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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+幼女とご主人様
252/1098

16. どれいともと・どれい?


マーサ・・・レム君の元…?

マッケンニー・ベルハルド・・・看守。別に名前は覚えなくてもいい。ジェシーちゃんと言う恋人がいるらしい。ただいま喧嘩中?

リリアン・・・アルカッタのお姫様。どうやらカトゥメ聖国に攫われているらしい。戦争になりかけの原因?


「…生きてるって素晴らしいなぁ」



「はーはー、ぜーぜー」



「こんな牢屋の地下深くでもどこか素敵な空間に思えてくるから不思議だ」



「はぁはぁはぁ」



「いやちょっと、さっきからヒトが感慨に耽ってるのに危なげに傍で息切らしてるの止めてくれないか?女ならまだしも男の息切れを間近で聞く趣味は俺にはない」



「俺だってないわっ!…はっ、はっ、と言うより貴様、本当に何者だ?」



「何者も何も、単なる一般市民?」



「罷り違っても一般市民の訳があるかっ!……その拘束状態で半日も俺の鞭をよけられ続けると流石に自信をなくす」



「ドンマイっ」



「五月蠅いわっ!!」



「……何か、こういうのっていいなぁ。俺が責める立場って言うの?日頃の鬱憤がそうさせるのかねぇ。後は傍にいるのがむさいおっさんじゃなくて可愛い女の子、かつ拘束されてなけりゃ、上々なんだけどな」



「俺だって、俺だってなぁ。お前みたいな侵入者が居なけりゃ今日は休暇をとって今頃はジェシーちゃんと二人でお出かけを。それが何故かこんな野郎と二人きり、しかもジェシーちゃんには怒られるし……うぅ」



「いや済まん。マジで済まん」



「五月蠅い!お前に同情される謂われはないわっ!!」



「まぁ、そのうち良い事あるって」



「…うぅ」



「元気出せって、な?」



「うぅ、同情なんて、同情なんて……うぉぉぉぉんっ」



「…うんうん」





「あ、あのー。…宜しいですかー?」





「「っ!?!?」」




「えっと、お取り込み中?」




「そっ、そんな事はないぞっ」



「そう言う事にしておいてやろう」



「貴様が偉そうに言うなっ!!……それでマーサ殿、こんな場所に一体何の用事なのだ?」



「実は俺に密会しにきた」



「だから貴様は黙っていろっ!…マーサ殿、それで本当にどうした?こんなところ、見ての通りこんなみすぼらしい男しかいないぞ?」



「実はお前に密会に来てたりして?」



「な、何!?……そ、そうだったのか」




「ちっ、違います!!」




「やーい、振られてやんのー」



「……別に。俺には元よりジェシーちゃんが、……うぅ、ジェシーちゃーん、赦してくれよぉ」



「ゃ、済まん。傷口に塩塗りこんだ」



「うぉぉぉんっ」



「と、言うかこんなおバカな野郎は放っておくとして、一体どういう要件なのかな、“マーサ”どの?」




「っ?!?!」




「って、そこまで怯えられると傷つくなぁ。俺が何かしたか?」



「黙れ誘拐犯!貴様いい加減姫様の居場所を吐いたらどうだっ!!」



「いつの間にか誘拐犯にされてるし。俺は何もしてないっての。…つか、まともな手段でリリアンの奴を誘拐できる奴なんてこの世界にいな――……あぁ、身近なところに一人ばかりいたなぁ、そう言えば」



「ようやく認めたな!さあ、姫様はどこだ!!」



「や、だから認めてないって。単にリリアンに対抗できる奴を知ってるって言っただけだろ」



「ほら見た事か、姫様を誘拐できるとの豪語を俺は確かに聞いたぞ!マーサ殿も聞いていたな?」



「え、えぇと…その…」



「はっきりしない奴だなぁ」



「貴様が言うなっ!」



「でもなぁ、俺は確かにリリアンに対抗できる奴知ってるとは言ったが、それだけじゃ言いがかりも甚だしいぞ?」



「そんなものは後でどうとでもなるっ!!」



「……お前、やっぱり無能だろ?」



「何だと、このっ!」



「で、無能は本当に放っておくとして、本当に何の用でここに来たんだ、“マーサ”どの?」




「っ!!」




「だーかーらー、どうしてそこまで怯えるかね。本当に俺何かしたか?」



「ふんっ、マーサ殿は姫様が攫われた現場にいた唯一の生き残りだ。どうせ貴様もその場にいたのだろう?だからだっ、そうに決まってる!!」



「へぇ、現場にいたって…そうなのか、“マーサ”どの?」



「あ、その、あっと…」



「何か言いたい事があるのか?はっきりと言った方がいいぞ?」



「えっと、そのぉ…」



「は…はっ、貴様も自らの罪を自白させるとは殊勝な心がけ」



「マ、マッケンニーさん、少し席をはずしてもらえますか?このヒトと二人で話がしたいんです」



「なっ!?」



「ふむ、どうやら俺への密会が正解だったみたいだな」



「貴様は黙っていろ!それよりどういう事ですか、マーサ殿!?この男は姫様誘拐にかかわっている可能性が極めて高い危険人物です。二人きりなど以ての――」



「――マッケンニー・ベルハルド、これは職務の特秘事項です。貴方に反論は許されていません。姫様の事について…詳しくは話せませんが、これ以上反抗の意を示すようなら職務妨害で捕縛命令を出しますよ?」



「しっ、失礼いたしました!」



「………す、済みません、マッケンニーさん」



「いえ、そう言う事でしたら自分の出る幕はありません!謝罪も結構であります!!」



「…えっと」



「それでは、自分は牢の外で待機しておりますので、この男が何か不埒な事をしたらすぐにお呼び下さい。では…!」









「…別に不埒な事なんてしないってーの。てより俺ってもしかして本当にそう言う事しそうな野郎に見えるのか?…なぁ、“マーサ”どのはどう思う?」





「ももも申し訳ございませんレム様!!どうか、どうか平にご容赦を…!!!!」





「――」



「あの館から逃げだしたのは決してあの館が嫌になったなどと言う事では決してなくて、むしろ皆の事は今もずっと心配で…」



「…はぁ、やっぱりお前、テッラ―だったのか」



「はっ、はい!魔道部・元第十五位、テッラ―に御座います!!」



「そうかそうか。間違ってなくて良かったわ」



「…レ、レム様。先ほどまでのご無礼の程を――」



「あぁ、つか気にしてない。ついでに言うとあいつが手引きして館の奴らを逐次各地に散りばめて逃がしてる事も知ってるから、別に気にしなくていいぞ?」



「で、ですがお姉様はレム様に見つかると口には言えないような酷い事をされると…」



「あ、あのヤロめ。…そんな事はないぞー?別に逃げ出した、てかいなくなった事に関して俺は気にしてないし一切怒ってもいない。お前達がその場所で幸せであってくれるなら十分に満足だからな。……て、何故後退る?何故震えてる?」



「あぁ、お姉様、ごめんなさい。せっかく逃がしていただいたのに、遂にレム様に見つかってしまいました。姫様も申し訳ございません、助けに向かう事が出来ず、この不徳者をお許しくださ」




「だー!!だーかーらー、ちょっとは俺の話を聞けっ、つか信用しろ!!」




「で、ですがお姉様が…」



「お前たちはっ!ちょっとあいつの事を信用し過ぎてるんだよっ!!大体な、その話題を話したとき、あいつ二度説明しなかったか?」



「あ、はい。念を押すように、二度…」



「それだっ!あいつはな、半ばふざけて、冗談の時は絶対一度以上説明するんだよ!?あのヤロめが本当に真剣な話題の時は一度こっきりしか説明しないのっ!どうだ、解ったか!?」



「え?え??えぇ???」



「……判ってなさそうだな、おい」



「もも申し訳ございませんレム様!!」



「…はー、もういいや。取り敢えず俺がお前に何かする気はないってところだけ納得しとけ」



「あ、はい。判りました」





「で、ちょっとまじめな話に移るけどな。テッラ―、お前、リリアンが攫われた現場にいたってのは本当か?」



「はい、本当です」



「ふぅん。…で、どんな風にしてやられたんだ、あの真正の鉄腕“お姫様”は?…いくつか想像はついてるけどな」



「は、はい。敵襲があって、でもそれは姫様が一瞬で片づけてしまわれたのですが、」



「流石だな。で、一瞬で片づけたはいいけど、どうしたんだ?」



「倒れた内の一人が姫様に抱きついて何やら言葉を発したのですが――」



「そうするとリリアンの動きが止まって、その隙に捕縛された、と。そう言うわけだな?」



「は、はい。その通りです。でもどうし………ま、まさか本当にレム様が誘拐…」



「してませんっ!」



「で、ですよね?」



「と、言いつつお前、絶対まだ疑ってるだろ?」



「そ、そんな事は……」



「嘘吐くと凄いことするぞ」



「…ある、かもしれません」



「やっぱりな。んで、凄い事とかは冗談だけど、あの鬼神の如き凄まじさを誇るお姫様が攫われるなんて事は草々ありえないからな。さっきも言ったけど相手がどんな手を使ってきたのかは大体想像がついてる。この場合はどうやら羞恥攻めだったみたいだな」



「しゅ、しゅうちぜめ、ですか?」



「ああ。何せ真正のお姫様だからな。流石に戦闘モードの時はどんな事を言われても大丈夫だろうけど、どうせ一瞬で熨したから気ぃでも抜いてたんだろ。んで、全身真っ赤にして恥ずかしがったところに強力な捕縛魔法でも使ったか?無抵抗で捕まってからの脱出は流石にまだ無理だったみたいだな」



「レム様、凄い。本当に見てきたみたいに……はっ、まさか!?」



「や、それはもう良いっての」



「は、はい。済みません」



「――それで、テッラ―」



「はひっ!?」



「っとと、スマン。ちょっと怖かったか」



「ひ、ひぃえっ!!」



「まだ口が引き攣ってるっての。んでさ、ちょいと聞きたいんだが、リリアンを攫った奴らの中に赤髪の男はいたか?もしくは最近どこかで見かけたってだけでもいい」



「赤髪の男のヒト、ですか?……いえ、記憶にありませんけど。それって『燎原の賢者』の事ですよね、レム様?」



「ん?あー、まぁ、……見てないってんならいいわ。今回の件はあいつが何かちょっかい出してるってわけじゃないって事だな。まぁ、こんな小さな事件にあの野郎が手ぇ出してるとも思わなかったけどな」



「ふえぇぇぇ〜ん」



「おっと、ちょっと怖かったか。また悪い」



「ひ、ひえ」



「…まぁ。んで、じゃあさっそくリリアンの救出に向かってほしいんだけど、良いか?」



「…、え!?レム様、姫様の居場所を知ってるんですか!?」



「や、厳密には今マレーヌに調べてもらってるわけだが、まああいつ優秀だし、今回はその手に事に優秀な“相棒”もいたみたいだし、もう判明してるんじゃないか?」



「マ、マレーヌちゃんですかぁ。そう言えばあの子、優秀だったなぁ。処理部なのに時々魔道部の練習にも来てたし」



「ああ。んで、テッラ―達はちゃんと自国のお姫様を救出してくださいってわけだな。大丈夫、ちゃんと格下だから、この国なら態々戦争なんて起こさなくても奪還できるはずだ」



「は、はい」



「んー、じゃあ取り敢えずテッラ―の仕事は俺からリリアンの居場所を聞きだしたって事で救助隊を派遣――お?」



「手紙が急に現れ…?」



「簡単な転移魔法だよ。魔道具一つでも楽にできる。でも丁度届いたみたいだな、んー何々『ミクスベルの森北方134の一軒家の中』……だ、そうだ、ミクスベルって言うと国境ギリギリのところだな。と、言う訳なので早速そこに救助隊を派遣するように」



「は、はい判りました!ただちに…」



「あ、と。それともう一つ。ちょっと待て、テッラ―」



「…はい?」



「だからそう怯えるなって。ちょっと聞きたい事があるだけだから」



「はい、何でしょうか?」



「こういう奴、犯人グループの中に居たりしなかったか?」



「…レム様、こんな女の人の似顔絵なんていつも持ち歩いてるんですか?」



「いや違うぞ?今回はあくまで偶々であって、いつもってわけじゃ決してない…からな?」



「本当ですか?お姉さまに言いつけちゃいますよー?」



「それだけはどうかご勘弁を!!」



「って、冗談ですけどね。今はお姉様との会い方も解かりませんし」



「……心臓に悪い冗談を言うもんじゃないぞ。で、こいつなんだけど、犯人の中にいたか?いなかったか?」



「えっと、全員が覆面をしていたので細かくは分からないんですけど……多分、いなかったと思います」



「んー、そうか」



「それでレム様、この女の人ってどういうヒトなんですか?」



「ん?まぁちょっとな。俺の新しい愛人?」



「……では私はセミリファ様に報告に行ってきますので。あとレム様、冗談はほどほどにしておいた方がいいですよ?そのうち誰もレム様の言う事を信じられなくなっちゃいますから」




「ってぇ、その冷たい眼は何だ!俺は何一つおかしな事は言ってない!おいこら、テッラ―、待て、良いから勘違いを訂正してい………うおー、マジで行きやがった。こんなところにもあいつの教育の悪影響が」





「む?どうやら終わったようだな。ちゃんと自白したか?」





「うるせ。……しかし、取り敢えずレアリアはシロだな。と、すると態々アルカッタまで来たってのは、んー、何の用だ?」





未来が見える気がする。

…このあとレム君は間違いなく酷い目にあう!!


レム君は意外と策士ですよ?メイドさんには劣りますが。


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