からなかった人は、心底ありがとう御座います、です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ