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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
119/1098

ど-89. 限界点突破


臨界も〜ど?




「旦那様、限界を突破いたしましょう」



「いきなりだな、おい」



「はい、いきなりで御座います」



「しかも嫌な想像しか浮かばないのだが?」



「旦那様は勘違いをなさっております」



「ほぅ、どこがどう勘違いなのか言ってもらおうか」



「はい、では僭越ながらご説明いたしましょう。旦那様は限界を突破なされると聞いてどのようにお考えなさいましたか?」



「そりゃ、無理な修行とか死にそうな目とか酷い扱いとか色々とあるだろ?」



「なるほど。ふふっ、ですが旦那様?」



「何だよ?」



「そのような事、旦那様にとっては日常茶飯事ではございませんか」



「…そだね。つか、色々と日々の事を思い出して悲しくなってきたよ、俺」



「御労しや、旦那様」



「お前が言うと言葉に重みがあるよね」



「御褒めいただきありがとうございます」



「皮肉だよ」



「存じております」



「だよな、お前ってそう言う奴だよな」



「旦那様が仰られるそのような、とはどのような意味であるのか、理解するのは拒否いたしますが。旦那様が私の事をご理解していただけているようで、喜びの言葉もございません」



「あぁ、確かに理解してるな。それでもってできるなら俺の心情も理解した上でいたわってくれると非常に嬉しいな」



「旦那様、そのような時こそご自身の限界を突破なされるときなのです」



「嫌な限界突破の仕方だな」



「そうですね」



「…てか、同意するなら俺に勧めるなよ」



「旦那様であればきっとやってくれると、私は信じております」



「一つ良い事教えてやろう」



「はい。何でしょうか。それと私からも旦那様に一言申し上げておきましょう。言うだけならばタダである、と」



「…お前ね。では俺からも一言、無償の信頼ってのはタダより怖いものだ」



「そうですね。そして私の旦那様への信頼は有償ですので、ご心配ありませんね?」



「…そうだったのか?俺はてっきり無償かと」



「旦那様の御苦労には私も心が痛みます」



「それ、どういう意味?つか、それはあれですか、俺が酷い目見て、それをアナタが味わってますか、そうですか」



「そんな、恐れ多い事。……そうでございます?」



「認めやがったー!!」



「いえ、私はあくまで旦那様の望みに従ったまでの事で。そこに私の思惑が入る余地は一切ございません」



「しかも言い切った!!」



「えぇ、旦那様。私にも私の誇りというものがございます。ちなみに旦那様が所持しておられると勘違いなされている埃とは断じて異なりますので、お間違えのないよう」



「間違わないよ。それと何か俺の持ってる『ほこり』が何か違う意味合いに聞こえたんだが、俺の気のせいか?」



「はい、旦那様がお持ちになっておられる可能性があるのは『埃』です。間違い御座いません」



「そ、そうか」



「はい。それと旦那様?」



「何だ?」



「そんな事は御座いませんよ?」



「は?何が?」



「ですので、旦那様が酷い目に遭われるのを眺めて私が愉悦に浸っているなど、そのような事……ございません?」



「だから何故そこで疑問形になる!?」



「では言い換えましょう。そのような事は断じてございません。旦那様との契りに掛けて断言いたしましょう」



「おぉ、お前がそこまで言うって事はマジなわけだな」



「当然で御座います、旦那様。私は旦那様に嘘を吐いた事などございません」



「その言い方は微妙だって事、知ってるか?仮に嘘吐いた事があったらその言葉自体が嘘だって事なんだぞ?」



「私は私を信じて下さると旦那様を信じておりますので、問題ございません」



「はぁ、分かったよ。そこまで言われたら俺としても信じないわけにはいかない――なんて言う筈があるかっ。誰がお前の事なんて信じるものかっ」



「旦那様がやさぐれております。ここは調教、もとい教育的指導が必要でしょうか?」



「それはむしろお前に必要だ」



「旦那様の教育的指導ですか。……それも良さそうですね」



「っっ!!…何故だろう、どういう展開になっても俺が貧乏くじを引くような気がする」



「何を今更仰られますか。旦那様ご自身が貧乏くじではありませんか。引く引かないの問題ではございませんでしょうに」



「…アァ、この先生きる気力がなくなってきそうだよ、俺」



「心配には及びません。植物人間予定の旦那様?」



「未来確定ですか、俺っ!?」



「いえ、そのような事は…?」



「お願いですからこんな時にはいい切ってくださいよー!!」



「そればかりは例え旦那様の願いといえども…」



「え!?これって駄目なの?ねぇ、つかそれじゃ俺の未来真っ暗は決定事項ですか??」



「…旦那様、お労しや」



「労うくらいならもっと未来に希望が持てそうな言葉をくださいよ、ねぇ!?」



「旦那様、今こそ限界点を突破なされるときでございます!」



「うわっ、相変わらず無茶苦茶嫌な限界突破展開だけど……え、もしかしてここが俺の人生の分岐点、しかもとりわけ重要なヤツだったりするの?まさか、まさかねぇ、あはは」



「旦那様のその心労、お察しいたします」



「笑えねー!!!!てか何、この展開は!?」



「旦那様…信じて、おります」



「なに、この空気?もしかして俺が今から自分の限界点突破するのって既に決定事項だったりするの?ねえ、しちゃうの??」



「旦那様は…やればできるお方です。…………やらなければできませんが」



「うおおおおおおおおおおお、こうなったら俺も男だ、やったる!!!」



「それでこそ旦那様でございます。ところで旦那様、一つ気になっていたのですが、おたずねしてもよろしいでしょうか?」



「…、なんだ?」



「旦那様は一体どのような限界の突破を試みようとなさっておいでなのでしょうか?」



「そう言えば……あれ、何だろな?」



「さて?」



「いや、元々お前が言いだした事だろ。何かないのか?」



「いえ、恐らくはその事自体が…旦那様のなされる構想自体が旦那様の限界を突破なされるための方法なのでしょう」



「そ、そうか。そうなのか?」



「はい、恐らくは。決して私が考えるのが面倒なのでもうそれでいいでしょう、的な事は御座いませんとも」



「…まあ、これもある種の限界突破の方法ではあるわな」



「旦那様のご健闘をお祈りしております。……何の為に旦那様が意味もなく己の限界を突破なされようとしているのかは分かりませんが。恐らく何か崇高なご意思があるのでしょう」



「……」



「おや、旦那様。肩を震わせて、いかがなされましたか?」



「――なぁ?」



「はい、なんでございましょうか、旦那様?」



「もう色んな我慢の限界突破じゃー!!!!!!」





本日の一口メモ〜


何か本当に一口だけのメモになりつつある今日この頃。一日一回、グダグダな内容を考えるのはネタが続かなかったり続いたり……。


すーぱー旦那様…なんだかすごそうだけど、きっとメイドさんとの関係は変わりません。それが彼らのクオリティー。



旦那様の今日の格言

「ヒトは耐え忍ぶために生まれてくる」


メイドさんの今日の戯言

「我慢は体に毒でございますよ、旦那様?」


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