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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
124/1098

ど-92. 雨です


雨、雨、降れよ〜雨さんよ〜



「雨だな」



「はい、雨でございますね旦那様」



「……」



「……」



「何で雨が降ってるんだ?」



「この館を囲む結界を少々弱めております。偶にはこのような風情も必要かと思いまして……御不快でしたか?」



「いや、朝起きたら久しぶりに雨音が聞こえたからちょっとびっくりしたくらいだ。てか、こう結界に守られた中で過ごしてると感覚が狂うな」



「はい。そうであろうと考えまして、結界の結びを緩めております」



「んで、一応聞いとくが外の守りは大丈夫なんだよな?」



「はい、それは当然。旦那様のずたぼろにされたプライドすらも通さないほどに守備は万全で御座います」



「で、今俺のプライドはずたぼろにされた訳だが、何か弁明があれば聞くぞ?」



「旦那様の寛容な御心に期待しております」



「期待するだけならただだもんな?」



「はい。タダより高いものはない、とはまさにこの事でございますね」



「どういう意味だよ、それは?」



「旦那様に期待を寄せるだけ、無駄であると。むしろ酷く心象を害しました」



「え、何?何でいつの間にか俺が悪いって感じにされてるわけ?」



「いえ、そのような事実は御座いませんとも」



「…どうせ初めから俺が悪いからいつの間にも何もあるか、って展開だろう?」



「流石は旦那様。まさかそのような事を私が言う筈がないではありませんか」



「……今、俺はすごいセリフを聞いた」



「私は旦那様が悪いなどとは一切申し上げておりません。これも全て私の至らぬところが悪いのでございます」



「俺としてはお前はもう至っちゃった…つーかそれを軽く通り過ぎてしまってなお爆走してる気もするのだが?」



「まさか旦那様にそこまで高い評価をいただけているとは……確かに私は旦那様の猜疑心満点な評価の遥か上を目指せるほどの優秀さではございますが、まさか、そのような」



「俺は暴走、と言いました」



「それは致し方ない事かと」



「いや、仕方なくないから。…一応弁明を聞いてやろう」



「はい。常に暴走なされている旦那様を取り押さえるには捕縛側もある程度の許容値を持たねばならないという苦渋の決断にございます」



「苦渋じゃねぇ…。て言うか俺は取り押さえられる事前提だったのか、知らなかった」



「おひとつ賢くなされましたね、旦那様?」



「嬉しくもないけどな。そもそも必要ない知識だ」



「――旦那様は、知ってしまわれた!」



「え、何を?つかその無駄かつ中途半端に深刻そうな響きの言葉は何ですか!?」



「いえ、ここは敢えてこのように申し上げてみるのが良いかと思いまして」



「俺としてはお前の振る舞いには何かしらの裏があるように見えてしまうのだが…勘違いか?」



「所で旦那様、外の様子がどのようになっているのかご存じでしょうか?」



「露骨に話題逸らしたな、今。……いや、まだ外に出てないからな。まあ想像はついてるのだが。そうだな、今から朝食前に軽く散歩でもするか。雨音聞いて景色眺めるのも偶には悪くないだろ」



「ではご朝食はその後に?」



「何だ、もしかしてもうここまで持ってきてたのか?」



「いえ、そのような旦那様よりも明確な事実は御座いません」



「うん、なら問題な――……、ここで問題ないって言ってしまえば俺は重要な何かを失ってしまう気がする」



「恐らく、事実かと。それは捨て置きまして、旦那様?」



「何だ?…てか、捨て置けない事実だな、おい」



「いえ、捨てましょう。それはそうとしまして。……いってらっしゃいませ、旦那様」



「は?何言ってるんだ、お前?」



「散歩に向かわれるのでは…?」



「あ?……もしかしてお前ついてこないつもりだったのか?」



「…お伴してもよろしいので?」



「当然だろ?………むしろここでお前が断ったりしたら何か裏があるんじゃないかって戦々恐々してるよ」



「――では、喜んでお伴させていただきます」



「おう」





本日の一口メモ〜


雨の日の散歩と言うのも乙なものです。どこにでもあるような一日の風景でした。

100話まであと8つ。取り敢えずカウントダウンらしきものをしてみる。



旦那様の今日の格言

「雨音ってのは態の良い子守唄だな」


メイドさんの今日の戯言

「…レクイエム?」


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