ど-113. 涙は男のくんしょー?
時には泣きたいと気だってあります。
「レム、大丈夫?」
「……」
「大変、レムが死ん――」
「ゃ、そのネタはもういいから」
「ネタ?」
「判らないならそれでいい。で、シャトゥ、久しぶりだな、おい」
「うむ。今回の事で我は大いに悟った。つまみ食いはよくない事だ」
「ああ、そうだな。あの後であいつからも散々叱られてたみたいだしな」
「……思い出したくない」
「まあ、いい経験だったと思えばいいさ」
「…うむ、此度の件で我も一つ大人になったと言う事?」
「そう言う事だ」
「……レムに大人にされてしまった」
「何故そこまで照れる。あと、その発言は頼むから止めろ。他の誰かに聞かれたら何故かただでさえ最近白い目で見られてる俺の立場が一気になくなる」
「大丈夫。レムの立場なんて初めからないから!…と、母様もよく言っている」
「あ、あんにゃろめ…」
「それにしてもレム」
「…あ、なんだ?」
「我が運んだアレ、アレは最早ヒトの食べるものではない。アレは何?たいりょーはかいへーきか??」
「…止めて。どうしようもなく落ち込んでくるから」
「うむ?」
「しかし、それをつまみ食いしようとしたお前は一体何なんだ、と問いたい」
「あれは我の不覚でした。この館で一番のレムがいつも食べてるモノだから見かけと違ってきっとおいしいって思って………、???」
「アレを見てもなおその発想ができるのは凄いが。と、言うか一応俺がこの館で一番偉いと言う事を解ってたのか、シャトゥ」
「うむ、日々母様もそう仰っている事だし。それよりレム?」
「何だ?」
「アレはヒトの食べモノではない。でもいつもレムが食べてる。…レムはヒトじゃない?」
「俺はれっきとした只のヒトです」
「でも、レムはいつもアレを食べて、ちゃんと生きてる」
「…………それなは、愛とか、根性とか、色々と大切なモノを無くしたりしながら日々頑張ってるんだよ」
「…レム」
「何だ?」
「我は今初めてレムをそんけーした」
「…ありがとよ」
「そしてレムの様には絶対にならない」
「…あぁ、きっと、それがいい」
「レム、強く生きて?」
「………無性に泣きたい」
「涙は男のくんしょー?」
「う、うぅ、うぅぅぅ……」
レムくんの食生活はそれはそれは想像を絶する酷さ立ったりします。全て天災料理人のファイさん手作り(笑)
毎日残さず食べてます。メイドさんの監視付きで。
旦那様の今日の格言
「日々、是大切なものをすり減らして往く事也」
女神さまの本日のぼやき
「我は誓おう。…レムのようにだけは決してならない、と」