ど-165. こんなの書いてみた
別名、妄想のーと
「レムー」
「ん?…シャトゥ、どうした?」
「読め!そして嫁?」
「後半は意味分からんが、それ、本か?」
「うむ。レム、読め!そして我は嫁!…ところで嫁って何?うっかり忘れてちゃったの」
「いつもながら言葉遣いだけが無駄に偉そうだなぁ…。あと、それは自分で調べろ。俺は墓穴を掘るような趣味は持ち合わせてない」
「では地雷に突き進むのはレムの趣味?」
「…それも断じて違う」
「レムは行動と言動が一致してません。我は粛清を求めます」
「訂正、な?…粛清っつーと案外本当にされそうで怖いから止めろ」
「うむ?」
「…まぁ、解ってないならいいか。んで、その本を読めって、まだ文字覚えてないのか?」
「レムはしつれーなの。既に十日と一月前に文字はマスターしました。今では母様に教えてもらった計16ヶ国語読み書きすらすらです」
「…地味に凄いな、それ。つか確か文字の勉強を始めたのが一月と十五日前って俺は記憶してるんだけど、間違ってたっけなぁ…?」
「苦労しました」
「…そうは余り見えないけどな」
「我は水面下で悶え苦しむのでレムに弱みは握らせません。レムに弱みを握られると我の貞操は…既にない?」
「いやあるから。ちゃんとあるぞ?――って、あるからスカートに手を伸ばそうとするな捲り上げようとするな!!」
「レムに視線で犯されてしまいました。我はどうすればよい?レムとツガイにならなきゃダメなの?…ふるふる、あぅ、魂の汗が目から出てきた」
「泣くな泣くな。別に何もしなくていいから。つかそもそもとして俺は何もしてないっての。しかもスカートを脱ごうとしだしたのはお前からだ、シャトゥ」
「…吃驚!」
「……何でそこで驚くかなぁ?」
「それよりレム、早くこれを読め!」
「……貞操云々はどうなったんだよ?」
「レムが相手だからどうでもいいの。それより早く読め」
「どうでもいいて。……それって俺が相手だから問題ないのか、それともどうせ俺だから手を出す事もないだろうって事なのか、どっちの意味なんだ?」
「レムだから問題ありません?」
「………微妙」
「それよりレム、つべこべ御託を並べずに読め!」
「と、言葉で言いつつ上目の涙目なのね。相変わらずギャップの激しい事で。……んで、それ一体何の本だ?」
「我が嗜めてみた」
「って、え!?…これ、シャトゥの自作本?」
「…うむ」
「へぇ…んで、これってどんな内容の本なんだ?」
「判りません」
「…は?判らないって、お前が書いたんだろ?それとも他の奴らに手伝ってもらったりしたのか?」
「違います。ちゃんと我一人で書きました」
「ならどうして自分の書いたものの内容が判らないって言ってるんだよ?」
「うむ?…うむ」
「“うむ”ばっかりじゃ分からないって」
「うむ。魂の赴くままに書いてみたけど、意味がよく分かりませんでした」
「お前の魂の赴くままって……おい」
「うむ?」
「ちなみに分かる範囲でいいからどんな事が書いてあったんだ?」
「うむ。黒い髪の小さな男の子と赤い髪の綺麗な女の子が一緒に住んでるお話だった気がします」
「……もういい。大体想像がついた。ところでシャトゥ、この本、他の奴に見せたりしたか?」
「うむ?…母様にもまだ見せてません。何となく怒られる気がしたので最初にレムに持ってきたの。光栄に思え」
「…あぁ、それ、多分賢明な判断だったぞ、シャトゥ。…どれ、一応内容を確認しておくか。…………――」
「レム?」
「――う、わぁ……。つか、予想以上。あの“なんちゃって♪”おふざけ存在、何考えてやがるんだ?」
「レム、どうした?」
「…あぁ、いや。なんでもない」
「それで、どう?どう??面白かった?面白かった??」
「あー、何て言うか、その…」
「うむ?」
「シャトゥにはまだ早い内容だったな。自分で書いて読んでみたって言ってたけど、意味が分からなくて正解と言うか、ほっとしたと言うか…」
「レムの言う事はいつも不正解です」
「…多分、不明瞭の間違いだな、今のは。まあ、面白い面白くないで言えば正直面白くないな」
「…うむ、残念です。我のすーこーな文章はレムの趣味には合わなかった」
「………てか、自分がモデルにされてて面白いわけがあるかっての」
「それでレム、どんな内容だったの?我にも教えてください」
「自分で書いておいてヒトに内容聞くって……まあシャトゥの場合は特別だろうけどな。で、んー、あー、内容、ねぇ…?」
「うむ?レムにも判らない?」
「いや、文章の内容自体は判りはしたけど、んー、まぁ、敢えて言うなら」
「言うなら?」
「ぷ、ぷろれすごっこ?」
「…うむ?やっぱり良く分かりません」
「うん、シャトゥはそれでいいぞ。いいんだぞー、と心底思う」
たまに前世?が乗り移って見たりするシャトゥです。本人意識はありますけど自覚ないです。我が強いですから。
旦那様の今日の格言
「燃えるごみは焼却炉へ」
女神さまの本日のぼやき
「私の傑作なのに…」