表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
【スィリィ・エレファン編】
155/1098

ACT XX. スィリィ-15


…もう15回


スィリィ・・・ただいまちょっと防戦中

ファイ・・・天然さん…でもない事を願いたい

エレム・・・エルフの少女……えるふ?



あれ?



「すすすスィリィさん!?」



「……なんていうか、ごめん?」



「それはいいから助けてよー!!!」



「いっ、今いきますファイさきゃぅ!?」



ファイがエレムを助けに行こうと走り出して、こけた。……大丈夫、この子?



「ふぁ、ファイ大丈夫!?」



「……ちからがはいりません〜」



あ、そう言えば魔力枯渇してるだったわね。と言う事はこけたんじゃなくって、力尽きた?



「よかった……じゃなかったよー!?!? ひゃっ、くすぐった……そこ、だめぇ……」



「エレム様!?」



「ゃ、だめそこ、さわっ……だからくすぐったいって、あはは、はははっ?!?!」



「エレム様、今お助けに……ふにゃぁ」



あ、今度は立ち上がることなく力尽きたわね。



「スィリィさ、ははは、助け、うくくくくっ、もうやぁぁあははははっ、ひゃんっ!?」



「すぃ、スィリィ様〜」





「……あー」





何だろ、この空間。


いや、悪いのは私だって分かってますよ?そもそも私が魔力弾なんて放たなければこんな状況にはなって……なかったとも言い切れない節があるんだけど、少なくとも今こうなったのは私に原因がある。


けど、ねぇ? 何でこんなに緊張感がなく感じるんだろうか?





私が放った魔力弾が赤い糸に着弾した瞬間、どんな効果かいきなり赤い糸が膨張した。……まるで私の魔力を吸収して大きくなったように感じられた、けど。


で、そうして膨張した糸は絡みついていたエレムを呑み込んで、一気に……何だろ、揺り籠? みたいなものになって今は空中に浮いている。


一方、ファイは糸が膨張した際に弾き飛ばされたみたいで、私たちから少し離れた距離のところで地面にへばりついている状態。……ある意味、まだ意識を保ってられるのが驚きではあるんだけどね。


ちなみにエレムは首から上だけが見えてて、赤い糸がエレムのどこを触って何を擽っているのかは不明。早急な危険性は笑い死にくらいしかなさそうだから一安心?よね。





でもこういう場合どうすればいいのかしら?


……私の知らない知識の中にも これが“因果の意図”と言う名前の魔術である事以外の情報はないし。さて、どうしたものかしら。


と、思い悩む時間もなかった。



「とぅえ、て、え? え?? え???」



「スィリィ様! あの赤い揺り籠みたいなモノ、何か光ってます!?」



「見れば分かるわよ!?」



「ちょ、ほんとに助け……あわわっ」



「エレム様! 今参りま……はぅ〜」



「ああもうっ、ファイは無理しないっ!」



「ですが〜」



「いいからっ、ただでさえあなたは魔力が枯渇してて危険な状態なのよ?」



「でも、エレム様が……」



「二人ともっ、良いから早く私を助けてよー、何か光ってて臨海寸前? って危険な感じだよ?!?!?」



「分かってるわ、待ってて今助けに」



「ひゃうんっ!? そ、そこ弱、ひっ! ゃぁ……強く、駄目……」



「スィ、スィリィ様、早くしないとエレム様が大変な事に……!?」



「ゃ、やだ、もう私お嫁にいけな……」



「え、エレム様諦めないで下さいましっ!」



「ふぇ〜、ひゃ、ひゃぁ〜」



「え、エレムさ、……きゅぅ」



「ふぁ、ふぁい!?」



「……」



「返事がない、シカバネの様だ……じゃないよ!? ファイ? ファイ!? ふぁあははははははっ!?!?!?」



「……」



「ちょ、だからそこ弱……許しうぷぷぷぷぷぷっ」





「……あー」





なんでだろう、今はかなりの緊急事態のはずなのに。なんだかもうぐたぐだ。


このまま放置してても大した事にならなさそうな気がするのはどうしてだろう?



……って、だからって放っておくわけにもいかないわよねっ!



「ええいっ、こうなったらダメで元々! 万物の基、全ては塵に、総ては闇に――……凍てつけ、グロシャルエペクゥ!!」



“私”なら詠唱なしでも使えるはずの魔法――青の世界を解き放つ。



全てを凍て付かせて、総てを停止させる、無慈悲なる“青”。私の放った青い世界が糸に覆われていた赤い世界を侵食していく。



おぉ? これはもしかして結構いけてる?


……正直私の“知らない知識”だったから使うのはもちろん、効果がどの程度あるのかを知るのも初めて。


いや、ちょっと待ってよ。でも下手するとこれって極上級並の威力を持ってたりしない?



私が唖然とする中、赤は次第に消えていって……ほどなく、世界の全ては青に染まりきった。



「はは、はは、は……」



顔が引きつっているのが分かる。


て言うよりもこの魔法、いったい何なのよ? 今までは私の“知らない知識”の事を深く考えようとはしなかったけど、これほどの威力の魔法を知ってるとなれば話は別よ。



“私”って、一体、何?


その問いかけに答えてくれるモノはいない。



ただ唖然とする中、



「……ぇ? あ」



油断したのは、気を抜いたのは私が自分の魔法の威力に唖然とした、本当に一瞬だったはず。


そのほんの、一瞬に。




青の世界は消え去って。




赤の世界が視界をいっぱいに染めて。




――ようこそ、“応報の揺籠”へ、“因果の意図”に絡められし方々



私は、見知らぬ世界に立っていた。





気がつけば15回。長くなりすぎな気もする今日この頃。そろそろ本編…と言うよりレムくんとメイドさんとの掛け合いに戻りたいと感じてきております。


次回より怒涛の展開を向かえる!……と、良いなぁ、と願っておりましょう。


ミミルッポ、昼食中。

ラライ様、企み中。

スヘミアちゃん、探索中。

レムくん、お昼寝中

メイドさん、観察中。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ