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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+幼女とご主人様
297/1098

20. どれいと任務

アルカッタの王妃様に気絶させられてリリアン王女の救出に向かったレム君……って、これだけを読んでたら意味が分からないなぁ。


セミリファ・ケイラン・・・新人だった子。今は軍事大国アルカッタで四人しかいない副将の地位にいる。

リン・フェル・・・王妃様付きの密偵の子。ちなみに女の子。

マーサ・シュトル・・・レム君の元奴隷、テッラーが名乗っている偽名…らしい。





「……ここはどこだ?」



「む? ようやく気がつきましたか」



「どこかで見た事のある顔だな。……が、一人と、見た事ない奴が一人、あと――」





「ひぃぃ!?!?」





「――よぉぉぉく、見覚えのある薄情者が一人」





「済みません! 済みません!! 済みません〜〜!!!!」





「止めなさい。マーサが穢れます! ……マーサ、大丈夫よ、この男からは私が守ってあげるから、安心しなさい」



「穢すて……ったく、こっちの事情も知らずに好き勝手言ってくれる。まあ、今は別にどうでもおいいんだけどさ。それより最初の質問に答えてくれないか。ここ、どこだ?」



「ここはサルト街道――とは言っても余所者には分からないだろうから、どういえば分かるのかしら?」



「いや、今ので充分だ。なるほど、つまりはお前たち三人がリリアンの救出隊ってわけだ。そこの薄情者は除くとして、すると他の二人もまずまずの腕を持ってる、と思っていいのか?」



「貴方にそこそこ、なんて言われる覚えはないんだけど……ええ、そうよ。それとマーサはただの案内役のようなものよ。戦闘員として連れてきたわけじゃないわ」



「なんだ、勿体無い。十二分にこき使ってやればいいのに」



「? おかしな事を言うわね。マーサはただの姫様付きのメイドよ。彼女を戦わせるなんて、そんな無茶な事させるわけがないじゃない」



「あー、そうなの?」



「そうなのよ」



「ふーん、それは勿体無い」



「変な事を言う犯罪者ね。それとも、もしかしてただの狂言者なのかしら? 本当に、どうして王妃様はこんな足手まといを連れて行けなんて仰られたのか……」



「まあ、それはいいとして、だ。それよりも一つお願いしたいのだが」



「何よ?」



「……そろそろ俺を引きずるの止めません?」



「それもそうね、私もそろそろ疲れてきてたし」



「って、急に手を離さ――ぶっ!?」



「……何してるの、あなた?」



「何してるの? ――じゃねえだろうがっ!! お前が急に手を離すからだっ、つかなんで俺が地面と口付けしなくちゃいけないんだよっ!?」



「あら、それは御免なさい」



「……うわぁ、全然誠意ってモノがこもってないな」



「必要ないからね」



「おま――って、まぁいいや。初対面の奴相手に怒鳴りつけるってのも品がないしな」



「――そんなもの、あるの?」



「いや、真顔で……しかも名前も知らない奴から聞かされると流石の俺も結構傷つくのですが」



「……それもそうよね。私はセミリファ・ケイランよ。一応、せんぱ――フィン様の副官をさせて貰ってるわ」



「フィンって、……あぁ、あの危ない男の事ね。確か四強――軍事大国アルカッタが誇る将軍様の一角とか言ってたか。ほー」



「そうよ。それで、あなたはヒトに名乗らせておいて自分は名乗らないつもり?」



「あぁ、悪い。俺はレム・アイリアスだ。まぁ気軽にレム様♪って呼んでくれていいぞ」



「……ふぅ。王妃様のお話では無害との事だったけど――あなた、死にたいみたいね?」



「何!? 何ですか、この急展開!? てか軽いお茶目じゃないか、そこまで腹を立てる必要もないだろっ!?」



「私は冗談が通じなくてね」



「や、それは自分で言う事じゃないからっ!!」



「何より、さっき姫様の事を呼び捨てたでしょ? 不敬罪で今すぐ殺してやろうかしら」



「ちょっと、何で俺の周りってすぐにこういう状況になるわけ!? ってテッラ――マーサ、見てないで俺を助けろっ」





「いえいえいえ、レム様がいなくなってくれたらそれはそれで助かったりしちゃうかなーなんて、そんな事微塵も考えておりませんとも!!」





「……んな事考えてたのか、お前」





「いえいえいえ!!!!」





「? 何だ、不思議に思ってはいたがもしかしてマーサ、こいつと知り合いなのか?」



「あぁ、知り合いも何も――」





「いえ、初対面です!!」





「そうか。私の勘違いか。変な勘違いをして悪かったわね」



「今のを信じたー!?」



「マーサがそう言ったんだから、信じるのは普通でしょ?」



「……くそぅ、これだからアルカッタのお国柄って奴は」



「それと、一応お前――アイリアスの方は知っているようだがこちらがマーサで、その隣がリンよ」





「は・じ・め・ま・し・てっ!!!!」



「……初めまして、犯罪者さん」





「お、おぅ、初めまして、“マーサ”。それとリン、だったか? 俺は誓って犯罪者じゃない」





「???」





「何、その意味が分かりません、言葉が通じませんって感じの表情は!? 大体、どこをどう見たら俺が犯罪者なんて柄に見えるんだよ!?」





「「「全部」」」





「……ぐふぅ」



「それよりアイリアス、早く起きなさい。ただでさえ急いで姫様を救出しに行かなくてはいけないと言うのに」



「アイリアス?」



「なに、アイリアス?」



「つか、アイリアスって何?」





「……レム様、レム様、アイリアスってレム様の事ですよ、ついさっき自分で名乗られたじゃないですか」





「あぁ!!」



「何二人でこそこそ話し合ってるの? それよりもアイリアス、早く立ちなさいよ。先を急ぐの、聞いてた?」



「あぁ、悪い悪い。それじゃ、……行きますか!!」





「あんたが仕切るんじゃないわよ!!」




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