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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
125/1098

ど-93. 雨…です?


全てを洗い流してくれます



「雨だな」



「雨ですね」



「…雨だな」



「雨ですね?」



「と、言うかこれを雨と呼んでいいのか?」



「正確には豪雨、と呼ぶべきでしょうか?」



「そうだな、そう呼ぶべきだよな。雨音しか聞こえないし、周りは雲ばっかりで視界悪いし」



「どうやら雨雲の中にでも入り込んでしまったようですね」



「館への負担はどうなってるんだ?」



「そのあたりは万事つつがなく。最小に留めた結界にて地盤および建物への被害はほぼないものとなっております」



「そうか。ならよかった。…いや、待てよ。それなら初めから結界で完全に遮断しようぜ?」



「稀に雨音を聞いて心を落ち着かせられるのもよろしいかと」



「あぁ、そう言えば最近そんな事も言った気がするなぁ。でもな?」



「はい、なんでございましょう、旦那様」



「モノには限度ってものがあるんだぞ?」



「存じております」



「ならちょっとは察しようよ?」



「重々、察しております」



「それなら今の状況はどうしてだ?」



「旦那様のお喜びになられるお顔が見たかったのです」



「……、そうか」



「はい」



「で、結果は?」



「…旦那様はお喜びになられないので?」



「今までの話の流れからしてどうやって喜べと?」



「雨音が聞こえます」



「ああ、うるさくってお前の声を聞き取るのもやっとだけどな。それで?」



「心が落ち着きます?」



「お前は落ち着くのか?」



「旦那様のお傍にいるだけで私の心は常に安らいでおります」



「…あ、そう」



「はい」



「…んで、お前は何をそんなに期待に満ちた目で俺を見るのですか?」



「いえ、別にそのような事は」



「いいから。で、率直に言うと?」



「旦那様、お出かけになられませんか?」



「この一寸先も見えないような豪雨の中を、俺にどうしろと」



「そんなっ、旦那様酷い!!」



「俺にはお前の思考回路が分からんのだが、……出かけたいのならお前一人で出てきたらどうだ?全身にシールド張れば、お前なら問題ないだろ?」



「……、旦那様?」



「何だ?」



「雨の中へ、ごー?」



「ざけんなっ!!いきなり何を言いだしやがるっ」



「旦那様」



「な、なんだよ、てかどうして近づいてくる?」



「――」



「いや、そもそもどうしてこんな展開に!?」



「……」



「ゃ、何か怖いのですが。そしてその振り上げた手は何だと問いたい。まさかそのまま俺に振り下ろすなんて事…」



「それでは、」



「いや待て」



「雨の中へ――」



「早まる…」



「ごー?」



「ながっ!?!?!!?」



「…後ろへ飛んで威力を軽減されるのは流石旦那様かと。そして結果としてご自身で窓を突き破り豪雨の中へ……おっと、開いた結界は閉じておきましょうか。どなたかの侵入防止も含めまして」





「うぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼのびゃぼぼぼべべぼぼ」





「雨は全てを流してくれます。想いも、怒りも。……ついでに旦那様の抗議のお声も」





本日の一口メモ〜


本日は自業自得の旦那様でお送りいたしました。

いけませんね。そして自業自得であってこその主人公です。



旦那様の今日の戯言

「うぼぼぼぼぼっ」(豪雨の中におります)


メイドさんの今日の格言(?)

「…ほぅ、全てを洗い流す雨。良いです」


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