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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+幼女とご主人様
228/1098

ど-140. ま、悪くはないですね?


良くもない。



「今日はいい天気だなー。雲ひとつないし、お日様ぎらぎらだし」



「はい、そうでございますね、旦那様」



「……つか、暑すぎないか?」



「そうでしょうか?私には丁度良い気候のように思えますが」



「あぁ、そう言えば寒いのが苦手で暑いのがちょいと得意だったよな、お前。成程、納得、…っ、汗が目に」



「旦那様、失礼いたします」



「お、うん。さんきゅ」



「私は当然の行いをしているまでの事。礼は不要で御座います、旦那様」



「ああ、そっか。しかしお前、用意がいいな」



「いえ、それほどでも…。それにしても凄い発汗量で御座いますね、旦那様。拭いても拭いても拭い切れないとは正に旦那様を体現するのに最も適した言い様かと」



「それはどういう言い様だっての。あとな、つまりはそれだけ暑いってことなんですけどね?」



「旦那様、これほどの発汗をなされて、お身体の方は大丈夫なのでしょうか?」



「いや、大丈夫じゃない。つか、ちょっとくらくらしてきた」



「それは一大事で御座います、旦那様」



「の、割にはお前がいつもと変わりないように見えるのは俺の目の錯覚か?それとも気の所為か?」



「旦那様の正常な認識障害かと存じ上げます」



「認識障害て、それは正常って言えるのか?」



「旦那様が常日頃より患っております本質で御座いますので、恐らくは仕方のない事なのでしょう、私めには全く以て理解しかねますが」



「俺も理解できないけどね。あと一応訂正しておくけど俺は至って健康体だからな?」



「旦那様、お労しや」



「何が!?…っ、今くらっと来たな」



「そのように大声をお上げになられるからでは御座いませんか。もう少しお身体の方をご自愛くださいますよう、常々ながら申し上げさせていただきます」



「そもそも大声を上げさせるような事をさせたのは誰だ、と言いたい」



「旦那様はそれが私であると、そう仰りたいので御座いますね?」



「ちゃんと解ってるじゃないか」



「当然で御座います、私は優秀ですので」



「確かにお前は優秀だ。それは俺も重々に認めてやろう。……ただその優秀さが日頃に全然生かされてない気もするけどな」



「それは何とも悲しい事でございます。しかしながら旦那様にお認めいただけぬのであればそれは無為も同然の事。今後、より一層の尽力を尽くすとここに宣言いたしましょう。…しかし旦那様、本当にお身体の方は大丈夫なのでしょうか?少々、顔色が悪いように見受けられますが?」



「…ぁー、確かにそろそろ限界かもな。水、とにかく今は水分を補給したい」



「どうぞお飲み下さい、旦那様」



「お、随分と早いな。…その速さには若干の企てを感じないでもないが、背に腹は代えられないか」



「御安心ください、旦那様。企てなど、そのような事は断じて御座いませんとも。私はただ単に旦那様がお飲み物をご所望される事を期待した上で予めご用意させていただいたにすぎません」



「んくっ、んくっ、んくっ……かぁー、生き返る!!」



「良い飲みっぷりで御座います、旦那様。流石は旦那様」



「……で、改めて聞くが別に何か変なモノとか、入ってなかったよな?」



「旦那様の仰られる変なモノ、とはどのような事を指しておられるのかは皆目見当済みでは御座いますが、旦那様のお言いになられるような変なものは一切入っていないと、疑り深い旦那様の為に改めて断言させていただきましょう」



「そうか。お前がそこまで言うんだったら珍しく変なものは入ってないんだな」



「たった今混入したくはなりましたが」



「しなくていいからな。今も、ついでに次回以降も」



「それは残念」



「何が残念だ、こんにゃろめ。それはそうとそろそろ館の中に戻らないか?」



「何故でしょうか?こんなにもよい天気の日は庭の一角で日向ぼっこでもいかがでしょうか、と私は提案させていただきたいのですが?」



「お前は俺に日干しになれって言いたいのか?」



「いえ、そのような事は…」



「ああ、解ってる。今回に限って言えば至極真面目に言ってるだろう事は想像つくさ。でもな、無理」



「…そうですか」



「何ならお前だけでも日向ぼっこしててもいいんだぞ?」



「いえ、それはお断りさせていただきます。旦那様がお休みなられていない中、私一人がのんびりと過ごさせていただくなど、不徳の極み。とても行えるものでは御座いません」



「……つまり日頃の行いは全く持って不徳じゃないって事なのね」



「当然では御座いませんか、旦那様。私の日々の行いに果して何の不徳が御座いましょうか?」



「本気で言ってるんだよな、それ?」



「おかしな事を御聞きになられれます。当然ですが、何か?」



「いや、何でもない。それはそうと本当にそろそろ館の中に入らせてもらうわ。また少し頭がくらくらしてきた」



「それは大変で御座います、旦那様。それで旦那様、申し訳ないのですが…」



「ああ、言わずもがなってやつだ。良いぞ、お前の『不徳にならない程度』ゆっくり日和見でもしてるといいさ」



「……ありがとうございます、旦那様」



「何々。いいってコ――あら?」



「旦那様っ!!」



「――…ふ、不覚。もう少し、持つと思ってた、…けどな」



「ただちに救護班の手配を――いえ遅い、私が…!!!」





「ま、こんなのも偶には悪くはないか」





日頃の酷さに慣れているレムくんは暑さで倒れる程度は別段苦じゃありません。

…いや、それって何か間違ってない?とも思わないでもない。



旦那様の今日の格言

「自らの体調は常に認識すべし」


メイドさんの今日の戯言

「おろおろ、あたふた――…と、慌ててみました」


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