10. どれいと占い師
アル・・・喋れない、奴隷の女の子。
レアリア・・・盗賊に襲われて、その際レムが助けて奴隷にした女の子。ツンデレ?
マデューカス・・・情報屋の女性。
「と、言うわけでこの街にしばらく滞在する事になった」
「何が『と、言うわけで〜』なのよ!?」
「……(こくり、こくり)」
「いや、ぶっちゃけ金がない」
「…、はぁ!?あんた何言ってるのよ。それにお金なら私が少しは…」
「あ、先に言っておくがレアリアが持てた金は俺が使い切ったぞ?」
「…なん、ですって?」
「……(こくり、こくり)」
「だからレアリアの所持金は俺が使いきった。…主にアルの服装とサリアのご機嫌取りに」
「……」
「まあ、サリアと…アルはどうか判らんが、喜んでたんだからよしとしようぜ。な?」
「ふっ、ざけるんじゃないわよー!!!!」
「……(こくり、こく)、???」
「何を失礼な。俺は至極真面目だ」
「真面目だったら何でもいいってわけじゃないでしょ!!むしろそっちの方が大問題よ。貴方、ヒトのお金を勝手に…何様のつもり!?」
「お前のご主人様だが?」
「…ぐっ」
「……(こくり、こくり)」
「と、言うわけで無事レアリアを説得できたところで大問題が一つ生じている。その事について話し合おうじゃないか」
「納得は、してないけど。…その大問題って何なのよ?」
「ああ、金がない事は話したな?」
「ええ。非常に納得がいってないけどね」
「で、だ。ここの宿に泊まる金もないって訳だ。つまりはあれだな、えーと……食い逃げ?違うか。まあとにかくそう言うわけだ。事の重大さは理解したな?」
「……えぇ、ほんっっっっとうに納得できないけど、理解だけはしたわ」
「よし。と、言うわけで俺たちには今すぐにでも金が必要な訳だ。だからギルドに職探しに行こうと思う」
「ギルド…?」
「何だ、お前。ギルドも知らないのかぁ?」
「知ってるわよ、それくらい」
「ほぅ、なら試しに何するところか言ってみろよ?」
「そのニヤけ顔がムカつくわね。…一言で言えば何でも屋でしょ、ギルドって。依頼を受けてお金をもらうって。まあ世間じゃ魔物退治とかの認識が先行してて、ハンターってイメージがあるけど」
「おぉ、よく知ってたな、レアリア」
「失礼ね。これでも私、ギルドランクBよ。…それにこの程度の知識誰でも知ってる事でしょうが」
「まあ、そうだよな。じゃあ都合よくギルドランクを持ってたレアリアはギルドへ行ってお金を稼いできてくれ」
「それは構わないけど…って言うよりあんたも来なさいよ」
「いや、俺ギルドランクFだし。それならランクが上のレアリアに行ってもらった方がまだ金になるだろ?」
「……(こくり、こくり)」
「…ギルドランクって確かS〜Eまでよね?」
「ああ、そうだぞ。俺は特別不名誉会員だからな。Eの更に下なんだよ」
「それ、どんなのよ?」
「い、言っていいのか?言っちゃうぞ?本当に言っちゃうからな??実はだな…」
「いや、別にいいわよ。あんたの事情なんて知った事じゃないし。それはそうとあんたにはついてきてもらうからね?」
「えー。ぶーぶー」
「止めなさいよっ。そもそもあんたが原因でお金がないんでしょうが。少しは罪悪感てものがないの?」
「ない。俺はお前のご主人様だからな。なんつーの?俺のモノは俺のモノ、お前のモノは俺のモノ、って感じ?」
「ふっざけるなー!!!」
「だから俺は至極真面目だと――」
「なお悪いわこのー!!」
「ふっ。どれだけ抵抗しようと無駄な事。既にお前の身体は俺のいいなりさっ」
「……(こくり、こくり)」
「なっ――!何を急に誤解されるような…」
「つーわけで、レアリアはギルドへ行ってくれ。これ、ご主人様命令な?」
「…ひっ、卑怯よ。こんな時にばっかり命令するなんて」
「ふふんっ。これがご主人様特権という奴だよ、キミ」
「………判ってないけど、分かったわ」
「ふむ、矛盾したもの言いだな」
「うっさい!……それで、私はいいとしてあんた…レムとアルはどうするのよ?」
「ん〜、そうだな。俺とアルは優雅に街に繰り出して遊んでる?」
「それ、突っ込んでも無駄なんでしょうね」
「うん」
「速答すなー!!」
「だって事実だし」
「……(こくり、こくり)」
「…はぁ、もういいわよ。何か話してるだけで疲れるわ」
「それはレアリアが俺に対する淡い恋心で緊張しているという…驚愕の新事実!?」
「じゃあね。取り敢えず夕食までには戻るわ」
「え?えぇ、無視ですか??」
「……(こく、こく)」
「…アル、いつの間に起きたんだよ?」
「じゃ、アル。行ってくるわね。ちゃんといい子にして待ってるのよ」
「……(こくり)」
「よしよし。それじゃ――レム、あんたはアルに変な事するんじゃないわよ?」
「へ、変な事とは失敬なっ」
「…どうだか。それじゃ、行ってくるわ」
「ま――お前は重大な勘違いをして、てもういねぇし!?」
「……(じー)」
「…はぁ、もういいや。それじゃ、俺たちも出かけるとするか、アル」
「……(じー)」
「はいはい、行きましょうねー?」
◇◇◇
「どうだ、アル。ほら、ヒトがいっぱいだぞ。楽しいかー?」
「……」
「ほら、あそこが食べモノを売ってる所で、あそこは服とか鎧とかを売ってる所だ」
「……」
「アル、どこか行きたいところがあったら言ってくれればそこに向かうからな?」
「……」
「何故だろう?レアリアと一緒のときは割と反応してくれてたはずなのだが、俺一人になるとこうも無反応に戻るのは何か理由があるのか?それとももしかして俺ってば嫌われてる??」
「……」
「まあ、今は深いところは気にしない事にしよう。立ち直れなくなりそうだからな」
「……」
「で、だ。どこへ行くかだって?ん〜まあそうだな、レアリアに時間をつぶして貰ってる間にちょっとアルカッタの現状とか周辺の事について調べておこうと思ってな」
「……」
「情報収集って言うのはな、その道にはその道に詳しいところがあるんだよ。アルにはまだちょっと分からないかもしれないけどな」
「……」
「んで、俺が向かってるのはそう言うところ。……いい加減俺一人で独り言呟いてるみたいで寂しいのです、アルさん」
「……」
「はぁぁぁ。やっぱり何の反応もなし、か。仕方ない。今はまだ、それでもいいさ。時間はある」
「……」
「と、着いたぞ。ここだ」
「……」
「んーまあ確かに如何にもボロ屋で怪しげな場所だけどな、一応その筋の店だから大丈夫だ。情報屋にとって信用って言うのは第一だしな」
「……」
「まあ入ってみればわかるか。じゃ、入ろうか、アル」
「……」
「ちわー、おひさー」
「…能天気な声、聞き覚えがあります」
「よう、久しぶりだな、マデューカス。元気してたか?」
「やはり貴方でしたか、レム・ぱっぱらぱー」
「…ゃ、そのぱっぱらぱーって言うのはなんだよ、一体」
「どうでも良いでしょう。どうせどちらも偽名でしょうし。ちゃんと呼んでほしいのであれば本名を教える事です」
「や。止めとく」
「そうですか。……それで、気になっていたのですがそちらの幼女はどこから攫ってきたのです?」
「なーんで俺の周りにいる奴らは一目見てはじめにそんな反応を示すかね」
「貴方にまつわる様々な噂と、日頃の行いを見ていれば自然とそうなります」
「…その噂がどの程度信用できるか、お前ほどの腕なら分かってると思うのだが…?」
「はい。八割方はデマであると判断できます。ですが残り一割は保留、更にもう一割は真実であると判断しています。それにあのような噂を流されると言う事は相応の恨みを買っている証拠でもあるでしょう?」
「……いや、なんつーか、恨み、なのかなぁ?恨みって言ったら恨みのような気がするし、でもそうじゃないような気も……」
「悩むのは勝手ですがそれは私のいない所で行ってくれると助かります」
「っと、悪いな」
「いえ。それはそうと、そちらの幼女はどうしたのです?」
「ああ、いつもどおりの奴だよ。…一応、な」
「と、すると“隷属の烙印”の奴隷ですか」
「ああ。名前はアルって言う。ほら、アル、このおねーさんに挨拶だ」
「……そのおねーさんという呼称は止めていただけますか?」
「なんだ、照れてるのか?」
「そう言うわけでは、ないですが」
「ならいいじゃないか。で、この陰湿そうなおねーさんはマデューカスって言ってな、占いや他人のプライバシーを売ってる実に嫌な奴だ」
「レム・ぷっぷるぷー、そのような紹介では彼女に誤解されるでしょう。もう少し真面目な紹介をなさい」
「なんだよ、実に的を得た紹介だと思うけどな」
「…それが貴方の見解ですか」
「――さて?じゃ、アル、挨拶だ」
「……」
「ん、取り敢えずは頭を下げる。“こんにちは”ってやつだな」
「……」
「こう、マネしてみ?」
「……(ぺこ)」
「丁寧なあいさつありがとうございます、アル。それとレム・ぽんこつ、少々気になっていたのですが彼女、声を出せないのですか?」
「ああ。昔に何かあったのか、それとも生来のものか、どっちか分からないけど今は、な。まあそのうちよくなるさ」
「その、貴方の気楽な所は短所であり、長所ですね」
「ありがとよ」
「褒めてなどいません」
「……照れた?」
「照れてなどいなません。何故照れる必要があるのです?」
「いや、まぁ、何と無く?」
「……。それで、レム・ぴゅるる〜、一体何の用ですか?」
「なんだ、用事がないと来ちゃダメなのか?」
「駄目ですね」
「即答かよ」
「そもそも私は情報屋です。情報を受け取りに来る以外に何の用事があって私に会いに来ると言うのですか?」
「ほら、気を引くためとか?」
「それは貴方に言われると一番信用のない言葉ですね。馬鹿な冗談はさておき、何が知りたいのです?」
「つれない奴め。……ああ、アルカッタと周辺についての情報を少しな」
「…相変わらず目の付けどころが早いですね。一体どこから情報を仕入れてくるのやら」
「いや、今回はちょっと野暮用でアルカッタまで行く必要があってな。別に狙ってたわけじゃないぞ?」
「貴方はいつもそう言う」
「偶々だって」
「どうだか。…それで、アルカッタとその周辺でしたね」
「ああ」
「アルカッタは…もう貴方なら知っているかと思いますが今非常に緊張状態になっていますね。戦争一歩手前、というところです。周辺諸国もいざという時に備えて臨戦態勢を整えています」
「ああ、そこまでは解ってる。俺が知りたいのはアルカッタが戦争を起こそうとしている理由とその相手国はどこか、って事だ」
「戦争の原因は不確定です。それと相手国はカトゥメ聖国ですね」
「カトゥメって…そりゃまた随分と離れた所だな」
「はい。少々不可解なところもあります」
「で、原因が不明じゃなくて不確定って事は、ある程度のめどはついてるって事だよな?」
「はい、一応の範囲ではありますが。それに仮にこの理由が本当であるのならば確かにカトゥメ聖国と事を起こそうとしている真意は理解できます」
「へぇ。で、その理由って言うのはなんだと考えているんだ?」
「――第一皇女リリアン・アルカッタの誘拐」
「……へ、ぇ」
「思ったよりも驚かないのですね?」
「いや、これでも十分驚いてるぞ。しかし…それなら確かにカトゥメ聖国が相手ってのも理解できるな。あそこは世界でも有数の奴隷排除の国だからな。そしてアルカッタ王族の血筋は」
「キックス――出自不明の奴隷にして王まで上り詰めた男」
「ああ、その通りだ。今の王族はその血を継いでるからな、そりゃカトゥメ聖国としちゃ、認めたくもないし目障りだろうよ」
「けれど、一つだけ不可解な点があります」
「ああ、そうだな。第一皇女リリアン・アルカッタ、通称『掌握の鬼神』リリアン――力こそ全てが信条のアルカッタでも最強の戦姫、WR.に名を連ねる世界最強の一人がそんじょそこらの国に拉致されるはずが無いって事だな」
「はい。他のパーツはどれだけ出揃ったとしても、これだけがどうしても成り立たない、矛盾が生じる」
「……まあ、な」
「レム・ぷにぷにー、貴方の意見を聞きたい。リリアン・アルカッタの誘拐はあり得ると考えますか?」
「――あぁ、あるな」
「それは、どのような…?」
「ま、最強も所詮は人間って事だ。余程の、それこそ神だの龍種だの、今となっちゃ馬鹿げてるような存在以外には何かしらの無力化する手段くらい両手に余るほど存在してるさ」
「龍種――彼の『白面』ですか」
「さてな。そもそも『白面』が龍種の生き残りってのも単なる噂だろう?」
「いえ、これこそリリアン・アルカッタの誘拐よりも信憑性のある話だと、私は考えていますが?」
「…まあ、今は『白面』の話はどうでもいい。それよりもアルカッタの現状の話だな。で、だ。第一皇女の誘拐があり得るとすると、この件はどうなる?」
「……そう、ですね。リリアン・アルカッタの完全無力化を可能、もしくはそれを上回る戦力の保有、そのどちらであれカトゥメ聖国が主導権を握っているのには間違いなく、アルカッタが攻め入るのにこれ以上の理由は必要ない。確実に戦争が起きますね」
「マデューカス、お前の見識だと開戦まで後どれくらいの時間がありそうだ?」
「20…いえ、15日後と言ったところですか。それでも長く見て、ですが」
「十五か。結構速いな」
「そうでもありませんよ。アルカッタにしてみれば今すぐにでも攻め入りたいはずです。そう考えれば十五日はまだ長いと言えます。今はおそらく周辺諸国への根回しをしているのでしょう」
「…ああ、そりゃそうだな」
「判っているとは思いますがレム・ぴゅっぴゅっぴゅ〜、先ほどアルカッタへ行くと言っていましたが、今あそこの国へ向かうのはお勧めできませんよ?」
「そうはいってもなぁ…危険だから、の理由でアルカッタ行きを止めるような勢いじゃなかったからな、あいつ」
「?…何ですか、貴方の都合でアルカッタへ行くのではないのですか。では、そちらのアルの都合で…?」
「いや、もう一人連れがいてな。レアリアつーて、そいつがアルカッタへどうしても行かなきゃならないんだ、って事で俺たちはそのお伴みたいなもんだな」
「……相変わらずのようですね、レム・むぽー」
「いや、何が?」
「自覚もない所がますます相変わらずですね、レム・きゃるる〜」
「…まあ、いいか。それよりもマデューカス、ひとつ聞いておきたい。レアリアって名前に効き覚えは?」
「それは私個人の、と言う意味ですか?それとも今回の件…アルカッタとカトゥメ聖国間の事についてですか?」
「後者だ」
「………えぇ、一名だけありますね。レアリア・ルーフェンス。ギルドランクはB+。功績から見て近々Aに昇格するでしょう」
「へぇ、Aレベルか。レアリアの奴、結構強かったんだな。んで?」
「出自はカトゥメ聖国のとある貴族と奴隷との間に出来た…いわば隠し子です。ただし、ここで注目すべき事はその奴隷――女性なのですがその後、聖王に見初められて男児を一人産んでいます。こちらの情報も極秘事項ではあるのですが」
「怖いねぇ。つか、本当にお前はどこからそんな情報を仕入れてきてるのかね?」
「貴方には負けます。貴方こそ、一つにはいつもあれほどの金銭をどこから集めてくるのか。他にも甚だ疑問が尽きませんが?」
「ま、お互いの詮索は今はなしにして、だ。つーかそれはめちゃくちゃ凄いスキャンダルじゃないのか?カトゥメ聖国って確か跡継ぎが男一人に女一人しかいないはずだよな?」
「その通りです」
「おいおいおい。つーことはあれか、レアリアの片親違いの弟がいて、それがカトゥメ聖国の次期聖王様?」
「そうなりますね。そしてその聖王縁の彼女がアルカッタへ向かっている。…実に興味深い事実ですね」
「一応釘さしておくけど、お前は手を出すなよ?」
「貴方が関わっている時点で出しませんよ。――レム・おぽぽぽ、貴方が関わるとどんな事件も実に奇妙な終わり方をする」
「偶然だろ?」
「一度は偶然、二度は奇跡。そして三度目は必然。四度目以上はありません。あるとするならばそれは完全な“作為”です」
「ま、お前がどう思おうと勝手だけどな。っと、ほら、今回の情報料だ」
「……可笑しいですね。貴方は今金欠が理由でこの街に留まっているのでは?」
「どうしてその情報を知っているかはさておき、よく金のない俺に情報を話したな?」
「単に例えお金で払えなくとも貴方に話せば十分な見返りが手に入る、と言う事ですよ」
「例えば俺の身体とか?」
「寝言は一度死んでから言ってください、レム・ザ・ヘタレキング」
「………つれないな、おい」
「貴方に媚を売る必要を感じません。何よりそのような行為は貴方の最も嫌いとするところでしょう?」
「まあ、確かに」
「ならばそう言う事です」
「ふむ……ま、それはそれ、これはこれとして、だ。この金はお前への情報量だからな、元々使える金じゃないんだよ。だから結局、文なしって訳だ」
「よく言います。そもそも、貴方は私との遭遇率が高すぎる。情報屋にとって自身の情報は一番隠し通さなければならないもの。私はこれでも神出鬼没として知られているのですけどね?」
「運命だろ」
「そのような運命は断固、お断りしたい。…それよりも宜しいのですか?先ほどから隣の彼女が退屈しているようですよ」
「ん?」
「……」
「ああ、すまん。アル、忘れてた」
「……」
「…やっぱり反応ないなぁ」
「貴方にはそう見えますか?」
「そう見えるかって、マデューカス、お前には違って見えるのか?」
「レム・オーバーキル、これでも貴方とはそれなりに長い付き合いです。一つ、いい事を教えてあげましょう」
「何だ?」
「隣の彼女、アルと言いましたか。アルは今貴方に怒っていますよ?長い間放って置かれれば気分の一つや五つ、悪くもなるでしょう」
「は?…アル?」
「……」
「…いつもと変わらないぞ?」
「……」
「で、あるからこそ貴方は救いようがないと言うのです」
「はあ、いまいちよくわからんが、お前は俺を馬鹿にしているのか?」
「いえ、違いますとも。私は貴方に助言をしているだけですよ、レム・ぽぴゅ〜るん」
「…ふんっ、ついさっき会ったばかりのお前にアルの何が分かる。どうせでたらめだろ?…ほら、アル、行くぞ」
「……」
「――やれやれ。だから貴方は女心が分からないと言うのです、レム」
◇◇◇
「よし、アル。次はどこに行く?」
「……」
「お、そっちに行くのか。…何気に初めて反応をくれて俺は今非常に感動している」
「……」
「っと、そう慌てるなって。どれ、何か欲しいものでもあるのか〜?」
「……」
やぅ!
……登場人物が女しかいないって、これどういう事ですか?