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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
【スィリィ・エレファン編】
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ACT X. ???-故に喜劇は終わりなく-


今回はちょっと判りにくいかも?

…と、自分で思ったり、です。

「あぅあぅ、でもでも、女の子にとって自分で自分の身体を傷モノにしてしまうのは何と言いますか、色々と葛藤が…」



「あーもうっ、既に自分で、しかも全力120パーセントでやっておいて今更何言っちゃってるかな、この娘はっ」



「で、でもですね?やっぱりほら、決戦の雰囲気みたいなモノとかってあるじゃないですか。そっ、それに全力を出さないと逆に私がやられちゃうんですから、仕方ないじゃないですか」



「否定はしないけどね。ならそんな愚痴は言わないのっ」



「でもでも、それとこれは別と言いましょうか…」



「そんなに気になるんだったらレム兄様にでも診てもらえばいいんじゃないのかな?レム兄様ってばその手の事に無駄な位……いや、本当に無駄に知識持ってるし」



「〜〜っ、そんな、はしたない事っ」



「ああもうっ、これじゃ堂々巡りだよ〜」



「うぅぅ、何とか出来ませんかぁ?」



「だから私には無理だってば。そ・れ・にっ、あのこっぱずかしい祝詞は一体何なの?」



「ぇ、あ!…あ、あれはですね、ちょっぴりと自分に勇気が持てるおまじないと言いますか、やる気を出す為の自分へのご褒美の前借りみたいなものでして…」



「――…ふーん」



「て、え、あのですね?だからって別に抜け掛けみたいなものじゃなくてですね?」



「いや、うん。別に怒ってるつもりはないからそれはいいんだけど……可愛いなぁ、ラライちゃんは」



「えっと、あの、その…」




騒がしい。




「うくくっ……て、およ?起きたみたいだね」



「え、あ……」



身体が動かない?



「うん、悪いけど完全に拘束させてもらったからね。本人の承諾もあったからそれはもう、悪戯し放題なくらいに、ね?」



「い、悪戯はダメですよ?」



「多分ね〜」



「だ、ダメですってばっ」



「あははっ……と、言うわけだから今度は抜け出せるなんて思っちゃ駄目だよ?」



“点睛”の力、それに本来のこの肉体の持ち主の器が承諾しているとなれば、抜け出せないと考えるのが妥当。


完全に囚われた、か。



「貴女の負け――と、言うわけだから観念して“灼眼の因果”を終わらせるつもりはないかな?これ以上手荒なまねって言うのはしたくないんだよね。それに今君が使ってる体は君のものであって君のものじゃないから」



「無理ですよ。負けた程度で大人しくなってくれるのなら彼女は既に諦めています」



「それは…自分の事だから分かるのかな?」



「はい。一度や二度程度、三度や四度、五度六度七度……」



「あ、あの〜?」



「百度二百度三百度、一万五億六兆……」



「えっと、その…?」



「――と、何度負かしたところで“彼女”の意志を折る事など無理です。それは私が保証します」



「そっ、そうなんだ」



「はい」



「ならどうしよっか?」



「今までと同じように私の中で説得し続けます。睡眠時間が削られますけど……我慢します」



「あー、ナルホド。ラライちゃんってもしかしてそれでいつも半分眠ってたの?」



「…お恥ずかしながら」



「納得納得」





「では――最後通告です。身体を返してもらえませんか?今なら穏便に済ませられます」



断る。



「…やっぱり。なら仕方ないですね、少し痛いかもしれませんが、力づくで取り戻させてもらいます。………うぅ、だからって自分の身体を傷つけるのは。夢が遠のいていく気がします」



貴女にできる?



「今更命乞い?…いえ、貴女達にそんな感情はありませんでしたよね。なら何を企んで……」



「…ぁ」



「何か分かったんですか?」



「まぁ、確かに今回は色んな子達がいた気がするけど………うん、判っちゃったよ」



「な、何ですか、その出来れば判りたくなかった、のような嫌な雰囲気は。や、止めて下さいよ」



「でも、ねぇ?ほら、気づかないかな、と言うよりよく今まで気づけなかったよね、私たち。この空間の“力”。密度が濃すぎて逆に当てられちゃってたのかなぁ?」



「“力”?……ぁ」



今回は本当に豊作だった――神の軌跡を辿れるほどに。これをヒトの器にすぎない貴女が御し切れるか?



「それは……」



悪い事は言わない。全ては泡沫の夢だから。私に任せて貴女達は大人しく引っこんでいるといい。



「「――」」






「…これは、参ったね。下手に扱うわけにもいかないし、どうしようか?」



「御姉様なら何とかできると思いますけど…」



「う〜ん、今回ばっかりはお姉ちゃんは期待できないってレム兄様からはっきりと言われちゃってるしなぁ。私たち二人で協力し合えば何とかならないかな?」



「難しい、と思いますよ。使徒と神では、それこそ次元が違ってますから」



「なん、だよねぇ。………どうしよ?」



「どうしましょ――待って下さい。誰か迷い込んできたみたいです」



「誰か?ミミルッポ達かな?」



「…いえ、違うみたいです。これは……」







「アレはダメだ。ダメです。私を否定した。何が冰頂か、何が使徒ですか。あんな毒婦……くそがっ、くそがっ、くそがっ」







「うわぁ、何あれ。目が逝っちゃってるよ?」



「しかし龍種の生き残り……まさか今回はこんな大物まで取り込んでいたんですか」



「それにスィーカットに、聞いたところによると“冰頂”も?ついでにスフィアの血統や潜在魔力だけはお姉ちゃん並のファイまでいるって言うんだから、それはすっごい力が集まっちゃうよねぇ〜」



「早く対処しないと。これ以上力が集まると本当に取り返しのつかない事になります」



「って、もしかしてまだ“意図”と“揺籠”による力の吸引と接続とか増幅とか、続いてるの!?」



「えぇ、これが厄介なところでして。“因果の意図”は彼女とは完全に独立して働いていますから、彼女を黙らせても終わる事はないんです。このままでは集り過ぎた力が“暴走”を起こして大変な事に――」



そうはならない。私がすべての力を使って彼女を取り戻す。



「まだそんな事言ってるんですかっ!?死んだものは生き返らない、それがヒトであれ使徒であれ、例え神だとしても無理なんです!!」



そんな事はないっ!!私は彼女を絶対に取り戻すっ!!



「このわからず屋!!」



私の想いが貴女に解るかっ!!



「私は貴女でもありますっ、解らないはずないじゃないですかっ!!」



ならどうしてそんな事を云う!?



「だからこそですよ、どうしてそれがわからないんですかっ!?」



彼女のいないこの世なんて、解るはずがないっ!!



「いつまでそんな駄々っ子みたいな事を――」



何を――








「いや、ね。今は口論してる場合じゃないんだけど、なぁ…」




「そうだ。力…力です。力があれば何だってできる」




「ん?あぁ、君。こっちは今ちょっと取り込んじゃってるんだ。だから、うん、君は今すぐ元の場所に返してあげるからね。…ほんと、こんなところに迷い込んで来たんだから君は運がよかったよ?」



「そう!そうだ!!力だ!!力が全てだ!!!私を認めさせる、力が、力さえあればっ!!!」



「って、相変わらず逝っちゃってるし、聞いてないみたいだね?まぁいいか。フォローは私の仕事じゃないしっ。それじゃあ、直ぐに“因果の意図”の外に送ってあげ――」



「力っ!!ちからっちからちからちからちからぁぁ!!!!そうだ、力だ!!そしてここにはこんなにも力が、“私の”力がいっぱいあるじゃないかぁぁぁ」



「――、ぇ?」




『っ!?』









瞬間、口論していた二人は同時に振り返って、今まで気にも留めていなかった侵入者へと目をやった。


「あひゃ、あひゃひゃひゃひゃっ!!力、ちからだぁ、私はこの力全てを飲み込んで……そして世界のすべてに私の事をみとめさせてヤルッ!!!!!!!」


男は嗤って、そして既に狂っていた。


そして何より、いつの間にか男の手の中に握られていた小さな枝――どこかから拾ってきたようなソレが空間に満ちていた“力”を貧欲に、只管貧欲に飲み干していた…まるで底などないというように。


何の変哲もない小さな枝はただ喰らい、喰らい、喰らい、全てを喰らい続けていく。


一目見ただけでも解かる――明らかに異常な物質、特異な存在、在ってはならないアーティファクト。


凡俗など歯牙に掛けぬ、世界の最強にすら列なる二人はそれでもその一瞬、ただ魅入る事しか出来なかった。それほどまでに珍しく、危険極まりない存在。



「あれは、まさか――…うそ。私でも初めて見るよ」


「…最悪ですね。この期に及んで次は龍種に、よりにもよって『聖遺物』ですか」


いい、いいぞっ、神も私に味方しているっ。聖遺物――こんなものさえもあるなら、彼女はきっと


「貴女は、まだそんな――っ」


その先は言葉にならなかった。





「さあ、咲き誇りなさい――世界呪≪ユグドラシル≫!!」



歓喜に溢れた男の叫びが、全ての空間を破砕した。




懲りずに???にしている、意味もない題名。

気まぐれでつけてるようなものなのでお題に大した意味はないです…そのはずですよ。


ラライさんは強かった!と、わけもわからず意地を張ってみる。

と、スィリィ嬢とは全く関係のないところで一難去ってまた一難、というわけです。…スィリィ嬢の意味ってあるのかな、と思わなくもない最近。



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