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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o ご主人様の暴走
307/1098

DeedΣ. シルファ-1


メイドさんのとある時間。


燃える屋敷――城、と言った方が的確な大きさかもしれないが――その最上部、そこには三つの人影があった。

一つはこの屋敷の主にしてダルートン商会の主、ダリア・ダルートン。

もう一つはダリア・ダルートンの不肖の息子にして、名をカイト・ダルートンと言う。


そして最後の一つ――くすんだ銀髪が特徴の、ありえないほどに美しい容姿をした、だが場違いにもメイド服を着こなした、女。





「き、きさ――こんな事をしてただで済むと思っているのか!?」



「そ、そうだそうだ!!」




「タダで、とは?」




「おっ、俺たちはあのダルートン商会の」



「存じております。その上で改めて申し上げさせていただきましょう。シルファ・クリミナからの借金はここに満額返済をいたしましょう、と。何か問題が?」



「お、大ありだ。何で俺がシルファに二度と――」



「そんな事はどうでもいい!! それよりも貴様、私たちに対してこの仕打ちをして、どうなるか、判っているのだろうな?」



「仕打ち? はて、私が何か致しましたでしょうか。不快であるようならば、謝罪いたしましょうか?」



「きさ……、どこまで愚弄すれば済むと思っている!!」



「愚弄とは、また不可解な。私が行った事と言えば降りかかる火の粉を払った程度で御座いますが? この火の手も炎の魔術をお使いになられたそちら側の不手際に御座いましょう?」



「ぐぬ、ぬ、ぬ……侵入者風情が粋がりおって。シルファ・クリミナの借金、と言っていたな。その名前、しかと覚えさせて――」





「――ダルートン様」





「「っ!!」」



「私は、先ほどこうも申し上げたはずで御座いましたね。『シルファ・クリミナには二度と手を出さないように』と」



「ふざ、ふざけるな!! シルファはもう……直に俺のモノだ。それをどうして近づいちゃダメ――」



「その問いかけには幾度でもお返事差し上げましょう」



「「――」」





「――全ては旦那様の願い為ればこそ。我が主の道を阻害するモノ、それ総て灰塵に帰すると留め置きなさい」





「「っ!!」」



「さて、では改めた問わせて頂きますが、『シルファ・クリミナに二度と手を出さぬよう』との約束、守っていただけますでしょうか?」



「ふざ」



「――私は」



「「っっ」」



「冗談以外で同じ言葉を繰り返すのを好きません。それに言いそびれておりましたが、今私どもは少々気が立っております。余り――手間を掛けさせないで下さいます様」



「「……!!(こくこく)」」



「ご理解いただけたようで、ありがとう御座います。それでは、用件も済みましたので私はこれで失礼させて頂き……いえ?」



「まま、まだ何か私たちに用事があるのか!?」



「いえ。せっかくですので、この火の手の消火を少々お手伝いさせて頂きましょう。ついでに私のストレス解消も少々」



「……は? それはどう言う」






「――では、」



◇◇◇



「は、ははは、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」



「――」



「ひゃはははははははははっ!!!!」



「――何、だよ、コレ……?」



「きゃ、きゃふっ……、くくくくくっ」



「おい、親父! これ、一体どうなってるんだよっ!?」



「く、くくっ、これが嗤わずに居られるか? 私の、私の財産が、私の全てが一瞬で……」



「だからっ! 一体何がどうなって……!」



「……息子よ、お前、サルタナの事は知っているか?」



「サルタナ? サルタナって言ったら、確かウチの前に栄えてたって言う旧五大商家の一つで、賊に襲われて滅んだバカな所だっけ? って、んな事は良いから親父!」



「なら、そのサルタナを襲った賊に彼の『白面』が絡んでいると言う噂は聞いた事があるか?」



「白面って? いや、初耳だけど、それが今のこの状況と何の関係があるんだよ!?」



「……奴だ」



「は?」



「銀色の髪に白い肌、そして仮面のような無表情! 一目見た瞬間まさかとは思ったが――いや、こんな事が出来る奴があの『白面』でなくて何だと言うのだ……!!」



「おい、親父。だから俺にも分かるように」



「煩い、バカ息子め!! あの『白面』に目をつけられたんだ。私たちはもう終わりだ。……いや、まだ命があるだけ行幸なのかもしれん」



「……、って、おい、親父。まさかとは思うけど、さっきのあのメイド、あれがまさか白面だなんて言うんじゃ――」



「バカめ。こんな事が出来る奴が草々居て堪るか!!」



「な――!! な、なら早く逃げなきゃダメだろ、俺達、ころ、殺されるぞ!!!!」



「……もう遅い。くそっ、一体どうしてこんな事に」



「ななっっ、何なんだよ一体!!」







ダリア・ダルートンとカイト・ダルートン。二人の目の前には“何もない”。

文字通り、つい先ほどまであった城紛いの大きさの屋敷の一片すらない、ただの更地が広大に続くのみ。

荒野に二つの影がぽつんと立つのみであった。




少し迷いますが一日一本と言う事で。時たま一日二本は大丈夫だけど、定期的に一日二本が続くと割と辛いのです。


と、言う訳ですので。

全てはメイドさんを際立たせるためにっ!!




???の技名紹介(気まぐれシリーズ)

≪Stumble――黙って転べ≫

転ぶ。コントのときなどに使うと受けが良いらしい。ただし受け身は不可なので、使う時には地面の固さに注意する事!


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