ど-167. 朝だー!!
そして目覚めます。
「憎々しい朝だ」
「起きるなりとんだ御挨拶だな、シャトゥ?」
「起きたら目の前にレムがいる事に吃驚?」
「いや、びっくりしたのと今の発言は全く関係ないからな?」
「うむ。本音がちょっぴり漏れただけです」
「なお悪いわ」
「それでレム、聞いていい?」
「ああ、良いぞ。ただしそのあと俺の方からも質問がある」
「身体はどこも痛くないです?」
「…いや、俺が聞きたいのはそう言う事じゃない」
「違和感はない?」
「そう言う事でもない。てか俺の事はいいから、まずシャトゥの質問を聞こうじゃないか」
「うむ?我はどうしてレムの部屋にいるの?連れ込まれた??」
「じゃあ質問に質問で返すようで悪いが俺の方からも質問だ。…どうしてシャトゥがここにいる?」
「レムが連れ込んだから?」
「連れ込んでません。お陰で俺は朝からあいつにぶっ飛ばされかけるし、散々だ。大体シャトゥを連れ込んでも俺にメリットがない」
「我の溢れ出る魅力?」
「眩しくて涙が出るな?」
「レムに貶された気がするのは気のせいです」
「いちいち口に出すな」
「では気のせいでない?」
「気のせいだ。そう言う事にしておけ」
「うむ?分かりました」
「んで、質問に戻るけどシャトゥ、本当に何にも心当たりはないか?――お前の魅力云々は永遠に捨てておくとして、だ」
「うむ?うむ??……昨夜にヒト肌が恋しくなって彷徨った、気がする」
「それはそれで危ない癖だな?」
「するとレムが現れてこう言った気がする。“おいで、シャトゥ。今夜は寝かせないよっ”…うぅぅ」
「それは間違いなく夢だ、シャトゥ」
「うぅ、う?…よかった。あんな輝いてるレムなんてレムじゃないのです」
「…一体どんな夢を見てたんだ?」
「レムが素敵に見えた夢でした。…だから夢なの?」
「んなオチはつけなくていいから。それとシャトゥ、起きたんならもう俺のべっどから出ろ。じゃないと動きが取れない」
「うむ?……うむ、そうしないとレムに奪われてしまいます」
「ああそうだね。だから早く――退け」
「うむ!…とうっ。……そして着地成功?」
「ああ、無駄に見事な空中三回転だったな。さすがシャトゥ」
「うむ!」
「…ふぅ、これでやっと俺も起きられる」
「ではレム、我は往きます!そして世界をこの手中に!」
「……何つー物騒な事を朝っぱらからほざいてるかな、あいつ。完全に不可能じゃないところが余計に怖いぞ、おい」
格好のいいレムは全部夢に決まってる。
あと今更ながらにシャトゥの身体機能は規格外の高性能です。
旦那様の今日の格言
「寝言は夢の中だけにするように」
女神さまの本日のぼやき
「先ずは既成事実、そのあとはどうとでもなるのにっ…」