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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
115/1098

ど-85. 夢はでっかく――


久しぶりに…


「最近忘れられがちになってると思うんだが…改めて言わせてもらう」



「旦那様の夢ハーレムである、と」



「……台詞、取らないで」



「それは失礼いたしました。ですが私としましても、旦那様にこのような夢も希望もなく行きつく先は闇オンリーですか?以外の言葉が見つからないようなお言葉を言わせるわけにはいくまいと思いましたもので」



「前から思っていたのだが、そんなに俺がハーレムを実現させるのがおかしいかー!!」



「いえ、旦那様ならば世界中の女性の方々を虜にし、ハーレムを形成するのも何ら不可能ではないでしょう」



「ならお前の酷い言いようは一体何だと問いたい」



「極々真っ当な解答への帰結でございます。確かに旦那様には全てを魅了するカリスマとも言うべきものが存在するかもしれないと言えなくもないと考えるのですが、現時点での結果及びこれまでの旦那様の奇怪な行いを考えますに、実現は難しいかと」



「俺の行動が奇怪だと言うなら、その行動の約十割はお前の所為のはずなのだが?」



「そんな、旦那様にお喜びいただけるのであれば私は何も望むものなどありません」



「どこをどう取ったらそんな結論に結び付く?そしてつまりは俺の夢が実現しないのは全てお前のせいである、と捉えても問題ないんだな?」



「全て旦那様の自業自得でございます」



「言い切りやがったっ!!」



「遺憾ながらもこればかり紛う事なき事実ですので」



「なら一体全体どこが俺の自業自得だって言うのか、答えてみろよ」



「申し訳ございませんがそれは出来かねます」



「ほらな、やっぱり言えないんじゃないか。そもそも俺の所為じゃなくってやっぱりお前がいるからってのが理由なんだろ?そうだろ??」



「いえ、現実問題として行えない、と申し上げているだけで、私としては旦那様がお望みであるのならばお応えするのも吝かではございませんが」



「…どういう意味だよ?」



「はい、旦那様の事を語るのであれば時間が足りないと申し上げております。こちらにその本の一部を書き綴ったメモ帳がございますが、ご覧になられますか?」



「メモ帳ってこれ、あの呪いノートじゃないか」



「いえ、あちらは“旦那様への愚痴のーと”であり、こちらは“目指せ、旦那様の欠点百億選!”となっております」



「…無駄に数字が大きいのだが、俺の欠点はそこまであるのか?つか百億選って、選んだ上で百億も欠点があるって事なのか?」



「申し訳ございません、旦那様」



「だろだろ?まさかそこまで欠点が多いだなんて事無いよな?…な?」



「いえ、つい興に乗って書き綴っておりましたので、こちらはあくまで一巻となっております。一巻毎に百億件の項目があり、つい先日五十二巻が発行されました」



「多っ!?無駄に多いな、オイ!!」



「ちなみにこちらは館内及び地上の方でもベストセラーとなっております」



「どんなベストセラーだよ、それはっ!?」



「そうですね、私が独自に調べたところによりますと、このメモ帳を読み、書かれている人物――つまり旦那様ですね、よりも自分はまだマシであると安心なされる方や、享楽の話題として取り上げられている、旦那様をご存じの方は日ごろのうっぷんをこめて宴の席の肴に、などと実に様々な用途で用いられておりますね」



「嫌な用いられ方しかないな、おい。あと最後の宴の肴云々は後で誰か聞かせろ」



「こればかりは。守秘義務がございますので。いえ、無論旦那様の方が優先順位が高いのは当然の事。旦那様さえお望みであるのならば全てを白状しましょう」



「…て、白状、なのね。まあそれは後でじっくりと聴くとして、だ」



「はい、旦那様」



「そもそもとしてこんなモノを世に送り出してるお前が元凶だー!!」



「ネタの供給減は旦那様であるとも主張しておきましょう」



「…嬉しくねぇ」



「そんな旦那様を愛おしく思います」



「お前は俺を落として上げて、吊るして、一体どうしたいんだ?」



「いえ、私が旦那様に望む事など、おこがましくてとてもとても」



「…まあ今更だし、いいけどな」



「それでこそ旦那様。旦那様はやはり夢を目指し、崖の先に向かい迷わず全力で突き進むが如き生きざまが大変よく似合っております。惚れ惚れです」



「いやそれ死ぬから。崖に向かって全力ってそれはどんな自殺志願者だよ?」



「旦那様の分際が自殺志願者を馬鹿にするなどおこがましいにも程がございますね?」



「何それ!?俺と自殺志願者って実は自殺志願者の方が尊厳あったりするの??」



「まさか――」



「な、何?」



「まさか、この世界の中で旦那様よりも尊厳のない存在が本当にあると、旦那様はお考えで!?」



「あるよ!!あるに決まってるじゃないか。つか俺はどこまで低位置に属してるんだよそれは。権利もない、尊厳もないって、いったい何様よ、俺!?」



「それこそ何を今更。旦那様の存在など、旦那様以外にあろうはないではありませんか」



「……まぁ、だよね。お前ならきっとそう答えるって思ってたよ」



「当然で御座います」



「何で偉そうなんだよオイコラ」



「旦那様のご期待にお応え出来た自分を誇りに思います」



「頼むからもっとポジティブな意味での期待に応えて。…本当に心底お願いだから」



「旦那様がそう仰られるのであれば、致し方ありませんか」



「てか、初めから主人を喜ばせる方に考えようよ?」



「…、え!?」



「何故驚く、何故?」



「いえ、只今旦那様の背後に……、いえ、やはり私の見間違いでしょう。なんでもございません」



「いや怖いから、それっ!!何、俺の背後にいったい何が見えたって言うの!?」



「いえ、本当に何でも。…そう言えば至急の用事を思い出しましたの私はこれにてで失礼させていただきます」



「いや待て本当に俺の後ろに何を見たー!?」









「………いえ、本当に何も。ただ、私の告白をお聞きになっても平然としておられた旦那様のお姿が少々腹に据えた程度でございます。…存分にお悩みを、旦那様?」





本日の一口メモ〜


非常に忘れがちになっているかもしれませんが、レムくんの夢はハーレムです。…実現には程遠いですかね?



旦那様の今日の格言

「自分の後ろとは見えないものであり、恐怖の象徴でもある」


メイドさんの今日の戯言

「旦那様の背中は私が護ります」


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