祭りじゃ、酒持ってこーい、酒ぇー
QUESTION?
「我の我による我の為の祭りを執り行う!」
『わー、きゃー』
「うむ、苦しゅうないのです」
「シャトゥちゃーん、こっちむいてぇ〜」
「きゃっ、私、今目が合っちゃった♪」
「ロンリーロリロリ、ロリロンリー……シャトゥルヌーメ様ばんざーい、ばんざーい!!!」
「あぁ、今日もシャトゥちゃんの後光が眩しすぎますわ」
「シャ・トゥ! シャ・トゥ!! シャ・トゥゥゥゥ!!! きゃほーい!!!!」
「今度、例の“アレ”売ってくれー!!!」
「――皆さん、静まりなさい」
『………』
「それとそこの貴方、“アレ”は限定品なのでもう売りません。決して下僕一号様に見つかって差し止めを喰らったなどと言う理由ではないのです!」
「ちっ、このケチ――」
「うっせてめぇ!」
「シャトゥちゃんに向かってなんて口きいてるの!? 身の程を知りなさい、身の程を!!」
「おま…し、死にたいのか? 今すぐ死にたいのかぁぁぁっ!!」
「シャトゥルヌーメ様ばんざーい! ばんざーい!!」
「ふぐっ!? うぇ、ごめ、オレわる……許し――」
「誰が許すかバカめっ!」
「地獄で反省なさいよ、この愚図!!」
「シャトゥルヌーメ様、万歳!!!!」
「皆さん、止めてください」
『はい! 済みませんでした!!』
「うむ、解ってくだされば嬉しいです。そして私は喧嘩が嫌いです。もうしないで下さいませ?」
『はい! 我ら一同、もう喧嘩は決してしないと誓います!!』
「ありがとう御座います」
『………』(数人、昏倒)
「では改めまして――祭りを始めるぞー!!!」
『おおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』
■■■■ぴー■■■■(伏字)
「一番、私を称えます! 信者の皆様、元気ですかー?」
『元気でーす!』
「私の知名度も最近はめきめき上がってきて、もう有名人と言ってもいいと思います。さすが私! 流石です!」
『流石、シャトゥちゃん!!』
「うむ、うむ」
「きゃー、やっぱりシャトゥちゃんて可愛い〜」
「もう家に持ち帰ってほっぺたぷにぷにした〜い」
「ロリ…ロリ! …ロリィィィィ!!」
「そこのヒト、五月蠅いので退出してください」
『おらっ、てめぇシャトゥちゃんのご指名だ! とっとときやがれっ!!』
「ひ、ひぃ〜、私が何をした!? ただ私は、私は……ロリを愛でたかっただけなんだぁぁぁ!!!」
『うるさいんだよ!!』
「…また中断してしまいました。でもこれも私の魅力の所為なのです。皆様方、凄く済みませんです」
『そんなっ、謝るなんてしないで下さい、シャトゥちゃん!!!』
「…うむ。皆様方のお慈悲に深く感謝いたします」
『当然の事をしているまでです!!!!』
「皆、優しい子たちばかりで私は感激です。…ならば私もその誠意に応えねば、名が廃ります! ――皆様!」
『はーい、なんですかー?』
「今こそ、私も涙を呑んでこれを流出しましょう! 『秘蔵?下僕一号さ――」
「ルル、ファイヤー!!」
「きゅる〜…ガアァァァァァァ!!!!」
「うむ? ――脱兎です!」
「きゃー、本物のファイさんよー!?」
「本物も可愛くて素敵ー」
「うおぉぉぉ、目が焼け落ちてしまうぅぅぅ」
「シャトゥルヌーメ様、万歳! ついでにファイさんも漫才!!」
「…ふぅ、もう少しでまた外を歩けなくなるところでした。って、これ何なんですか、シャトゥちゃん?」
「下僕一号様、下剋上ですか? 受けて立ちますよ」
「違います。それよりもシャトゥちゃん、このヒト達って――」
「うむ、皆様方、私の信者です」
『信者で―す』
「ほら、皆様もそう言っています」
「…多分、違うと思います」
「きゅる〜?」
「しかし皆様には残念なご報告があります。私の秘蔵の逸品が下僕一号様に燃やされちゃった。ごめんなさいです」
「あんなものっ、燃やして当然です! ……と、言うよりもどうして気がついたら私の実像集が世の中に広まっているんですかぁ。もう一人で歩けないじゃないですか、うぅぅ、恨みます、シャトゥちゃん!!」
『そんなファイさんも可愛い〜』
「下僕一号様、大人気です。私も鼻が高いと言うモノ」
「見ないで!? そんな風に私を見ないで下さい!?」
「うむ? 皆に褒められてるけど、下僕一号様はもしかしてお嫌ですか?」
「当然です!!」
「…うむ、なら仕方ないのです。――皆様方、下僕一号様がこう申しているので、済みませんが解散してくださいまし?」
『えー?』
「うむ? 不満を言う悪い子たちにはお仕置きです! 最速の必堕技――『ブ――――レイカァァァ』!」
『きゃぁぁ〜♪』
♪♪♪♪
「…いつも思うのですが、お仕置きをしていると言うのにどうして信者の皆様方は嬉しそうなのでしょうか?」
「シャトゥちゃん、下着、下着見えてる!」
「下僕一号様はえっちです! …でも、下僕一号様になら全てを見せても……いいでのです?」
「うん、私たち女の子同士だからね。別に恥ずかしくはないよ?」
「うわぁぁぁん、レムに言いつけるのー!」
「何を!? お願いですからもうレム様に私の嘘を刷り込まないで!?」
「我の初開催の祭りを邪魔した罰なのです!」
「祭り!? さっきの赤い服を着てたヒト達……祭りってあの怪しげな集会!?」
「そうなのです! 折角、折角『我の我による我の為のお祭り』が――、うむ?」
「わっ!? シャトゥちゃん、いきなり立ち止まらないで。危ないよ!」
「うむ? 下僕一号様、ひとつ聞いてもよろしいでしょうか?」
「…何?」
「『我の我による我の為の祭り』とは私が私を褒め称えるお祭りの事ですよね?」
「……うん、間違ってはない、と思うけど、それがどうかしたの?」
「………うむ???」
「シャトゥちゃん?」
「私にお祭りは必要ない事が判明しました。私が間違ってたの、下僕一号様には謝ります。ごめんなさい」
「…どういう事?」
「私は常に私を称えています。つまり毎日が我が我を称えるお祭りと言う事! 騒げ者ども! 騒げ私!」
[わーそうなんだ。じゃあシャトゥちゃんがんばってね」
「うむ! と、言う訳で今日も今日とて――吶喊です! 下僕一号様! ルル! 参ります!!」
◇◇◇
「……ねえ、ルル。この気絶したヒト達、どうすればいいのかなぁ?」
「きゅぅ〜?」
「ちょ、食べちゃダメ! 食べたりしちゃダメだから、絶対!!」
「きゅぅぅ〜」
――後の祭り。
『ブ――――レイカァァァ』
シャトゥ、108の必堕技の一つ。必ずオチる技、と書いて必堕技。
正式名称、ブレイカー。んで、名称を言う際の溜めは必須。
ブレイカーを落とす。すると皆の意識が堕ちて一瞬で気絶者多数。派手な予備動作がないので一番早く技が発動する。相変わらず凶悪な技ばかり。
でもいい夢が見れるらしい。リピーター続出。
今日は“くりすます”と言うお祭りの日らしいので、30分ほどのノリで書いてみた。深い意味はない。
自分、キリスト教徒じゃないのでよく分からないのです。
当然、シャトゥにとって他の神様は関係ありません。
まぁ異世界にはクリスマスって習慣自体ないけど。