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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
15/1098

2. どれいとアメ玉


毒電波受信中……、毒電波受信ちゅ…――ピーガガッ




「つー訳で今からお前と二人、徒歩で俺の家まで帰るんだが…」



「………」



「もう一度聞くが…お前、本当に喋れないんだよな?」



「………」



「せめて頷くなり何なりして答えてくれると嬉しいぞ」



「………」



「ゃ、自分で言うのもなんだが質実剛健を地で生きてるのに何故か日頃から酷い目にあっている俺だが無視はされた事がないんだ。慣れない所為か結構傷つく。頼むから何か反応を示してくれ」



「………」



「ほら、飴だぞ〜?いらないか〜?」



「………(じー)」



「お、やっと食いついてきてくれたか。ん?大丈夫だぞ、確かにこれはお前だけの物だ。安心して食ってもいいぞ」



「………(ひしっ)」



「まあそう慌てるな。欲しくなったら適度に買ってやるから」



「………」



「ん…ああ、なるほど、俺が食い物で釣ろうって見えたか?」



「………」



「あながち間違いでもないけどな。心配するな、少なくとも俺はお前の危害になる事は一切させないからさ」



「………」



「信用出来ないか?ゃ、そんな全くの無表情で見詰められても返答に困るだけなんだが…」



「………」



「はぁ、仕方ないか。ここだけの話だけどな、誰にも…これから向かう先にいる馬鹿丁寧な言葉を喋る女には特に言うなよ。そんな話して回る事じゃないからな」



「………」



「反応が無いのが寂しいんだが、仕方ないか。そう言えばあいつも最初はぎこちなかったか…っと、これはお前には関係ない話だな、悪い」



「………」



「あー、それでだな。こうも俺がお前に無条件に好意を向けてる理由だけどな、昔…ああ、本当に昔だな……お前にそっくりの奴がいたんだ。何もかも、あいつの生まれ変わりなんじゃないかって、この俺が本気で思ってしまうほどに、似てるんだよ」



「………」



「ああ、いや返事が無いから分からないが、確かに代用にされるのはあんまいい気分じゃないよな。でもな、だからって俺にはお前を見捨てる事はもう出来ないんだわ。それでも理由が足りないんなら一応建前としてのやつもあるぞ」



「………」



「その、お前の四肢に刻まれた“刻印”だ」



「………」



「ああ、知ってるとは思うが“隷属の烙印”って呼ばれてるやつだな。それが在る所為でお前は種々の制約が出来て、奴隷に“認定”されたわけだ」



「………」



「詳しいことはまだ言えない、というかお前は知らない方がいい。敢えて一つだけ教えておくとすれば普通“刻印”は胸に…心臓の辺り現れる、それも一つだけだ。ただ無条件の好意が受け取れないってんなら単に俺にもお前を縛るだけに足る理由があると覚えてくれればいい」



「………」



「ああ、もう。本当に反応ねえな。反応したのはあの飴くれてやった時だけか」



「………(ぴく)」



「ん?」



「………」



「………(じー)」



「………」



「ふむ。さて、ここに取り出したりますは拘り抜いた至高の菓子――」



「………(じー)」



「ふ、ふふっ。何となくだが判ってきたぞ。しかし甘い物に惹かれるとは、お前もやっぱり女の子だな、いや、歳相応って言った方がいいのか。“刻印”(こんなもの)がある所為で……悪いな」



「………」



「しかし、確かにこれじゃ奴隷としての価値が無いのはわかるな。まぁ、そのお陰でこうして逢えたって事には感謝した方がいいのか?どっちでもいいか」



「………」



「まあ、今更だが自己紹介しておくか。俺は…まあ、見ての通り何処にでもいる一般人だ。一般って定義が何処までかは知らないけどな。俺を呼ぶときはレムって呼んでくれ…と、確か声が出ないのか。ま、いいさ。気楽にやるつもりだったし、そのうち気が向いたら呼んでくれればそれでいい」



「………」



「お前は…名前は?」



「………」



「覚えてない、それとも言えない、か。なら俺はお前のこと“アル”って呼ぶ事にするぞ。根拠、てかまあ、お前に似てたあいつの愛称なんだよ、やっぱりどうにもちらついてなぁ」



「………」



「…相変わらず反応がない。で、名前はアルでいいのか?」



「………」



「まあ嫌じゃないならいいさ。つーわけでお前はこれからアルだ、判ったな、アル?」



「………」



「くぅ、判っていたさ、分かっていますとも、はい。でもここまで反応がないと正直くじけてしまいそうだよ、まいはーと」



「………」



「くそ、ぼけても駄目か。……何か寂しいな」



「………」



「まあ、いい。急ぐ旅路でもなし、ゆっくりとのんびりと、いきますか。お前にもそのうち以前の自分が戻ってくるだろ。もし戻らなくても俺が戻してやるからな、安心しろよー?」



「………」



「んじゃ、行くぞ、アル」



「………(こくん)」





追記メモ:


人物紹介


アルーシア(本名不明)

愛称、アル。レムもほとんどこれで呼んでいる。

精神的ショックで喋れなくなってしまった奴隷の少女。感情の起伏も少ない。

本名は不明、本人が言わないので知らない。でも取り敢えず今の名に不満は無い様子。

薄汚れていて喘ぎ声がなく、身体も弱いので奴隷としての価値もほとんどない。

レムに買われた。

……何気にメインキャラです。毒電波放映中のですが。


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