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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
122/1098

ど-91. 上納金


アルカッタ・・・軍事大国?

キックス・・・昔の王様、元奴隷?




「こちらが今月分の上納金となっております」



「は?上納金?」



「失礼いたしました」



「いや待てよ。その『ちっ、しまった。しくじったか』みたいな表情をわざとらしく浮かべられて引き留めない馬鹿がどこにいるか」



「旦那様がおられます」



「いや、俺は引き留めたし」



「それで旦那様、いかがなされましたか?」



「如何もくそもあるか。さっきの上納金って何だよ?どこかで聞いた事もある気がするのだが…?」



「旦那様、お忘れでしょうか?ならばそちらの方が都合が良いのですが」



「忘れた。だから今すぐ話せ」



「承知いたしました」



「うん。で?」



「上納金とはアルカッタからの『指導軍備金』の名目で月々支払われているお金の事になります。ちなみにひと月あたりこれほどの金額になっております」



「うおっ!?貴族連中がひと月は遊んで暮らせる金額だな、これ」



「はい、そうでございますね」



「…あぁ、思い出したぞ。軍備金って、あれの事か。キックスが軍事演習の教官をお願いしたいって……懐かしいな。つか、あの話ってまだ続いてたのか」



「はい、護衛部と料理部の者を数名、月に出しております。都合のつかない時は私が赴くか…最近ではスヘミア様にお願いしておりますね」



「へぇ、そう言えばお前がふといなくなる時期ってあったよな。これの事か」



「いえ、異なりますが?それと旦那様の仰られている時期はおそらく旦那様にご内密で開いております『旦那様撲滅☆友の会』への出席時であると思われます」



「…なに、それ?」



「旦那様にはご内密ですので、お応えいたしかねますが?」



「いや、つーか俺、撲滅?星マークが入っている気がしたのは気のせいだとしてよ」



「はい、『旦那様撲滅☆友の会』で間違いございません。それとこちらの旦那様とは旦那様の事ではございません。…ややこしいですね」



「確かにややこしいな。でも俺じゃない?それってどういう事だ?…あとやっぱり星マークは入ってるのか」



「旦那様、とはこの場合“自らが使えるご主人様”の事を指しております。主な活動内容は互いに愚痴を言い合う事でしょうかね?ちなみに私が会長兼名誉顧問です、えへん」



「今なにか不穏当な発言があった気がするのは俺だけか?」



「いえ、信じがたい事に旦那様の勘違いではありません。断言いたしましょう」



「断言された!?……て事は何か、“自らが『使える』ご主人様”――て事でいいのか?」



「はい。傍仕えする、と言う意味ではなく使えるご主人様、と言う意味で相違ありません」



「…世の中にお前みたいな奴がわんさかいるのか…?この世界も終わってるな」



「問題ありません。私が大衆を導いております」



「つか、やっぱりお前が元凶ですか!!」



「名誉顧問ですので」



「…あぁ、そう言えば忘れていたが。名誉顧問つーことはアレだ。……そもそもお前がその怪しい会の発端者だな?」



「流石は旦那様。世界の破滅一瞬前のごとく冴えわたっております。それと怪しい会ではございません。『旦那様撲滅☆友の会』という立派かつ荘厳たる会名がございます」



「それはどうでもいいとして、だ。…その訳の分からない会もこの際置いておくとしよう」



「ちなみに会員は全国で五万人ほど存在しております」



「多っ!?……いや、まぁ。この件については後で詳しく問い詰めるとして、だ」



「旦那様、優しくお願いいたします」



「…何が?」



「いえ」



「そこで頬を染めて恥ずかしそうに目をそらすの、止めてくれません?何かこう、もやもやと…」



「旦那様は非常に不届き者でございますね?いったいどのような事をお考えになられていたのやら」



「ゃ、それは逆に俺が問いたい事だから」



「旦那様の事を考えておりました」



「…即答ですね」



「はい。私は常に旦那様の事を考えておりますので」



「それで常日頃の態度が酷くなければ俺は取っても満足してるんだけどね」



「私は満足しております」



「わーい」



「わーい」



「…すっっっっっげぇムカついた」



「わーい」



「……だから、無表情かつ平坦な声でそれをやられると非常にムカつくんだよなぁ。ああ、いや、それは今はいいとして、だ」



「話題がずれたのはそもそも旦那様の所為でございます」



「うるせ。で、だ。やっと話題が戻るけどな。これ、絶対アルカッタの奴ら文句言ってるだろうなぁ」



「はい。確かに旦那様の御懸念通り、アルカッタの財務担当の者から旦那様は目の敵にされているそうです」



「へぇ…て、俺!?」



「はい」



「てか俺の所為じゃないでしょ?」



「知らぬ間に他人から恨まれるとは、旦那様はつくづく罪なお方ですね?ちなみに旦那様が恨まれているのは私がねつ造した事実を吹き込んだからに他なりません」



「お前かっ!……なによ、どこをどう辿っても最終的にはお前が俺の元凶か!?」



「はい。まあ今の財務担当の方も気難しいお方なのですが、それはそうとしまして、旦那様にもう一つご報告せねばならない事がございます」



「…もう、なんですか?」



「そして一年に三名ほどいなくなります」



「………、は?」



「“隷属の刻印”を刻まれた方々のアルカッタへの解放の割合ですかね?」



「オレ、マッタクシリマセンケド?」



「そうですか、ようございましたね、旦那様?」



「……うがー!!!!!」





本日の一口メモ〜


『旦那様撲滅☆友の会』

・・・世界に馳せる秘密組織、世界規模(笑)



旦那様の今日の格言

「潰しておかねば、なるまいて」


メイドさんの今日の戯言

「『旦那様撲滅☆友の会』発足より早、百数十年…」

(あくまで戯言です)


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