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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
310/1098

Deedα. シルファ-2


そしてちょっとおまけの後日談。



「よっ!」



「いらっしゃいま――って、なんだ、レムさんですか」



「一応、俺お客様だぞ。その態度はないんじゃないか」



「一応、なんて自分で言っていれば世話ないです。……いらっしゃいませー!」



「……何か日増しに態度がつれなくなってきている気がする――いや、違うな? 単に俺の顔を直視するのが恥ずかしくて堪らないほどに惚れ込んできているだけの事か。ふっ、さすが俺だな」



「レムさん、一人でぶつくさ呟いているのは良いですけど、早く席に着いてくださいよ。入口でそうしてられると他のお客様の邪魔です」



「ああ、悪い悪い。今すぐそっちに行くよ、可憐なお嬢さん?」



「はいはいー、こっちには来なくていいですから、早く席に座ってくださいね。それと注文はいつものヤツでいいですか?」



「ああ。紅茶一杯を優雅に飲みながら、シルファの働く姿を鑑賞する。これほど有意義な時間の取り方も中々ないだろう?」



「……出来れば私をじっと見てるのは止めて欲しいんですけどね。仕事中だから贅沢は言いませんけど!」



「照れるな照れるな。ほら、他の客が俺に嫉妬してるぜ?」



「はいはい、言っててくださいよ。……っとに、このヒトいつ働いてるんだろ?」



「実は夜必死に働いてるんだぜ。でも自分の頑張りはヒトに見せない主義だからな」



「嘘だぁ。まだ騙した女のヒトに養ってもらってるって言われた方が説得力ありますよ」



「じゃ、それで」



「え!? ほっ、……本当にそうなんですか?」



「んー、遠からず近からずってトコだな。大丈夫、心配しなくともシルファの事を可愛がってあげる時間はちゃんと残してあるよ」



「誰もそんな心配してませんってば。でもね、レムさん?」



「んー、なんだ、シルファ?」



「女のヒトに養ってもらってるだけで、ぐーたら怠けてる男のヒトなんて、サイテーですよ?」



「ああ、俺もそう思うね」



「ならレムさんはサイテーです」



「ふっ、それは違うな。俺はいつだって最高だ。俺以上に素晴らしい奴なんてこの世界にいないって断言さえできるね」



「……どうしていつもそこまで自信過剰なんですかね、レムさんってば」



「過剰? まだまだ足りないくらいだぜ」



「足り過ぎてますってば」





「シルファちゃーん」





「っと。それじゃ、呼ばれちゃってるんで、本当に私はこれで」



「ああ、仕事頑張れよ。俺はいつも君をを見守ってるから」



「それを言葉だけ聞けば、気分良いんですけどね。……本当にずっと視てるからこのヒト性質が悪いのよね」





「シルファちゃーん、そんな冴えない男に構ってないで、こっちにも来てくれよー?」



「そうだそうだー!!」





「そりゃ確かにレムさんは冴えないけど……貴方達だってもっと男を磨いてから来てくださ―い!!」





「ははっ、言われてやんの」



「そりゃねえぜ、シルファちゃん」





「……」



「? レムさん、どうかしましたか?」



「いや、何でもないよ。君はそうして笑っていた方がいいって、そう思っただけだから」



「……またナンパみたいな事を言う」



「素直にそう思うんだから仕方ない。あぁ、正直ものの俺でごめんな、シルファ」



「別に、良いんですけどっ」





「シルファちゃ〜ん!!」





「ぁ、っと。ごめん、すぐ行くから待ってて! ……と、言う訳ですから今度こそ行かせてもらいますからね」



「ああ、分かったよ」



「……あのそれで、レムさんは今日もまたやっぱり――?」



「ああ、ここでシルファが仕事を終わるのを待ってる事にするよ」



「――……今日って言われても、まだ朝なんだけどなぁ。ほんと、レムさんが私の借金の肩代わりをしてくれたヒトじゃなかったらとっくに追い払って街の自警団につき出してるよ」



「自警団は勘弁だな。詰所にはいい想い出があんまりない」



「一体何をしたんですか、何を。……って、それじゃ、レムさん」



「ああ、仕事、頑張って」



「……、はい」





◇◇◇





「ねぇ、シルファちゃん」



「はい、なんですか?」



「最近機嫌がよさそうだけど、何か良い事でもあった?」



「別に何もないですよ。あったとすれば日がな一日居座っている迷惑千番なあのヒトくらいかな?」



「……なんなら俺が追い出そうか?」



「いいえ。あれでも一応お客様だし、不都合って言えば一日中ずっと場所を取ってるくらいだから、基本的には無害だし。大丈夫ですよ」



「そう? シルファちゃんがそう言うなら、それでいいけど」



「はい、今のままでで良いんです」



「そっか。シルファちゃんがそう言うなら。……それじゃ、俺はこれを注文――」





◇◇◇





「……最近嬉しそう、かぁ。ヒトに待っててもらえるのって、実は結構楽しいものだったんだなぁ。――……でも、不思議。私って、どうしてあのヒトに借金の肩代わりなんてしてもらったんだろ? 借金の事は他のヒトには言ってないし、いつの間にか当然みたいにあそこにいた気も……そう、何かまるで――夢みたいな」




気が向けば再登場もある……かもしれないね?


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