ど-166. 無実だからこそ……、そして次回へ続く
次回へ続く
「朝から元気がいっぱいで御座いますね、旦那様?」
「……微妙に怒ってる?」
「いえ?」
「なら怒ってるように見えるのは俺の気の所為か。うん、そう言う事にしておこう」
「旦那様は朝から元気がいっぱいで御座いますね?」
「……やっぱり怒ってる?」
「いいえ?」
「…目つきが怖いぞ?」
「地です」
「…何かオーラ出てるぞ?」
「それは正しい認識です」
「コレは否定してくれよ!?頼むからっ!!」
「第一、私は怒ってなどおりません」
「…言い切るか」
「はい。事実に御座いますれば」
「…あ、そ。そう言えばさっきから俺が元気元気って言ってるけど、何の事だ?」
「そっ、それを私の口から申し上げよと、旦那様はそのような事がお好きなのですね!?」
「うん。演技はいいから、答えろ?」
「…実に小憎たらしいまでの素敵な笑顔に御座います、旦那様」
「褒め言葉だな」
「ええ、褒めましたので」
「で、話を逸らすのはいいから、答えろ」
「旦那様は本気でお気づきになられておられないのですか?それとも私を試そうとなさっているのですか?」
「…何の事だ?」
「――それを」
「それ?…下の方に何が…――、すまん」
「いえ?」
「…逆にその淡白さが怖いなぁ。んで、元気いっぱいって言われるのは分かった。でも敢えて言っておこう。――誤解だ」
「そのような常とう句を私に申されましても、旦那様はどのようなご返答がお望みで?」
「出来れば何事もなかったかの様にいつもを再開して欲しい。て、流石にそれは無理…」
「旦那様がお望みとあらば例え無理でも道理を通して見せましょうや?」
「妙、にこういう時だけもの分かりいいよな、お前って」
「私はいつも素直でもの分かりが良いつもりですが?」
「あ、そ。言ってろ」
「では旦那様、改めまして“いつも”をさせていただく所存に御座いますが、何かご質問等など御座いますでしょうか?」
「…や、まて。つかその手に取りだした大きな木槌は何だ?そして何故に満面の笑みを浮かべている?」
「そのような。何を仰っておられるのです、旦那様?これもいつも通りでは御座いませんか」
「はっ!?つか謀ったな!?」
「何をご戯れを。……――では御覚悟のほどを。本日は少々強めに参りましょう」
「や、待――ふごっ!?」
「……本日もよい仕事はじめで御座います」
「……うぅ。俺は正直殺意が湧きそうだ。何故に無実な俺がここまで虐待されなきゃいけないんだ?」
「さて?そればかりはご自身で答えを出していただかなければ」
「と、言いつつどうせお前だってよく分かってないくせに」
「――さて?」
「ま、いい。……んで、俺はしばらく動けないので」
「はい、承知しております、旦那様。では御昼時ごろにもう一度迎えに参りましょう」
「や、それは遅すぎ――て、もう行きやがった。叫ぶ…わけにもいかないしなぁ。さてはて、どうしたものか」
よくある事です。そしてメイドさんは手加減をしません。レム君頑張れ!
旦那様の今日の格言
「事実なんてどうでもいい。まずは隠せ」
メイドさんの今日の戯言
「証拠隠滅、ですか。…ふっ」