ど-210. 続三人目・ハカポゥ……って、だから年齢的に少し待てって
繰り返すがハカポゥ、外見年齢6歳くらい。そしてレム君はロリコンではない、はず。
「さ、ハカポゥちゃん、みーくんを連れて来たよ」
「ほんとっ!?」
「ああ、本当だとも。こっちだよ、ついておいで」
「うんっ!!」
「……疲れました。精神的に、非常に」
「さあ、みーくんだ」
「わぁぁ、みーくん、みーくん、さがしたんだよぉ〜」
『きゅ〜ん、きゅ〜ん』
「わぷっ……くすぐったいってば、み〜くんっ♪」
「はは、二人とも嬉しそうだな。良き哉、良き哉」
「傍から見れば魔種に年端もいかない女の子が襲われているようにしか見えませんが」
「……あ、そうだ。レムお兄ちゃんにお礼しなくちゃっ、ありがとね、レムお兄ちゃんっ!」
「いやいや、俺は君のその笑顔があるだけで、他には何もいらないよ」
「ううんっ、お母さんが親切にしてくれたヒトにはちゃんとお礼しないと駄目だって言ってたもんっ」
「そうかそうか、それはいいお母さんなんだな」
「うんっ、わたしの自慢のお母さんなの!」
「そうかぁ〜、今度はそのお母さんにも会ってみたいな、ハカポゥちゃん?」
「――旦那様?」
「ってのは軽い冗談だよ、ハカポゥちゃん。……だからお前も真に受けるなって。そんな嫉妬するお前も可愛くって俺は好きだけどなっ」
「……旦那様のおばか、……おおばか」
「レムお兄ちゃんっておねぃちゃんに嫌われてるの?」
「いや、そんな事はないよ。むしろ愛されまくっているね」
「でもおねぃちゃん、レムお兄ちゃんに酷い事いってばっかりだよ?」
「それはね、好きな子はいじめたくなると言う、傍迷惑極まりなくって、それでいてそんなところが小憎たらしいほどにプリティって言う、愛情表現の一種なだけなんだ」
「私には今の旦那様の方が何億倍も傍迷惑極まりない存在であると、そう確信しておりますが」
「へぇ〜、そうなんだぁ」
「――ああ、そうなんだよ!!!!」
「……レムお兄ちゃん、どうして力いっぱいなの? それとちょっと涙が出てるよ。悲しいの?」
「いや。ちょっぴり過去に思いを馳せてただけさ。あの頃の俺はあいつの愛を受け止められるだけの器のない、駄目駄目な奴だったんだ」
「レムお兄ちゃん、ダメダメなの?」
「いや、違うっ! 今の俺はもうあの頃の俺じゃない。世界中の女性の愛を受け入れたってまだまだ余裕があるくらいの器は持ってるんだよ、ハカポゥちゃん」
「すご〜い、レムお兄ちゃん。……言ってる事がよく分からないけど」
「……旦那様は鬼畜生であると覚えていただければ結構で御座います、ハカポゥ様」
「レムお兄ちゃん、“おに”なの!? すごい!!」
「いや、俺は別に鬼族じゃないぞ。れっきとしたただの“ヒト”だから」
「え〜、そうなんだぁ。詰まらないの〜」
「はははっ、ごめんな、ハカポゥちゃん。……ところでさっきのお礼だけど、どうしてもハカポゥちゃんが俺にお礼をしたいって言うんなら、あと十年ほどしたらもう一度俺の所に来てくれればそれでいいからね?」
「え、それは無理だよ、レムお兄ちゃん?」
「そうなの? ちょっと会いに来るだけなんだけど、それも無理かな? 何だったら俺の方から会いに行ってもいいけど」
「ううん。だから無理だって、レムお兄ちゃん」
「見事振られておめでとうございます、旦那様」
「それにお母さんが言ってたもん。“けーやく”は対等じゃないとダメなんだって」
「……ん? 契約? それってどういう意味かな、ハカポゥちゃん?」
「あのね、」
「うんうん」
「――だってレムお兄ちゃんはここで“シんじゃう”んだから、十年後にはレムお兄ちゃんはもういなくなっちゃってるよ?」
さて、今回も訳ありのお嬢さん血う事で、……続くの?
???の技名紹介(気まぐれシリーズ)
≪Fang――静かに咀嚼しろ≫
床が牙になって 対象を喰らう。実は掃除の際にはとっても便利で使うと埃の一つもなくなると言う便利技! 乱用はしないように気をつけよう。
とある姉妹の騙り合い
「……厄介事ばかりだな」
「才能ですから」
「最も一番の厄介事は愚妹、お前だがな」
「姉様、ご自分の事を棚にあげるのはよくないですよ?」
「よし、殺そう」
「なんですか、そのちょっとお買い物に〜程度の気軽さは。全く、本当にどうしようもないですね、姉様は。――さくっと消しておきましょうか」
「……どう考えてもお前もヒトの事を言えないだろうが」
「……さて、何の事でしょう?」