ど-105. 決闘状とカチ込みで色々と場が混乱しております
決闘状、それは叩きつけるもの。
今、雌雄をかけた二人の血戦が行われる……の?
「レム、けっとーを申し込む!」
「…は?」
「けっとー、けっとー、けっとー!!」
「けっとー?…あぁ、決闘の事か。……え?」
「レムはこの住処の主らしいな!つまりレムに勝てば私はここの神になる」
「…いや、正直なところどうかな、と最近になって思うようになってきた。俺が主人、ね。ふっ、懐かしい響きだぜ」
「レム?どうした、何所を見ている?向こうに何かあるの?」
「いや、ちょっと遠くを見て過去の感慨に耽っていただけさ」
「そう。これが母様が言っていた現実とーひ。うむ、確かにレム、バカみたいだった!あははは」
「ぐっ!?」
「…、所でレムも笑われて喜ぶなんて変なの」
「……いや待て、」
「何?」
「その笑われて喜ぶ、の件は一体何だ?いや、そう言えば前にも似た事を言ってたよな、あいつか、そうかやっぱりあいつなのかっ!?」
「ひうっ!…レム、怖い」
「っと、悪い。ついヒートアップしてしまった」
「それでレム、我を襲う算段はついたのか?」
「は?」
「どきどき」
「何をそんなに期待した目で見てくるのかは知らないが、取り敢えずその妄想は捨てておけ」
「レム、我を弄ぶ気だ!!」
「断言!?そして誤解だ!!」
「でもそれもいいかも」
「肯定された!?あ、あいつは一体どんな教育を施してるんだ…?」
「母様は偉大だ。そんな母様を我は誇りに思う」
「いや、あいつが偉大つーか、規格外なのは知ってるのだが。いつも口を酸っぱくして言ってる事だが、シャトゥ、絶対にあいつの言う事を鵜呑みにするんじゃないぞ?」
「うむ?母様の言った事を吟味しろ?」
「そうだ。あいつの言葉を全て鵜呑みにしてたら一体どんな恐ろしいモノが出来上がるのやら」
「我は恐ろしいのか?」
「ああ、かなり……つーかな、シャトゥ?それはお前があいつの言った事を鵜呑みにしているって事でいいのか?」
「母様がいつも言ってるから。レムの言う事には必ず裏があるから気をつけろ、って。母様の言う事に間違いはないからな!」
「その言葉自体が既に重大な間違いである事に何故気付かない」
「そしてレムは自分を正当化するために必ず否定するとも言ってた」
「行動読まれてる!?」
「母様は偉大だ。レムなど恐るるに足らない」
「まぁ、あいつに比べたら?……って、あいつに聞かれでもしたらまた非難されそうな内容だな」
「??」
「あ、いや、シャトゥには関係のない話だから分からなくていい」
「そう?」
「ああ」
「分かった。…なら改めて」
「ん?」
「レム、けっとーを申し込む!」
「ああ、そう言えば大いに話がそれてたけどそもそもその話だったっけな」
「ふっ、我が怖いのか?」
「…ゃ、その過剰な自信は一体どこからくる?」
「母様が言ってた!我とレムがけっとーすれば必ず我に軍配が上がると!」
「…ほぅ。で、その理由は?」
「レム、何か怖いぞ」
「いいから。シャトゥ、その理由は?」
「我には必殺の武器がある!」
「武器?何かを持ってるようには見えないが?魔法…とかは教えてなかったよな?」
「うむ。赤い服着たお爺さんは知らない。だが問題ない。何故なら“女の武器”だからだ!」
「…はあ」
「信じてない!?」
「いや、だって…低い背、平らな胸。二次性徴もまだな体つきで一体何をどうすると?」
「よくじょーした?」
「全く」
「母様が言っていた事に間違いはない?」
「間違いだらけだと……あぁ、いや、ある意味で的を得てるか。俺とお前が決闘したらどっちに軍配が上がるかって」
「我の勝ちだ!」
「ま、そうだな。お前にはでっかい、返し切れない借りがあるからな。どうあがいても俺が勝てる見込みはない」
「???レム、何の事?」
「いや、なんでもない。気にするな」
「う、うむ?」
「それはそうと、決闘だったな、シャトゥ?いいだろう」
「我に神の座を明け渡すのか?」
「いつから神の座云々の話になったのかは知らないし、あったとしてもお前に座らせる気はないが…」
「レム?」
「こう言う時は逃げるが勝ちと決まっている。決闘?誰がんなもの受けるかっ!」
「…レムが逃げた。…ふむ、これは我の勝ちでいいのか?……やたー我が神だ!」
色々と言動に問題があるシャトゥ(本名:シャトゥルヌーメ)ですが、本人自覚ないです。
魂が奮える、心奥底の叫び〜と言うやつです。
むしろ常に本能に従って生きている?
旦那様の今日の格言
「三十六計逃げるが勝ちってな」
女神さまの本日のぼやき
「世代交代……いいイビキ?」
(注意:響き、の間違いです)