ど-148. らしく
人間、らしくあるのが一番です。でも…?
「らしくあるのがやっぱり一番いいと俺は思うんだ」
「その通りでございます、旦那様」
「で、早速だけどお前としては俺らしいってのはどんな事だと思う?」
「…常に虐げられているイメージがあるのは私の気の所為ではないと思われるのですが、何故でしょうか旦那様?」
「……俺もそんな気がするけど、ホント何でだろうな?俺って『旦那様』とか『御主人様』って呼ばれるだけあってそこそこは偉いはずなんだけどなぁ」
「その通りに御座います」
「じゃあ一体何が原因なんだろうな?」
「私にも想定しかねます」
「嘘吐け」
「流石は旦那様。私の事をよく存じ上げておられるだけの事は御座います」
「別にそんなつもりで言ったんじゃない」
「存じております。――旦那様の事は全て」
「……さて、じゃあ少しじっくりと考えてみるか。俺に足りてないものってなんだと思う?」
「照れておられます?」
「五月蠅い。それよりも俺の質問に答えろ」
「御随意に」
「で、俺に足りないものってのは一体何だ?自分で言うのもなんだがはっきりとした欠点なんてないぞ、俺は」
「私が思いますに、具申させていただいてもよろしいでしょうか?」
「そう遠慮せずに率直に言ってくれてい……いや、やっぱりちょっと待」
「旦那様という事以外全てで御座いましょう」
「…やっぱりそれか。ふふっ、いいさ。お前のその俺に対する暴言なんてもう慣れたものだよな。こういうものは気にした方がアホゥを見るんだ」
「そのような事を仰られているからこそ、退化という別名を持つ成長が旦那様には常に全体に感じられるのです」
「ふんっ、それがある意味お前たちにとっては『らしい』って事なのかもな。なら俺の方だって『らしく』やらせてもらうさ」
「元より旦那様は何物にも侵される事のない、まるで埃のように吹けば何処へとなり飛んでいってしまわれるようなお方では御座いませんか。今更ながらに何を仰られますか」
「そっくりそのまま、言葉を返してやろう」
「旦那様がそのように私の事をお考えになられているとは、ショックを隠しきれません」
「は?どういう意味だ?」
「私は断じてそのように軽い女ではない、と主張させていただきたく思います。それこそ旦那様のように次から次へと女性の自由を買い占めて我がモノにするような下劣漢と同じにしてほしくはありません」
「その言い方は激しく勘違いを生むな」
「それでは旦那様は私が申し上げた事に異議でもおありで?」
「……いや。一応、今お前の言った事に関してのみ間違いはなかったからな。激しく誤解されそうではあるが」
「そうでしょうとも」
「……く、くくくっ。それなら俺はお前の言うとおり、久しぶりに地上に奴隷たちを買いに出かけてくるさ、ああ来るともさっ」
「旦那様、お待ちくださ――」
「誰が待つか。へへんっ。じゃあちょっと行ってくるぜ」
「……行ってしまわれました。しかし旦那様もシャトゥの教育上悪影響を与えるような軽率な行動は慎んで頂きたいものですが。…いえ、これこそが反面教師、というものではありますか」
書く時の精神状態によってれむ君の虐待具合が微妙に異なる。
…いえ、言い間違えました。レム君は断じて虐待されてません。
虐待?そんなのないですよ??
と、言うわけで最近メイドさんはシャトゥの育成に聖を出しているので若干数、レム君いじりは軟化しております、今日この頃。
あくまで心無し、程度ですけど。
旦那様の今日の格言
「新しいハーレム要員、ゲットだぜ!!」
メイドさんの今日の戯言
「ふっ……、いえ笑ってなど居りませんよ?」