12. どれいとお母さん
お久しぶりですこんにちわ
アル・・・しゃべれない、奴隷の女の子。正式名称、アルーシア
レアリア・・・山賊に襲われていたところをレムに助けられて(!?)奴隷にさせられた女の子。ツンデレ、ツン100%
ミリアレム・・・胸でかい。レムの元・奴隷。今はアルゼルイ教育機関で講師をしている。
サリア・・・宿屋の娘
サーシャ・・・サリアの母親。ちょtt阿波店坊さん?ミリアレムとは旧知らしい
マレーヌ・・・レムの奴隷の女の子。監視役?
「で、何か喋る気になったか?」
「……」
「黙秘ね。まあいいけどさ。ちなみに救援は期待しない方がいいぞ」
「……」
「救助ははじめから期待してないって顔だな。ちなみに今のお前の目的があくまで時間稼ぎで、別動隊とかいたとしても無駄だぞ、多分」
「別動隊がいるっていうの?」
「ん〜規模的に見て微妙だけどな。それにいるならこっちが別動隊って感じかな?出張ってくるとしたら多分、軍だし。まあ、順調に事が進んでるのなら今頃街が制圧でもされてるんじゃないか?」
「ちょ、なら何こんなところで油売ってるのよ!?街にはサリアだっているのよっ!!!」
「まあまあ、レアリアさん。少し落ち着いてください。レム様が仰ったようにそれはあくまで『順調に事が進んでいるのなら』という前提つきです。ですよね?」
「ああ。ま、別動隊なんているかどうかも定かじゃないしな。居たとしても大丈夫だろ」
「その根拠は何よ!?」
「ん〜、何となく?」
「そんなもの誰が信用できるっていうのよ!!」
「まあまあ、落ち着いてくださいレアリアさん。それにレム様も、煽るような事を言わないでください」
「俺は別に煽ってる気はないけどなぁ」
「…はぁ、相変わらず。それにね、レアリアさん。見てください、もし街が制圧されるような事になっていたら煙の一つや二つ上がっていてもおかしくないはずです」
「ふんっ、ろくな抵抗もさせずに制圧しただけの事だ」
「お、ようや別動隊がいること認めたな?」
「……」
「まただんまりか。まあいいけどね」
「〜〜っ、もうっ、レム!さっさと戻るわよ」
「え、あ、いやだから大丈夫だと…」
「それは単なるあんたの勘でしょ!!実際確かめに行った方が確実よっ」
「ちょ、ま、こら引っ張るな、つかミリアレム、お前何黙って見てるんだよ!?少しは助ける素振りを――」
「アルちゃんとこの人たちの事は任せてくださって結構ですよ〜」
「ほらっ、ミリアレムさんの許可も出た!さっさと行くわよ!!」
「んな、この薄情者ー!!」
◇◇◇
「ほらな、何も起きてなかっただろ?」
「…そうみたいね。でも何も起きてないって割には騒がしいみたいだけどこれはどう説明する気?」
「お祭りか何かじゃね?」
「そんなわけ――」
「レ、レムさん!?」
「ん?…おぉ、誰かと思えばやっぱりサーシャじゃないか。元気だったか?」
「はい、私は元気でした…じゃなくて。いらしてたんですか!?」
「ああ、ちょっと前からな」
「――」
「ん?どうした、サーシャ?」
「サ、サリア…娘はその事を?」
「当然知ってるぞ、つか今俺が泊ってるのってお前の家だぞ?そう言えば見かけなかったけどどうし――」
「お願いしますレムさん娘は、どうか娘の事だけは見逃して下さいお願いします!!」
「――た、て、ちょ、待てサーシャ一体何の事かさっぱり…」
「わ、私でしたらなんとでもしてくださって結構です。ですから、どうか娘だけはご勘弁を…!」
「訳が分からん、そして土下座するな。……そしてレアリア、その目は何だ?何か言いたい事があるなら言ったらどうだ?」
「黙れ犯罪者。それと白状しなきゃいけないのはあんたの方でしょうが。レム、あなたこのヒトに一体何したのよ?」
「何と言われても俺にも全く見当が…おい、サーシャ、頼むからちゃんと解るように言ってくれ」
「ひっ!?」
「…思いっきり怯えられてるわね」
「言うな。悲しくなってくる。つか本当に心当たりがさっぱりなんですけど。サーシャ、頼むからちゃんと説明してくれ。このままじゃレアリアの俺に対する評価が地に落ちる」
「もう遅いわ」
「――…だ、そうなので。頼むから、切実に説明を求める」
「あ、あの、レムさん。本当に心当たりがない…んですか?」
「ああ、全く。つか何故にそこまで怯える。前に会った時はこんなじゃなかったよな?」
「はい。でも、あの時はまさかレムさんがあんな人だなんて思ってもなくて…」
「そこだ、そこ。あんな人って言うのは具体的にどういう意味なんだ?」
「……あの日、レムさんがこの街を去ってから少しして、凶悪犯の手配書がギルドから街全体へ回ってきたんです」
「へぇ、わざわざギルドから街の方に手配書回すなんて珍しいわね。それってもしかしてよほどの大犯罪者?」
「はい、いえ、その…その者、女子供を見境なく襲っては口にも出せないような非道の限りを尽くすという事で注意をするように、との事、でした」
「……待て。今俺ははっきりと話の筋が見えた。それ以上は言う必要ないぞ、サーシャ」
「ちょっと、話の腰を折らないでよ、レム。私にはさっぱりなんだから。…でもおかしいわねぇ。そんな外道なら私もちょっとくらい話に聞いててもおかしくないはずよね?でも初耳だわ」
「その、懸賞金の方が………ちょっと少なかったからではないでしょうか?」
「少ないって、いくらくらい?」
「子供のお小遣い程度、だろ?」
「は?レム、あんた何を馬鹿な事言ってるのよ?そんな額の賞金首なんているはずないじゃない。ですよね?」
「はい。確か……もっと下だったはずです」
「……はい?」
「――あぁ、そっか。あの時はそこまで額が下がってたのか。確かパンの耳一つくらいの値段だったかな?」
「!!!レムさん、心当たりがあるという事はやっぱり…」
「いや待て待てサーシャ。アレは誤解だって。確かしばらく後で王族の名前で手配書の取り消しが――確かリリアン・アルカッタあたりの名前でヒト違いでした、って事になったはずだぞ!?」
「リリアン・アルカッタて、どうしてここでそんな大層な名前が出てくるのよ…?」
「それはちょっとした縁があって…て、それはどうでもいいとしてだ」
「良くないわよっ!!」
「良いんだよ。とにかく黙れ、レアリア。ご主人さま命令だ」
「――っ!!…ひ、卑怯者っ」
「俺としてはそれだけ切羽詰まった話題なんだよ、これ。ほんと一体どれだけ世界に浸透してるんだって感じだなおい。…で、だ。サーシャ、だからあれは誤解であって、別にサリアに手を出すとかそう言う事は一切ないから、な?」
「でも…」
「えぇい、まだ言うか。だからあれは冤罪、はい、これでこの話題は金輪際終了だ。いいな?」
「……」
「そんな、何か言いたそうな目をしてても聞く耳持たないからなレアリア。それよりもサーシャ、何か急いでたみたいだったけど、何があったんだ?」
「――っ、そうよ。そもそもそれが知りたかったんじゃない!!あんたが下らない事に話をそらすからでしょ!?」
「いや下らないって……まぁ、敢えて言及はしまい。突っ込んでも藪蛇になりそうだしなぁ。んでサーシャ、……て、どうした?」
「……そっ、そうでしたレムさん!!実は皆さん騒いでて街の外れに沢山の軍隊が…それにマレーヌちゃんとサリアが…!」
「待って、落ち着いてよ。それじゃ何の事だか分からないわよ」
「ふむ、つまり街の外れに軍隊が現れて、それで街は今この騒ぎ、と。それでマレーヌが軍隊のいる方に向かって行ったのを偶然か、サリアが見つけてその後をついていったと。それを偶然サーシャは見たというわけだな。うん、分かった」
「ちょ、何で今のだけで判るのよ!?て言うより本当にそれで合ってるの?」
「信用ないな。ちゃんと合ってるぞ。なぁ、サーシャ?」
「え、あ、はい。確かにその通り…だからレムさん!マレーヌちゃんが危険なところに行ってしまったのですよ、何をそんなに落ち着いて…」
「ん〜…ま、大丈夫なんじゃね?」
「そんな、まだあんなに小さな…サリアと同じくらいの歳の子なんですよ!?それが所属も分からない軍隊の方に向かったなんて、それにサリアだって一緒に…」
「ああ、ちなみにあの軍隊はカトゥメ聖国の奴らな。良く見れば国旗で判別つくはずだぞ?」
「そんな、カトゥメ聖国だなんて、どうしてカトゥメ聖国が…」
「さて、本当にどうしてなんだろうなぁ?」
「レムさん!先ほどからっ、マレーヌちゃんや、もしかするとサリアも危険なこの時にレムさんはどうしてそんなに落ち着いて…」
「いやぁ、でもな。マレーヌだし」
「レムさん、あなたと言う人は……、!そうでしたレムさん、ストマトさん、ストマトさんはおられないんですか!?あの人なら…」
「ストマトって、誰だ?」
「以前お会いした!綺麗な“白い”髪のメイドの方の事ですよ!!」
「……あぁ、あいつの事ね。そう言えばここにいた時ってそう名乗ってたか。あいつなら今はいないぞ。うちで寂しくお留守番」
「そんなっ…」
「今頃は一人寂しく花占いでもしてるんじゃないのか?」
「あぁ、サリア……、待っててね、今お母さんが助けに――」
「いやサーシャは少しは落ち着け。何しようとしてるのかは想像つくけど、仮にお前一人が軍隊に向かっていったりなんてしたら結果なんて分かり切ってるし。それに余計な刺激は与えない方がこの街の為にも賢明だぞ?」
「……ねえ、レム」
「何だ、レアリア。あぁ、ほっとかれて寂しかったのか。でも心配いらないぞ、ちゃんとレアリアの事だって――」
「あんたの脳内設定はいいからっ!」
「……そうですか」
「なに落ち込んでるのよ?で、ね、レム。正直まだ事態が完全に判ってないけど、サリアともう一人同い年くらいの子が軍隊のある方に行っちゃったんでしょ?つまり助けに行かなきゃって事よね?」
「いや、まあそれで合ってはいるんだが、でも、なぁ…?」
「それだけ分かれば十分よ!なら急いで助けに行くわよ、レム!!」
「ちょ、レアリア。でも二人ともきっと大丈夫って」
「その根拠は!?」
「俺の勘……って、レアリアさん!?だからまた腕を引っ張っていくのは止めていただけるとありがた――」
「うるさい!文句があるなら黙ってついてきなさい!!」
◇◇◇
「…処でレム、ひとつ聞きたいんだけどいいかしら?」
「何ですか?と言うより地面との摩擦で引きずられる身体がひりひりと痛いのですが?」
「そんな些細な事はどうでもいいから」
「よくないです」
「それでマレーヌって言うのはそもそも何なの?サリアと同い年くらいの子、なのよね?」
「ああ、俺のちょっとした世話係みたいなもんだよ。最も本人は監視役のつもりらしいけどな」
「へぇ……そう言えば前々から思ってたけど、あなたってどこかの貴族だったりするの?」
「いや、俺はごく普通の一般庶民だが、どうしてだ?」
「あなたみたいなのが一般庶民ってどれだけ……いえ、だってお金の羽振りはいいし、それに監視役って、」
「まあな、俺にも色々としがらみみたいなモノがあるのですよ。…聞きたい?」
「全く微塵も、これっぽっちも。…無駄な話をしたわね。っと、急ぐわよ、レム」
「ちょ、だから引っ張らない、せめて自分の足で…!痛っ、頬が、地面が…!?」
多分、ほとんど覚えていないだろうから長々と。
…前書きが長かったです。と、言うより本当に久しぶり。書き方が変わっていないか少し不安です。
レムくんはいつもこんな感じ。
メイドさんはいなくてもメイドさん。今頃はレムくんの大事にしている花壇で花占いでもしておられるでしょう?