ACT X. ??? -写し世に在る鏡のように-
眠
「ねえ、どうしてこんな事をする?」
――彼女の、『トモダチ』の笑顔が見たから
「うん、それは聞いた。でも解っているよね?」
――何を?
「この方法が間違ってる事。それときっとその『トモダチ』はこれじゃ笑ってくれない事」
――それでも、私には他に術がない、そもそも私にもどうすることもできない。私は私であって、正確な私ではない
「うん、それも知ってる。だから、二人で止めよう?」
――それはできない。私は、彼女が困ると解っていても彼女をを取り戻したい
「私は止める。私を」
――無理。貴女には何もできない
「そんな事はない。私なら何だってできる。そう、あの人が教えてくれた」
――あの人の言った言葉がそんなに信じられる?
「貴女は……やっぱり信じられない?」
――信じてもいい、とは思ってる。でもヒトには間違いと言うものがある
「貴女の言う“彼女”がどこまで信じて、死んでもまだ信じ続けているとしても?」
――……それを言うのは卑怯だ
「ごめん。でもそう言う事でしょう?」
――でも今回ばかりは無理。私自身の事だから、分かる。それに身体を完全に乗っ取られている貴女に何ができる?
「私の事だからこそ、分かるものもある。……“応報の揺籠”を逆手に使う」
――そう。でも地力は向こうが上、その上負ければ貴女は消えて、完全に私に乗っ取られる事になる。それでもまだやる?
「うん、やる。それに貴女は私を見くびってると思う」
――そんな事はない
「ううん、見くびってる。はっきり言わせてもらうけど寝惚けてない私は、――強いですよ?」
――そう言うなら、精々見せて貰う。彼女が信じて、貴女の言う、ヒトの強さ、可能性と言うもの
「今まで何度も見てきてまだ信じられないのなら私が信じさせてあげます」
――精々頑張って、これが今生の出会いとならないように
「大丈夫、私は貴女に……貴女の劣化品なんかに負けたりしませんよ。それに私には夢があるんです。それが叶うまでは死んでも死にきれませんから」
――夢…………ああ、あれの事?
「何ですか、その呆れた感じは? 印象悪いですよ」
――だって、何が『夢は世界一のお嫁さん』なの?
「……いいじゃない、夢なんだから。いいじゃないですかっ!?」
――悪い、とは言ってない
「言ってるようなものです! 呆れてるじゃないですか!?」
――……うん、その元気で、必ずまた会おう
「……では行ってきます。自分の身体を好き勝手にされるというのは、たとえ貴女であれいい気はしませんからね。そろそろ返してもらうとします」
――ヒト、か。私には未だに貴女やあの方があの時見ていたものが解らない。判るのは、貴女の笑顔がないこの世界がどうしようもなく色褪せて見える事だけ
済みませんが、今回は眠いので短いです。
あと、何か最近生きる気力とカその他色々のモノをなくしそうです。
…睡眠をとってMPを回復せねば。