ど-174. とあるお方の手記2
手紙、二枚目。
『拝啓、レムへ。私は怪我をしてません。母様は元気ですか?
世直しの旅を始めてからかれこれ三日が経とうとしています。世直しと言うのは難しいものですね。中々私の信者ができなくて困っています。
地上に来てから気づいたのですが私には『悪人レーダー』があるみたいで、大変有効に活用させてもらっています。直感って素敵ですね?
悪人をちぎっては投げ、ちぎっては投げの毎日は飽きるものではありません。ルルと下僕一号様も涙を流してまで喜んでくれています。真に嬉しい事です。
つい今し方も『サリファス盗賊団』と言う悪人の集団を撲滅してみたところです。後ろがちょっとうるさいですが私は気にしません。
でも『鬼』とは何でしょうか?悪人が私を指してそう呼ぶのです。機会があれば教えてください。『悪魔』というのはスィーカットの事でいいのですよね?
世の中は私の知らない事がまだまだいっぱいあるみたいで大変勉強になります。
私はいっぱい頑張っている事を母様にもお伝えください。
それとレム、不思議に思ってたんだけど私が成敗に突入した時、悪人たちと捕まってた女のヒ■■■■■■■■■■■■■■■■■
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失礼しました、レム様。何でもないです、決して何でもないですから気にしないで下さいお願いします。私もシャトゥちゃんも何も見てません。はい、見てません。
で、でもまさ、いえなんでもって、あぁ、間違えて書いちゃっ
上の文章は気にしないで下さい、レム様。書き間違えただけです。私たちはその、毎日を大変楽しく
楽しく
楽しく
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レム様、助けて下さいまし。シャトゥちゃんは元気があり過ぎて、ルルだって元気いっぱいで、私このままでは死んでしまいます。
御慈悲をお願いします、レム様。何卒御慈悲――(以下、読解不能)
』
「さて…………シャトゥからの手紙はまだかなぁ〜?」
「旦那様?既にこちらに――いえ、そうでございますね。シャトゥからの定時連絡、遅れておりますね?」
何故でしょうか?
必ず一人は酷い目に合う人がいる気がする。誰も悪気なんてないのに…不思議だなぁ、と思います。
とあるお方のコメント×2
「初めまして。あの子の母親で、ルナと言います。よろしくお願いします」
「誰もそんな事聞いてませんよ、出来損ない」
「女神様こそ、今更猫かぶっても…」
「…言いたい事ははっきりと言ったらどうです?」
「いえ別に?」
「「……、おほほほほほ」」