ど-176. とあるお方の手記4
シャトゥ&ファイ、天災's
『前略、緊急事態です、レム。
家には子供と女房がお腹を空かせて待っていると言っていた御頭に親切心にと思って、下僕一号様に料理をふるまわせたら大変な事になりました。
今は御頭を慕って集まった子分?のヒト達と追いかけっこをしながらこの文を書いているのですが御頭大丈夫でしょうか?心配です。
書き忘れていましたが御頭と言うのは街で私に親切にしてくれた強面のおじさんです。卑屈な笑顔が哀愁を誘ったので相手をしてあげました。
名前は知りませんけど皆が御頭って読んでいたので私もそう呼んでいます。
話は変わりますが最近、街のヒト達やすれ違うヒト達が私を見て何か噂をしている気がします。
鬼子、龍騎、暴風、天災なんて単語が聞こえてきますけどどんな噂をしているのでしょうね?わくわくでどきどきす。
私は美人で凄く可愛いので噂をしたくなる気持ちも分からなくはないですが、人気者は辛いのです。レムには分からない苦労ですけど、母様ならきっと解かってくれるので一言よろしくお願いします。
下僕一号様が何か書きたそうなので続きを任せます。ではレム、母様に私は元気で人気者を続けているとお伝えください。
かしこ
シャトゥちゃんずるいです一人だけルルの背中に乗って楽して って団体さんに追われてるこの状況で何を書けば
武器ですか?武器ですか?弓矢は嫌――(以下読解不能)
』
「うん、今日も元気そうで何よりだ。そう言えば最近地上で紅の龍騎士とその従者とか言う大層な通り名の、“天災”が暴れ回ってるとか言う話を耳にした気がするな」
「シャトゥに負けないよう、私も頑張らなければ」
「何を!?つか変な対抗意識は止めてください、お願いだからっ!!」
唯我独尊、シャトゥは今日も往く。
ジワリジワリとシャトゥの存在が浸透し始めていく今日この頃。でもシャトゥは名乗りを上げたりしてないので名前は知られてません。なので『紅の龍騎』。
とあるお方のコメント×2
「流石は私。人気者は困りますね?…どこぞの誰かと違い」
「こんな女神様に目をつけられるなんて、あの連れの子も可哀想に」




