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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
23/1098

 ど-16. まどーしょ?

精神汚染は、素人がやると危険です




「よお…て、どうした?」



「……旦那様、如何したとは一体何の事で御座いましょうか?」



「何って、今お前明らかに何か隠しただろ。本みたいだったけど…何だ?」



「…目ざとい事で。少々地上の方で見繕って参りました、何処にでもあるような魔道書で御座います」



「魔道書なんて何処にでもねえよっ。つか、それはマジ物の魔道書か?パチとかじゃなくて?」



「はい、それは確かな事です。これはそもそも魔道書ではなくとある事をする為の教科書として売っておりました。ですが私が中を拝見いたしました所どうにも魔道書であったのです。中に書かれているのは少々特異ではありますが確かに魔術…黒の領域に位置するものですね。これと似た構成の物を以前見たことがありますので」



「へぇ、そりゃ危ないな。素人が見ていい物でもないだろ。下手に暴走すりゃ大地の一部が死滅する可能性だってあるぞ、それ」



「はい、ですから私がこうして引き取って参りました。…いえ、決して私がこの本の内容を試したかったからではないですよ?そんなっ、旦那様私をお疑いになられるなんて酷いです」



「や、まだ何も言ってないから。で、その本の中身、具体的にはどんな事が書いてあったんだ?」



「……です」



「何だ、珍しくお前の声が聞こえなかったんだが?もう一度聞くけど何が書いてあったんだ?」



「精神汚染…いわゆる洗脳の類にあたるものが書かれておりました」



「………」



「………」



「なあ、一つ聞いていいか?」



「はい、何なりと」



「その本の内容に洗脳対象に真っ赤な飲み物を飲ませてその後に歌を聞かせるって奴、あるか?」



「旦那様、もしかしてこの本の内容をご存知なのですか?確かにそのような物が記述されていた覚えが御座います。真っ赤な飲み物とは恐らくサッシューの実とクリカラの根、後クルッポの耳にマヌカラの肝をすりつぶしたものでしょう」



「そう言えば料理部と医療部の奴等が丁度今言ったような名前の珍食材がなくなってたって嘆いてたな。…んで、なら日の出と共に怪しげな祝詞を唱えるやつは?」



「…旦那様、もしかして私をからかっておいでなのでしょうか?確かにそのような内容がこの本には記されておりますが…旦那様は果たしてどのような思惑で私にそのような事をお聞きになられるのでしょうか?」



「本当に分からないのか?つか今更分からないって言い切る気か?」



「旦那様、私は旦那様とは以心伝心では御座いますが出来るのならお声に出していただけると大変ありがたいのですが…それと旦那様は何を仰っておいでなのですか?」



「昨日、外から帰ってきた誰かが『お疲れでしょう、こちらをどうぞ?』などとほざいて糞不味い真っ赤な液体を俺に飲ませた上『たまにはこの様な戯れもよろしいのでは?』なんて嘘八百で不気味な歌を歌ったんだ。お陰で俺は夢にうなされた」



「まあ、それはそれは。この本の内容と似ておりますね。旦那様、どちらかから怨まれておいでなのですか?」



「もう一つ言うと今朝俺はただならない胸騒ぎに目を覚ました。脳裏に変な声が響いて来てたんだよ、なぁ?」



「…旦那様、私の事を無視なさるおいでですか?…それはとても悲しい事です」



「無視する気はないけどなっ、後が怖いから。んで、その“誰かさん”は一体何のつもりで俺に呪なんて物騒なものをかけようとしてたのかな?」



「はい、それは旦那様を私の望みの通りのお方にする為で御座います」



「即答かよ!?少しくらい躊躇えよっ!?」



「しかし思いの他…いえ、予想通りでしょうか、旦那様の抵抗が激しくその尽くが失敗に終わってしまいました。残念で…いえ、旦那様も立派になられたようで私は大変疎ま…こほん、嬉しく思いました。ですが、旦那様は私に嘘を仰れと、そうお言いになられるのでしょうか?」



「や、嘘とか本当とかより少しくらいは自己弁護したらどうなんだ、と俺は言いたいんだが…」



「私は事実無根の潔白の身で御座いますので、少しも疚しい所など御座いません」



「言い切ったよっ、言い切りやがりましたの、この人っ!?」



「何か問題でも?」



「………はぁ、いや、今更お前に言って意味あることなんてないだろうけどな。無駄だから俺は何も言わないけどな」



「寂しいものですね」



「何がっ!?…いや、これ以上場を掻き回すな何も言うな。でもな、敢えて一つ言わせてもらえば今回のは流石に一線越えてたんじゃないのか?魔道書に則った正式な形での魔術の精神汚染なんて冗談じゃすまない類だぞ?」



「私は魔術は慣れておりませんが…その尽くをご自分の妄想のみで防ぎになられたお方の言う事では御座いませんね」



「いや、せめてそこは妄想じゃなくて根性とか言おうよ?そんな事言ったら折角シリアスになりかけてた雰囲気が意味ねえし」



「ふざけた事を言うのはこの口ですか、えいえいっ」



「止めろって。で、俺的にはアウトな今回の話題、これでも結構怒ってるつもりなんだが――何か言い分は?」



「嫉妬です」



「そうかぁ、嫉妬か……ははっ」



「では、ご納得いただけたようですので私はこれで。術の完成度も見て取りましたしこの魔道書には既に用は御座いませんので、今度こそ封印して宝物庫へと沈めておきましょう」



「……て、んな言い訳通るわけが、既にいねえしっ!?はぁ、くそぅが。……………しかし、何だ。どうして今朝聞こえた声が『後もう少し、私に構ってください』だったのかねぇ?本質が呪の癖に必要以上に弱腰…大体予想はつくけどよ。あいつもなれない事するから。ったく、構って欲しいなら直接そう言えって」




本日の一口メモ〜


『魔道書』

マジックアイテムの一種で魔法を使う際の媒体。

一定までの魔法の使用が可能になったり、魔力増強、特殊な魔法を使用する際の世界に干渉する為の楔として用いられるもの。まあ、ここはひとつお勉強しましょ、て事で。


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