ど-153. 言ってみたかっただけです
それがある時落とし穴
「犯人はこの中にいる!」
「…は?」
「しましまのイマイマ」
「さっきから何の事だ?」
「分かってるクセに我に言わせる気なの?」
「や、分かるも何もさっぱりだ。俺のとこに来て早々言った言葉がそれで、俺にどうしろと?」
「レムは我を騙している」
「だから、別に騙してないってば」
「レム、諦めるがよい?」
「何をだ。何を」
「うむ?…生きる事?」
「断る。つかいきなりそんな事を云われる筋合いは俺にはないぞ」
「…レム」
「な、何だよ?」
「……可哀そう」
「何が!?つかシャトゥにそんな事を言われると妙に気になってしまうのですが!?」
「そんなお年頃?」
「いや、それは違うけど。いいか、覚えておけよ?おまえの発言ってのはな、結構な影響力があるんだよ。いいな、だからくれぐれも滅多な事を言うんじゃないぞ?」
「嫌です」
「何でだよっ!?」
「理由はない。レムに逆らってみたくなってやりました。今も反省していません」
「そうかそうか。なら存分に滅茶苦茶な発言をしてくれ。期待してるぞ?」
「うむ?…うむ。期待されては仕方ないので、発言は慎む事にしました。レムの思い通りにはならない!」
「ああそうか、それはこまったなー」
「うむ、本日も一つ良い事をした気分!」
「………ふっ、扱いやすい奴め」
「それでは小さな発言は止めて、一つだけとびっきりの秘密をレムに教える事にします」
「ん?何だ、どうした?」
「我の下着は今しましまです」
「ぶっ!?」
「青と白のすとらいぶ。見る?見る??」
「…んなもの見ないから。嬉々として寄ってくるな、そしてそのスカートにかけた手を離せ、マジで頼みますから」
「うむ?」
「そうだ。ゆっくりと、ゆっくりとな。下手な事は考えるんじゃないぞ、いいな?」
「レムは我の下着を見て楽しい?」
「いや、だからシャトゥ、よけない事を考えるのや止そう、な?」
「では楽しくない?」
「だから、そもそも楽しい楽しくないの問題じゃないだろ、これは」
「と油断させて一発逆転!」
「なっ!!、っ!?」
「………うむ?」
「シャトゥ、頼むから慎みというものはちゃんと持ってくれ。つかいつまでそうして下着全開にしてるつもりだ?」
「レムに我の下着を見られた!」
「いや!自分で見せただろ、自分で!!」
「もうお嫁にいけません。…ちらり?」
「問題ない。あいつに育てられてるんなら多分引き手は数多過ぎるだろうからな。…それとその意味ありげな流し目は敢えて無視させてもらおう」
「…悔しいのでもう一つとびきりの発言をします」
「まあどうせ大した事もないんだろうけど、聞いてやってもいいぞ?あと、スカートはいい加減戻そうな、シャトゥ?」
「…レムの温かい視線を感じます」
「それは単に呆れてるだけだと言っておこう」
「我の胸も少しだけ温かくなりました」
「不思議な事もあるものだな?あとだからいい加減下着を隠せ」
「ではレムの生温かい視線を向けられながら告白します。少しどきどき」
「だからいい加減…って、もう諦めて俺の方から視線逸らすぞ?」
「…本日未明、我は母様にも内緒でとある行動を起こしました」
「いや待て、ちょっと待て。何やら俺の心の中で警告がなってる気がする」
「名づけて、『しましまのイマイマ』」
「もういい、大体想像がついた、だからそれ以上喋るな、シャトゥ。俺は共犯者にはなりたくない」
「もう遅いのです。我は母様も含めた皆のしましま以外の下着を隠す事に成功しました!…レムの部屋に」
「いや待て!最後になんて言った!?ソレすごく重要じゃね!?」
「そしてそろそろ母様が気付く頃だと我は予言しました」
「既に過去形!?」
「そしてちょっぴり期待して叫んでみる事にします」
「何を!?いや待て、てめ…」
「レムはしましまが好きです!」
「っ!?さ、殺気か、この身体の心から寒気が奔るのは…」
「そして我は脱兎!」
しましまは偉大です………などとは断じて言いません。
旦那様の今日の格言
「…ふっ」
女神さまの本日のぼやき
「しましま?」